雄冬山と浜益御殿を源頭に持つ千代志別川は山谷にも載って気になっていたが時間が掛かるのと詰めがネマガリでなかなか足の向かない沢だった。
今年6月に復元して間もない増毛山道を歩いた時に、これは日帰りできると思い車2台で出かけることにした。
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数軒の民家が点在する集落の奥から林道を進むと程なくゲートだった。
少し戻った広場にテントを張り、バーベキューして健康的に早寝する。
翌朝、明るくなるのを待って出発、草の被る道を進んで幾つか砂防をやり過ごし終端195mから入渓した。
殆ど人の入らぬ沢だけあって苔が綺麗だ、ただ石が滑って気が抜けず更に巨石でペースが落ちる。
入渓して1時間ほど何も無かったがC370二俣の手前で5mF1(写真左3)が出てくる。
何てことなく左岸から登ると直後に釜を持った二段12mF2(写真右)が構えていた。
右岸の木を伝って巻きにかかると上に古い作業道が延びていた。
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右俣に入ってすぐ8mF3(写真左1)と5mF4は左岸を登る。
C400の10mF5(写真左2)は左岸壁の凹凸を拾って滝上へ、不安な面持ちのkaさんもお助けを出すと楽しそうに登ってくる。
おぼろげな小滝はFから除外、滝の少ない沢かと思ったが程よい間隔でなかなか楽しい。
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沢床に光りが届くと岩肌を縫う水の流れが美しく、木々の葉、苔の鮮やかさが増して綺麗である。
標高点489の小沼が気になるが時間の関係で割愛し、その後は暫くだれるが600mから再び滝が出始める。
5mF7(写真左2)は右岸、F8(写真左3)とF9は共に6mのスラブで左岸から登る。
650m付近はゴルジュぽっく、7mF10(写真右)を低く登って流心に抜けると再び空が広がった。
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何やら660m三俣にすだれの滝が見え、すぐ奥に一回り大きいF11が15mの高さから水を垂らしていた。
思わず「ほーツ」と見上げる空間はマイナスイオンたっぷりで元気を貰う。
ここは勿論登れず左俣に合流するスラブ滝8mを登って巻くが、途中から眺める本流と右俣の滝が実に良い景観だ。
乗越す中尾根からは更にデカイ滝が見え、折角なので滝下に下りてみる。
貫禄ある15mF12の大滝に圧倒されながら右岸を巻き、ザイルで沢身に戻った。
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ゆるやかな沢筋にもう滝はなさそう、直接ピークを目指さず山道に一番近い小沢を辿る。
水が最後まで途切れず沢形の途中880mからすぐ横に道があることを信じて背丈を超えるネマガリに突入する。
密だが数分で抜けると笹が綺麗に刈り込まれ以前より歩き易くなっていた。
青空の消えた浜益御殿にはトンボが飛び交い、下りは1時間でデポした車に帰着する。
千代志別川の滝は高巻きが3ケ所のみ、他は割と快適に登れる滝が多かった。
何よりまともな藪漕ぎがなく通常一泊行の沢を日帰りできたのは山道が出来たお陰である。
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<2018年の 留知暑寒沢川〜雄冬山〜増毛山道 はこちら>
<2017年の 増毛山道(幌〜浜益御殿〜雄冬山〜岩尾) はこちら>