伊由谷岳〜イユダニヌプリ イユダニダケ 898m〜902m (足寄町・津別町・釧路市) ■Home |
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釧北峠594mから国境稜線を7kmほど辿った陸別町・足寄町・津別町の境界に目指す山がある。
イユダニヌプリとはアイヌ語で(杵・山)の意味、「杵の如き山」「杵を作る木のある山」の二説がありどんな山か楽しみ、
また手前の伊由谷岳には反射板があって展望が期待される。
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前日、下然別山の他にカムイロキ山を欲張ったせいか疲れが残っていたが何とか日の出前に早出する。
バリバリにしばれてワカンにしたがそれなりに踏み抜き、
やはり途中までスキーにすれば良かったと後悔する。
ぽっかり開いた送電線の空が爽やかに思えるほど迷路の様な樹林帯に辟易し、
ここは物好きしか来ないなと悪たれ口の一つも出てくる。
そして650mで幼木の尾根を登ってゆくと後ろに広がる風景に目を見張った。
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729手前のコルは遮る物が無く、普段あまり見ることが出来ない方向からの雌阿寒岳が素晴らしい。 本峰の裏に隠れた阿寒富士が徐々に姿を現し、先程とは打って変わってウキウキする歩みとなる。 そして南東には白糠丘陵と呼ばれるポコポコした山並みが広がり、その中に最高峰のウコタキヌプリらしき小さな尖がりが目に留まる。 |
幾つかアップダウンを経て最後の760mポコからは木の立ち枯れた風景の中に目指す二つの山が並んでいた。 ここから伊由谷岳の山頂はもう目と鼻の先で緩やかなカンバの疎林を抜け反射板が立つピークを踏んだ。 よくある三角点と書かれた黄色いプレートの高さから積雪は1m位だろうか、 眼前には雄阿寒岳〜フップシ岳〜雌阿寒岳の大パノラマが広がっていた。 |
さて次にイユダニヌプリに向かって小さな雪庇の吊尾根を辿る。 振り返ると伊由谷岳の北側が断崖になっているのが見え、アイヌ語(杵・山)の意味はどちらかと言えば「杵の如き山」ではないかと思われた。 そして見渡す限りなだらかな山々に囲まれた広い道東を実感しながらイユダニヌプリ山頂に到着した。 |
ピークは最高点より少し奥にあって出発からちょうど4時間だった。 展望は先程の伊由谷岳の方が良く、腹ごしらえしながら暫し休憩する。 さて同じルートは戻りたくないので地図を眺めるが、残念ながら往路が最短のようだ。 明るくクッキリした雄阿寒岳に見送られ山頂をあとにする。 連続するポコの登り返しに思わず口から出た「この山もうイイダニ」の方が山名の由来に合ってそうだ。 ともあれ好天の下に気になっていた山を終え満足しながら帰途に着く。 |