ユーフレ川支流 熊の沼沢 遡行(芦別岳)  ■Home  芦別岳のページへ
2008年8月下旬 登り4:20 下り1:40 メンバー3名
16日 旧道登山口12:15→ユーフレ小屋14:15
17日 ユーフレ小屋5:30→新道(9:50-10:10)→ユーフレ小屋(11:50-12:20)→旧道登山口14:00 (休憩含)

南日高を予定してたお盆山行が雨で流れ代替として熊の沼沢を遡行する計画が上がった。 熊の沼沢は覚太郎コースと芦別岳第5陵との間を流れる沢で反面山のコルにある湿地帯「熊の沼」を水源としている。 「山と谷」ではバラエティーに富んだ滝と終盤にある50mの滝が核心でもっと登られていい沢と書かれている。 遡行者が少ないのは山頂へ直登できる沢でないからか又はアプローチに時間が掛かるからだと思うが急な地形で興味の湧く沢である。 車2台で札幌を発ち旧道登山口から2時間ほどで赤い屋根が可愛いユーフレ小屋に到着した。 石室は窓が小さく相変わらず中は暗く湿っぽい感じで何処に出掛けたかザックが2つデポされていた。 手持ち無沙汰なので焚き木を集め早々とビールを開け夕食の準備に取り掛かる。 S庭さんが手際よく野菜を刻みビリー缶でシチューを煮込む間に早くも数本の空缶が並んだ。 薄暗くなって焚き火しながらよもやま話に華を咲かせてると先客者が夫婦岩から戻ってきた。 女性2人と若い男のガイドで一緒に焚き火に当たりながら食事をとった。 お盆過ぎればもう秋とはよく言ったもので火でも無ければ寒くていられない。 焚き木に当たりながらまったりした贅沢な夜を過ごした。

沢に泊まったら何はともあれ焚き火でかんぱ〜い    c900・10mの滝、一部チムニー状で難なく登れる    次から次に登れる滝が現れ高度を稼いでいく 

翌朝の天気は晴れ、5時にガイド組が再び夫婦岩へと出発して行った。 予報通りに天気は回復したがT田さんが不調だというのでS庭さんと二人で出発する。 小屋の真向かいから入るしょぼい流れが熊の沼沢で右に第5陵の岩峰が朝日を浴びていた。 夏道を少し登ってから入渓かと思ったが肝心の覚太郎コースの入口が分からず沢型をそのまま登って行った。 少し行くと左に赤テープが垂れそこが登山道かは判然としないまま通り過ぎた。 両岸高くV字の谷に入ってガレ岩を詰めるとほどなく小滝が出始める。 のっぺりした滝やチムニー状の滝など直登可能な滝が次々と現れ快調に高度を上げていく。 c900過ぎでやや高さのある滝が現れた。 10m程の高さから細い水が垂れ一部チムニー状で上部は緩い樋状になっていた。 c1060で2段30mの大滝となり1段目のクラックがやや外傾して取り付き不可と判断し左岸の小ルンゼから高巻いた。 落ち口を覗きに行った相方の話では高さはゆうに30mあり直登不能とのことだった。 青空が望まれまだ夏の筈だが秋の清々しい空気が感じられる。
やがてc1170二股を右に入るとc1240で明るく大きな滑滝が待ち構えていた。 水量の割りに岩は濡れており滝下に近づくと25m、15m、10mの三段で一番下は問題なく登れそうである。 まずはフリーで一段目に取り付くと左岸の水流を15m程登った辺りからホールド・スタンスが小さく難しくなった。 脆い岩に手こずりながらテラスまで登ってS庭さんを待ち次ぎは二段目だがいきなりホールドが遠くて小さい。 まずは足元に支点をつくりザイルを出してS庭さんがリードする。 出だしから滑りそうで厭らしく途中でもう一箇所支点を作って上のテラスへ達した。 三段目は一見どおってことなさそうに見えたが濡れた部分の直上は難しい。 残置支点があり乾いた右岸の岩場をS庭さんがリードしたがここも見た目以上にしっかり岩登りさせられる。 滝上で高度計を見るとピッタンコ50mあり谷間の向こうに十勝連峰が望まれた。
     
c1240・50mの大滝、この沢一番の核心を登る     1段目を攀じれば既に足元は凄い高度感だ!      三段目は一見問題なく登れそうだったが・・

この後も滝はまだ続き2段8mの他に幾つか小滝を登ればいよいよ水が切れ再びゴロ岩となる。 笹薮に覆われた沢型を辿ると夏道にポンと飛び出し一本入れる。 此処で芦別岳山頂を踏んでくると言うS庭さんと別れ先に小屋に戻ることにした。 初めて下る覚太郎コースだが鶯谷からの分岐に変な踏み跡がついて少し分かり難い。 それにしても急な下りで度々倒木が道を塞ぎ下部は草を分けての道である。 小屋にデポした物をパッキングし旧道をちんたら下って車に着くと程なくS庭さんが到着しあまりのタフさに呆気に取られた。 急峻な沢ゆえしっとりした渓相や美しい滝とは無縁だが酷い悪場もなく小滝が多くて飽きることのない沢である。 水量の少ない急な涸れ沢を攀じったという印象が残り50mの大滝は圧巻で予想以上に厳しかった。 <新道・旧道・冬期・本谷・一陵 〜芦別岳はこちら> <本谷遡行〜芦別岳はこちら>








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