ニセイカウシュッペ山 1878m 厳冬期 清川ルート 山スキー(上川町) ■Home
  2011年2月中旬 曇り時々雪 メンバー6名
  2/11 6:35林道→(10:05-10:30)c1061C1→13:00・1650m引返し→14:15・C1
  2/12 7:00・C1→11:50・c1750m引返し→(13:30-14:05)C1→15:45林道

厳冬期のニセイカウシュッペ山を清川ルートから計画しました。 このルート、距離は長いが厭らしいのは視界不良時に大槍をトラバースするくらいとのことだ? 初めてこの山に登った時に見た大槍と小槍の迫力ある景観は冬どうなってるのか想像するだけでゾクゾクする。 願わくば青空の下を淡々と登って山頂から真っ白な大雪山と北大雪の山々を眺めてみたいものである。 

 2/10日夜 20時札幌を出発し既に上機嫌の2名と層雲峡で合流する。 気掛かりな天気は12日から荒れ凡そ登頂を望めぬ予報である。 安着祝いしながら作戦を練るがさてどうしたものか?

こんなに雪が少ないとは、初日は徒渉が大変だった   テンバより陵線を目指す、パウダーで帰りが楽しみ   陵線に出ると右は崖、左は無木立の急な斜面である
 2/11日(晴/曇) 登頂のチャンスは今日しかなさそうだ、予定のテン場を下げ一気に山頂を目指そうと早立ちする。 双雲別川沿いの林道にはモービルの跡があり思わず頬が緩んだ! ずっと続いてほしかったが1kmほどで終わり後は6人でラッセルを交代する。 雪は軽く苦にならないが問題は沢の徒渉だった。 小雪のせいか心細いブリッジばかりで2人が危うく落っこちそうになりお助けロープを出す。 そんなこんなで漸く緩やかな樹林を登って1061mコルに到着した。 木に囲まれた感じの良いテン場である。 テントは後回しにして身を軽くし時間を惜しむように山頂アタックを開始する。 青空の下、カンバの疎林を登って陵線に出ると目指すピークが霞んで見えた。まだ遠いな〜と言うのが実感だ。 狭まる陵線のアップダウンを繰り返しトレースを延ばしたが遂に1650mで時間が切れる。 雲で見えぬ山頂まで夏なら急いで30-40分の距離だろうか。 明朝の天気は全く期待できないが万一晴れたら再挑戦しようと半ば諦めムードで引返した。 陵線からテン場まで標高差400mの大スロープを滑り、軽くクリーミーな北大雪の新雪を堪能する。 今回不思議だったのはテントの中で不調者が続出した事である。 くしゃみ、鼻水、涙目、喉が変、めまい、食欲不振、下痢など症状は様々だ。 水作りの際に滴り落ちる水滴の度に赤い炎が舞い上がって、どうやらガソリンストーブの不完全燃焼が原因と思われた。 いつものMSRでなくピーク1にしたのが失敗だったか、 とにかく気分がすぐれず19時早々と寝袋に入った。

 翌朝、奇跡的な青空が広がる、黒岳が神々しい   健闘するも大槍でストップ、天気に恵まれなかった    再び気持ちの悪いトラバースを経てテンバに戻った
 2/12日(曇/雪) 食欲が戻り昨日のカレーライスを温めて食べてると、 外から「オーイ晴れてるぞ、行くべや」の声だ、中から「晴れてるのか、しょうがねえな」の反応だ。 確かに昨夜の雪は止み嘘のような青空が広がっていた。 まだすっきりしない一名がテントキーパーで残り、もう一名は陵線で写真を撮ってテントに戻ると言う。 結局再アタックは4人になった。 気温は-15度、悴む手を我慢しつつ昨日のトレースを登ると朝日に輝く黒岳が雲の上に望まれた。 おー何と神々しい景色ではないか! 次は陵線から見えるニセカウの山頂が待ち遠しいがそんな思いも届かず瞬く間に雲に覆われてしまった。 稜線は顔をそむける強風で雪煙が舞い地吹雪模様である。 昨日の引き返し点まで順調だったがそこから先は岩峰帯となり急斜面をスキーでトラバースする。 新雪20cmの下が弱層で時々亀裂が走って表層がずり落ちあまり良い気持ちがしない。 なにせ足下には無木立の大斜面が広がっていた。 騙し騙し大槍直下に達するとやれやれまた地吹雪だ、雪面が固くアイゼンに替える処で時間切れの合図が入る。 山頂を目前に口惜しい撤退だった。 再び大スロープを滑るとテントで待ってる筈の2名のシュプールがあって安心する。 また宿題が増えてしまったが厳冬期のニセカウは再挑戦したくなる山だった。
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