暑寒別川の支流、留知暑寒沢川から一泊で雄冬山を予定した。
ルチショカンとはアイヌ語で「滝の上にある道・峠」を意味し、これと関係はなさそうだが上に増毛山道が延びている。
去年たまたま同行の不調で撤退しており、そのリベンジとする。
|
林道は225分岐の手前でストップ、鎖場から小一時間ほどのヘアピンから入渓した。
前回も増水していたが雨続きで今回の方が上回っている。
だが濁りはなく暑寒別川に似た明るい渓相を徒渉とヘツリに苦戦しながら進んでゆく。
3時間もすると目に見えて減水してきたが魚は岩陰に隠れたままだった。
適当な寝処が見当たらずやがて函を超えc630で大きな魚止めの滝となる。
少し進むとc643の出合いに見過ごしそうな直登沢が流れ、小さな平坦地にザックを下した。
かなり手狭だが焚火してごろ寝するには十分、タープを持参したが張れる場所ではなかった。
|
夜中は時々額に雨を感じ、4時に起きると霧雨が降っていた。
沢泊まりが初めてのK君は夏シェラフのみので寒かったようだ。
それにしてもお盆を過ぎたばかりなのに最高気温20度ってどういうこと?温かいラーメンを食し本命の雄冬山東面直登沢に入る。
すぐさま狭い沢筋に水路や釜、滝が出てゾクゾクしながら進んでゆくとV字の奥に直登できない滝が現れる。
右岸のルンゼから高く巻くがズルズル滑り落ちそうな泥壁と岩稜のミックスで厭らしい。
その後も水路の奥に小滝、釜滝が出て突っ張っりなどで超えるがシャワーは必須である。
人が殆ど入ってない沢なので苔や釜の美しさに度々歩みが止まるが水に浸かるとピンボケになるカメラが恨めしい。
|
c750ですだれ状十数mの大滝が目に入ったが支流に掛かる滝でほっとする。
沢の前半でもうご馳走様って感じだ。
後半に悪場は出てこないが微妙なヘツリや滝があり、更に滝々を小気味良く登って最終二俣を左に入ると山道が横切っていた。
それにしても滝場が詰まってよくこんな地形が出来たもの・・
結構タフだがアトラクションが多く増毛暑寒エリアで一番面白い沢だと思う。
山道の途中から刈り分けを辿って山頂へ、ヘリで吊り上げられた真新しい山頂ポールが横たわっていた。
去年あれほど探して見つからなかった三角点も掘り出されて感謝、風で濡れた体が寒くそそくさと下山する。
増毛山道の復元で藪漕ぎからの解放と下山路が確保され、今後この沢のみならず千代志別川など遡行者が増えることと思われる。
|
<2017年の 千代志別川〜浜益御殿〜増毛山道/沢登り はこちら>
<2015年の ケマフレルート〜雄冬山/山スキー はこちら>