滝沢〜恵庭岳 (エニワダケ) 1319.7m (道央) ■Home
2008年10月上旬 晴れ メンバー7名
7:45林道→8:05F1→13:05F9→引き返し→16:30林道

恵庭岳のバリエーションである滝沢を登ってきました。 山頂から丸駒温泉に刻まれた深い沢筋が滝沢でアルパインクライミングの練習場として親しまれてます。 岩場の規模は赤岩の足元にも及びませんがワイルドさでは負けておらず寂寥な渓谷から垣間見える支笏湖がなかなかでした。 それにしても誰がこんなルートを開拓したのでしょうか?つくづく感心させられます。

大きな涸れ滝F1・25m W+滝沢の中で一番でかい    あれっ!気の利いた手掛かり足掛かりが無いぞ    登りながら思わず声が出る気持ち良く分かります
丸駒温泉の手前にある林道を少し行くと滝沢の入口で登山ポストが置かれていた。 看板に書かれた注意書き以外は普通の登山口と変わらぬ風景で何だかアンバランスな感じがする。 薄暗い沢沿いの路を15分も歩くと何やら大きな岩場に行き当たった。

F1・25m 明るい岸壁と言う感じで滝のイメージには程遠く足元に崩壊した岩が積み重なっている。 足前はスパイク地下足袋が有効かと思ったがクライミングシューズを持ってきて正解だった。 目を凝らせば薄っすら苔生した岩にピンやボルトがあちこちに打たれている。 何でもありなら登れそうに思え、最初にリードさせて貰うと出だしからしょっぱく登る程に苦しくなる。 下で見るのと大違いだと思いながらついルートを外して十数m右上の終了点でギブアップする。 右の頭上にはサルだって太刀打ちできそうもない垂壁にボルトが打たれ驚いてしまった。 一旦降りてビレーに廻りトップの動きを目で追うと初見の緊張がこちらにも伝わってくる。 終盤で落下したので一瞬ドキッとしたが幸い怪我もなく最後まで登り切って安堵する。 今度はセカンドで登ると途中に半身大の動く岩があって気味悪く、抜けが立って一番の踏ん張り処だった。 そんなこんなでF1に2時間も掛かってしまい今日は精々あと3つも登れば恩の字かも知れない。 左岸に高巻き用のロープが残置されていた。

F2・10m 滝沢の中で唯一濡れた滝である        F5・8m CSが印象的、残置ロープがなければ厳しい    F6・12m 見た目よりは少しだけ心地よく登れる
F2・10m 水の流れこそないが滝沢の中で唯一濡れた滝である。 いつもの沢登りで現れたとしたら高さがあり直登を嫌って高巻いていただろう。 意気の揚がったメンバーにトップを委ねホールドと残置されたボルト・ハーケンを頼りに登る。

F3〜F5 何れも小振で苔が良く滑るがフリーで問題ない。

F6・12m 下部は見るからにホールドが豊富だが残置シュリンゲから上が判然としない。 トップが探りを入れると案ずるより生むが易しピンが要所にあった。

F7・12m 右岸のクラック沿いに並ぶように打たれたピンをA0で登り上はアブミを使った。

F8・10m 苔の付いた滑状に倒木が掛かり大きな岩が載っている。左岸を巻いた。

F9・20m 右岸の崩落が酷く今にも岩が落ちてきそうで長居したくない場所だった。 取り付いてすぐ外傾した岩が厭らしいが欲しい場所にちゃんとピンが打たれていた。 中盤と抜けが難しかったが岩トレを積んでいるトップは流石である。

F7・12m 出だし左のクラックまでが遠い、A0で登る      F9・20m 最後の関門?ルート取りが難しい        漸くほっと一息付ける風景に出会えた
F1とF9が抜きん出て難しく思えた。 岩のベテランに言わせると「F1は上の岩が落ちて前より難しくなったがF9なんて何処が難しいの?」らしいが私には過分なレベルだった。 F9からは支笏湖と風不死岳の眺めが良く山頂がぐっと近づいて見える。 次はピークまで抜けてみたいがその前にもっと登攀力を付けねばならないと感じた。


2008年 恵庭岳(西沢)はこちら





inserted by FC2 system