ニセイノシキオマップ川〜ニセイカウシュッペ山(天国の階段)再び 
2008年8月上旬 霧雨 メンバー9名
林道端6:40→c1070二股8:05→F1・9:10→F3・10:15→陵線11:30→ニセイカウシュッペ山頂(11:55-12:00)→
c1560夏道下降12:55→c1190本流出合13:35→林道端15:20

F1・夏本番なのになぜか寒くて震えてしまった     ガスってる方が「天国の階段」らしいかも      夏道コルから下降開始、早くて楽だった
夜中の2時に層雲峡へ到着し貪るように仮眠をとって4朝に目を覚ました。 起き掛けに川の音かと思ったら何と結構な雨が降っており身支度しながら暫し待機する。 1時間ほどで雨は止み林道より出発するが時々小雨がぱらついて気分が乗らない。 下降沢との出合を過ぎガレになったc1310で顕著な二股となりさて前回はどちらへ行ったか思い出せない。 地図を見るがはっきりせず上で合流するだろうと二手に分かれたが結局左の沢で正解だった。 程なくF1となりKさんが先に左岸から取り付いたが上で苦労している。 濡れるのを覚悟で水中を登ると上は手掛かり薄く前回と違って確保の無い身では流石に緊張の度合いが違った。 上がると既にKさんがいてぼろい残置ハーケンを騙しながら登ったと言う。 真夏とは言え気温が20℃を切る気温に濡れた体は震えが止まらなかった。 すぐに始まる天国の階段は雨に濡れガスって景色が見えないのが残念である。 水流の中で手が悴み必要以上に岩が滑って一箇所厭らしかった。 下を見ればこれだけ高度感のある滝もちょっと珍しく初見のメンバーの真剣な様子が伝わってくる。 張り切って登るOさんはまだまだ「天国の階段」が続くと思ってたのかやや拍子抜けしたようだ。 F3を巻くときに登り過ぎ後で沢へ戻るのに少し苦労する。 最後の草付きの這い登りは浮石に神経を使い陵線に上がって漸く一息付いた。 下りは下降沢ではなく夏道の1600mあたりから本流へ降りた方が早いらしい。 雨に濡れて滑る登山道を下ると漸く天気の機嫌が良くなって大槍・小槍が見え出した。 c1560のコルから急な笹薮を尻餅つきながら下ると小潅木に続いて岩が出始めた。 下降自体はさほど難しくないが落石に注意がいる。 水が出ると岩はよく滑り数mの滝を2-3箇所を巻くと程なく本流との出合で下降沢より1時間以上短縮できたと思う。 再び長く単調な沢に癖々したが予定よりかなり早くに下山でき熱い風呂へと直行した。 <2011厳冬期・清川ルートはこちら><2012厳冬期・清川ルートはこちら>
ニセイノシキオマップ川〜ニセイカウシュッペ山 1878.9m(北大雪)  ■Home
2006年9月上旬 晴れ/曇り  総時間10:10(休憩含) 標高差1270m
林道端5:25→c1070二股7:10→c1249二股7:42→F18:05→F2天国の階段→F39:05→稜線10:20→山頂(10:40-11:10)→
大槍分岐11:25→小槍コル12:11→c1069二股13:40→林道端15:35

ニセイノシキオマップ川の遡行ルートを見ると標高1400mから大槍までほとんど崖とルンゼの記号で詰まっている。 そのルンゼを攀じる滝の一部を誰が付けたか「天国の階段」と言うがこれほど魅惑的な名前があるだろうか?  一度は登ってみたいと思いつつ今回グループでようやく思いを遂げることが出来た。 詰めるとニセイカウシュッペ山と言うのも良いし国道から入渓点が近いのもまた嬉しい。

ガレ沢に水が復活しだす、奥にF1           F1・6+2b、シャワークライム          遂に来た!F2天国の始まりだ
前夜、林道口より数キロ手前の空地でテン泊する。 翌朝、ニセイノシキオマップ川沿いの林道を進むと程なく草で覆われた悪路となりc610で車をデポ。 歩くと更にタイヤ跡があったがすぐ終端となり水の少ない沢を渡渉する。 右岸沿いに草で覆われた作業道が延びどうやら砂防ダム建設時のものらしいが数えると24基もダムがあったのには驚いた。 しかもダムの間隔がやたら短く人目に付かぬ山中で税金を食い物にしたと思うと腹立たしい。 デポ地から40分程歩き最終堰堤から入渓すると薮と倒木に覆われたブタ沢がc1069二股まで続いた。 更に上のc1250二股まで沢登りとして全くいい所が無く閉口する。 途中c1350から水が涸れF1手前c1490で復活する。 正面には霞の大槍とルンゼの中に天国の階段らしき滝筋が光り?振り返ると愛別岳が赤富士の如く朝日に照らされていた。 いよいよ来たな〜! 涸れたガレ沢を登るとF1・6+2bで右から登れそうだが上は逆層らしく水飛沫の上る真ん中を登ることにした。 まずTOPが登って残置支点よりザイルをもらいメンバー全員ずぶ濡れになって登る。 北面の谷間は日が当たらず濡れた体でじっとしてると寒くて堪らない。 F1から見上げるとルンゼ状の「天国の階段」が100m以上続いている。 順層でフリクションを効かせグングン登れるが何せ脆い岩質に神経を遣う。 後続がいるので落石は厳禁だ、たまに上から「らーく!」のお叫びに反射的に体を反応さる。 どこが天国?なんだか良く分からぬが高度感と緊張感は一級品だ!落ち着いて休む場も無く登り切るしかない。 次のF3・10bは逆層でまともに直登できそうにない。 左壁の残置ピンを使って側壁を登れそうだが左岸から高巻くことにした。 斜面がズルズル崩落するが高巻き自体はそう難しくない。 空が開け大槍基部のろうそく岩が近くに見えると最後に急な草付きのザレが待っていた。 足場が悪いうえに今にも落ちそうな石だらけでかなり悪い。騙し騙し大槍の右稜線に出てホットする。 日が当たって暖かく濡れた服はいつの間にか乾いていた。 夏道登山者に混じり色づき始めた穏やかな風景の中を山頂まで往復する。

