恵庭岳  エニワダケ 1320m  (千歳市)    ■Home
2015年6月22日 曇り時々晴れ ポロピナイコース 単独
9:45駐車場→11:50第2見晴台→(12:25-13:05)恵庭岳→15:45駐車場

山名はアイヌ語の「エ・エン・イワ 頭が・尖っている・山」を意味し、恵庭市の由来になっている。 支笏湖に映る端正な山容は貴婦人に例えられ「雪の伯爵夫人恵庭岳」という歌まであるが、 噴火で削られた山肌は荒々しく凡そ女性のイメージには程遠い。



山の予定では無かったが天気が良さそうなので恵庭岳に出掛けることにした。 平日だし、登山道が去年09/11の豪雨災害で酷いと聞いていたので誰もいなだろうと思ったら駐車場が満車(4台)だった。 橋の架け替え工事もあって付近に止められずT字路を支笏湖温泉に曲がってすぐの広場に止めた。 登山道は流木と岩で埋め尽くされ、テープを頼りに踏み跡を辿る。 岩で埋まった砂防は広々として以前は見えなかった支笏湖が望まれた。 それでも門の様な涸れ滝から登山路に入ると何時もと変わらずほっとする。




この山には夏冬合わせて何度も登っているがいつもセカセカ歩くせいかこんなに花が多いとは思わなかった。 下の方にはマイズルソウや最近覚えたズダヤクシュなどの小さな花が多く、その中にちょっと変わった花を見付ける。 下山で一緒になった方からギンラン(写真左)と教えて頂き、きっと花言葉は「清純・高潔」に違いないと勝手に想像する。 青いのはミヤマハンショウヅルで花好きな人は歩きながらでも花を見付けるのが上手い。 ピンクの花はタニウツギでこれくらいなら私でも知ってると言いたいが花の名前が毎年リセットされてなかなか出てこない。



途中で若いグループを追い抜き、急なロープ場を登って見晴台に到着、「ここから入るな」という無慈悲な注意書きを無視して先に進む。 すると錆びた標識の所で登山路が二手に分かれていた?明瞭な道が真っ直ぐ延びているがどうせすぐ行き止まりだろう。 矢印に従って山頂岩塔の基部を巻くとスミレ、シラネアオイ、ウコンウツギが楽しませてくれた。 そして下って来た男性は5本指の変わったシューズを履いていた。 グリップが効いて歩き易いとのこと「あなたのも良さそうですね」と地下足袋に興味がありそうだった。 「ところで山頂にはロープとか標識があると聞いて来たのですが・・・」と妙なことを言う。 「では確かめにもう一度登りませんか」ということでご一緒することになった。



この方は東区環状通りで「富士の湯」という銭湯を経営するご主人で何でも水が自慢らしくペットボトルで持ち帰るお客さんもいるとのこと、 話好きで多趣味な方だった。 今にも岩が崩れてきそうな岩塔には所々にウメバチソウの群落が見られ、足元にはヤマガラシやオダマキが咲いて退屈することなくルンゼの登りになる。



ルンゼを登る途中、イワウメとイワヒゲが満開でここに花が咲くことなど全く知らず得した気分である。 そしてテラスから山頂へはもうひと登りだがいつも垂れ下がってるロープが撤去されていた。 ご主人はここで帰ったので山頂に辿り着けなかった訳である。 今までの取り付きは完全に崩壊し、ロープが垂れていた場所も岩が動いてちょっと厭らしかった。



山頂に到着するとすぐ後から元気な女の人が登ってきて、話をするとロンリーザックさんと言う花の詳しい方だった。 漁岳から雲が取れて束の間の景色を堪能、支笏湖は半分雲が掛かったままなので下山とする。 岩塔を巻く途中に踏み跡の様な分岐があって、彼女の後をくっついて行くと展望の良い花畑があった。 サンカヨウとシラネアオイの群落から岩場の尾根に出るとウメバチソウが咲き、眼下には爆裂火口の眺めが良い。 彼女のお気に入りの場所らしい。



爆裂火口の中にはまだ入ったことは無いが下から登れば上は花畑でちょっと面白いルートになるかも知れない。 踏み跡にはロープが垂れてどんどん下ると見覚えのある錆びた標識に合流、登った時の分岐だったと納得する。 今朝、思い付きで出掛けた恵庭岳だが花が一杯でまた同行者の出現に退屈せず楽しい一時を過ごすことができた。

<2012年2月 恵庭岳北東尾根と来馬岳 はこちら>

<2010年3月 恵庭岳北東尾根 はこちら> 

<2008年10月 恵庭岳西沢 はこちら> 

<2008年10月 恵庭岳滝沢 はこちら> 









inserted by FC2 system