昨日からの強風が収まらず地吹雪が舞い真冬に戻ったような寒さである。
できれば晴天下の山頂から支笏湖ブルーを拝みたいが今一つ気合が入らぬまま出発する。
ゲートからオコタンペ湖方面に少し歩いて北東尾根に取り付いた。
堅い雪の上に一晩で40cm近くの新雪が吹き溜りスノーシューでは勿体無いくらい雪が軽い。
この尾根は中腹まで沢とポコが入り組んで少々ややこしい地形になっている。
スキーで登ったことがあるがアップダウンが多く木が混んで滑りは楽しめなかった。
よって最初からスノーシューの方が手っ取り早い。
標高を稼ぐとラッセルが浅くなって歩き易く、風の唸りも止んで晴れ間が見えてきた。
序盤の遅れを挽回すべく952ポコから少しペースを上げ雪煙の舞う急な尾根を登り切った。
上はクラストした緩斜面となり徐々に頂上岩塔と手前の岩峰が特異な姿で迫ってくる。
いよいよ尾根が細くなった処で岩峰を右から廻り岩塔基部をトラバースしてルンゼに達する。
ちなみにUさんは岩峰を左から廻り夏道ルート沿いに出たことがあるらしい。
雪の状態に因るかも知れないが今回の方がすんなりだと言う。
ルンゼの中は雪が飛んで凍てついた岩にアイゼンが効いて登り易かった。
上部の残置ロープを雪から穿り出し山頂に登ると支笏湖が見えたりガスったりと忙しい。
春の陽気ならのんびりもしたいが風と寒さに耐えられず直さまルンゼを下降し往路を辿る。
振り返ると岩塔群が青空に映えちょっとしたアルペンチックな景観が楽しめた。
取り付きルートから離れオコタンペ分岐へダイレクトに急斜面を下って車に戻った。
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