稜線に出るまでもう少し辛抱が続く        小槍のコルへ明瞭な踏み跡を下る           下降沢、出合まで4度懸垂  

帰りは小槍のコルから下降沢を降った。 稜線上にしっかりした踏み跡がコルまで続きアンギラスと平山の眺望を楽しんだ。 左正面は荒井川の源頭と沢筋が見え下流はまだ行ってない「電気の沢」である。 コルにはテープが結ばれ一休みしてc1069二股まで一気に降った。 途中に4箇所、10b弱の滝があるが捨縄やハーケンが残置されている。 ザイルを三本用意したので順繰りセットし手早く下降できた。 山頂まで足を延ばし10時間そこそこで帰ってこれたのは上出来だったと思う。 人に言わせりゃ「天国の階段」ならぬ「地獄の三丁目」か?・・名前を鵜呑みにしてはいけない。 <電気の沢はこちら>


茅刈別第四支川1の沢〜ニセイカウシュッペ山 1878.9m(北大雪)  ■Home
2005年7月下旬 曇り 総時間9:15(休憩含) 標高差1070m
入渓4:35→第四支1の沢6:40→山頂(11:10-12:10)→登山口13:50

茅刈別川、水量少なく良く滑る           第四支川の5b滝、右岸直登する           第四支川1の沢の8b滝、右岸高巻き
事前に森林管理署で入山許可書とカギNOを受取り林道の下見に入る。 (目的が沢では許可が下りず苦心した)  林道は入り組んで行ったり来たりしながら地図に記載のない終端c810付近に行き着き今日の任務終了。 夏道登山口でメンバーと合流しテントを設営して宴会モードに突入する。 翌朝3時半起床、茅刈別林道第三林道でゲートを開けすんなり終端から入渓する。 川底や岩のコケがヌルヌル滑り意外に時間を食う。 虫も多いが小魚が結構いる。 入渓から1の沢出会まで「山谷」では1hと書かれているが2hかかった。 1の沢出会過ぎの中盤までに8m以下の滝が5コ現れるが何れも容易に高巻きか水際を直登できた。 1300mから厚い雪渓になって高度を稼ぐが1400m滝口の雪渓処理に難儀する。 その後雪渓は1500mまで続き傍らの蕗の薹が遅い春を感じさせた。 次は両岸が10m以上ある狭い廊下状の滑で一直線に200mも突き上げスリルと楽しさが混在する。 水が涸れる頃にナキウササギの声がし初夏の花々が咲くふかふかの高山植物帯が山頂まで続く。 藪漕ぎ無しで賑わう山頂へ上った。 ガス中から忽然とメットで現れた我々の姿に夏道登山者がビックリしていた。

分厚い雪渓が200m以上続いた           斜度のある狭い滑滝が続く           ガス中で何も見えなかった


ニセイカウシュッペ山 1878.9m(北大雪)  地図はこちら(約140kb)  ■Home
2004年8月中旬 曇り  総時間405(休憩含) 標高差760m 片道5.3km
登山口635→ニセイカウシュッペ山855-910→登山口1055

ニセイカウシュッペ山頂                       手前にある大槍、基部を巻いて山頂へ        .
上川町から白滝村方面へ10km程走り中越パーキング手前を右折して茅刈別林道に入る。 この日は二箇所とも開放されていたが途中ゲートがあるので上川中部森林管理署上川事務所01658-2-1162に鍵Noの確認がいる。 (2年前のNoと異なっていたが林道は格段に良くなっていた)  途中の標識を見落とさずに約13km走ると広い登山口に着く。 記帳を見ると昨日は平日にも拘らず7組も入っていたが今日は午後から雨の予報が嫌われたようで終日貸切だった。 登山道は緩やかで1年ぶりに山歩きする家内も楽そう、 注意すべきは大槍手前の岩場 と廃道となった層雲峡コースが合流しているくらいか?  序盤は樹林帯なので展望が無く退屈だったが1時間ほどで尾根に出ると鋭い大槍や半円を描く先におおらかな山頂が見えてくる。 心配だった天気も雲の上に出ると視界も良くなり何だか得した気分だ、 そして標高1600mを過ぎると大雪や東大雪の展望が一気に開け歓声が上がった。 立ちはだかる大槍を前に崖登りでもするのかと心配していた子供らは基部を通るだけと分かり一安心する。 綿毛を付けたチングルマと飛び交うトンボが静かに夏の終わりを告げ少し寂しい感じもするが、 平山への従走路を眼下に何とも幸せな心地である。 最後にハイマツを分け山頂へ至ったが雲行きが怪しく寒いのですぐ下山した。 手軽に登れ高山植物と展望が楽しめるとあって人気があるのも納得がいく。
   
大槍をバックにズッコケル優子さん               平山方面への縦走路                     .


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