トムラウシ山 (冬季・山スキー)  2141.0m  ■Home
2009年3月中旬 曇り/雪 メンバー4名
10:00東大雪温泉→13:10・1270mC1
6:00・C1→7:55・1670m引き返し→(9:00-9:55)・C1→11:55東大雪荘 (休憩含)

天気は早々に回復しまずは順調な出だしである    緩やかな尾根が延々と続く、ラッセルもなく幸せ     翌日、まあこんな天気だがテン場を出発する

お彼岸の3連休あれこれ山を迷った末にやっぱりトムラウシの冬景色を見に行こうと話が決まった。 凍てつく寒さも和らぐ今の時期なら1泊で戻れるのではないかと踏んでるが一応計画通り2泊分の食料とお酒を詰め込んだ。 北広島を朝の6時に出発すると3時間そこそこで曙橋を過ぎ順調に東大雪温泉へ向う。 車中で暖冬小雪を嘆いてたメンバーも温泉が近づくとさすがに雪が豊富で一安心の様子だ。 しかも空は次第に青みを増し「明日はピーカンの山頂かなー」否応なく気持ちが浮き立ってくる。 駐車場に着くと重そうなザックを背負った数名が出発するところで聞けば予定が全て一緒だった。 我方も30分遅れで緑雲橋を渡り林道に入るとすぐに急な尾根に向ってトレースが分かれていた。 他にもまだパーティーがいるのかな?取り敢えず沢の奥に向うトレースに従った。 雪解けが進んだユウトムラウシ二ノ沢のブリッジを渡るとすぐに急な尾根の取り付きとなる。 浅く沈む雪だがじわじわ足に堪える重さで先行者に感謝である。 200m程登って緩やかな尾根上に出ると気持ちの良い樹林帯となり程なく先行パーティーに追い付いた。 お礼を述べ先頭を交代するとまだ先にトレースが続いており「誰か先に行ってるよ」とのことである。  ・・と言う訳で初日はさしたる苦労もせず早々と1300mのテン場予定地に着いてしまった。 まだ登る余地はあるのだがザックの重さから開放されたい思いが勝り、雪庇を切り崩してテントを設営する。 さてこれからどう時間を潰せばいいのだろう? ラッセルなしが裏目に出たとでも言おうか、結局10時間近くも飲み続けてしまった。

翌朝、テントの周りは結構な雪が吹き溜り雪庇の上に出ると視界は200mを切っていた。 昨日と一変し真冬に舞い戻ったようで気温は-12〜-13℃だが風が強く久々に寒い。 少し上に張った二つのパーティーとも下山を決めたが我々は天気の回復を信じて登行を開始した。 新雪の下は硬い雪面でスキーが横滑りしツボに変えたら今度は埋まってもっと駄目だった。 どうにか森林限界を越えると1500mから1600mにかけ3本の尾根が合流して1本の緩い尾根になる。 迷い易い感じのする場所で標識を打ちながら進む。 ハイ松が所々に飛び出すクラストした雪面を強風が吹き抜ける。 風の当たる左の頬をフードでかばいながらスキー歩行を続けるがまともに歩ける風でなくなった。 3月と言えまだまだ厳冬であり山が唸り始めたのを機に下山を決めた。 雪がさらさらでスキーがよく滑る。 気を付けつつ標識まで戻ったが中尾根に寄り過ぎたりして騙され易い地形だった。 テントを撤収し少し下ったところで先のパーティーが空身で谷筋を目がけスキーを楽しんでいたが我々にその元気はない。 初めのうちはザックを背負っても雪質に助けられそれなりに滑れたが次第に重い雪に変わった。 ただスキーを履いてるだけで凡そ滑ってると言い難く転んでは起き上がるのがいい加減厭になった。   <翌年のトムラウシ山(残雪期)はこちら>









  扇沼山〜トムラウシ山  1615.2m〜2141.0m  地図はこちら  ■Home
2007年7月上旬 晴れ メンバー6名
台地林道P9:10→扇沼山(11:00-11:40)→三川台14:25→南沼テン場16:40
南沼テン場3:20→トムラウシ山(3:50-4:20)→南沼テン場(4:40-6:05)→三川台7:40→扇沼山10:30→台地林道P12:15 (休憩含)

駐車場には既に沢山の車が止まっていた        開けた岩塊斜面を過ぎれば扇沼山はすぐだ     硫黄沼をへだててオプタテシケから十勝連峰を望む

最近ツアーコースとして人気のある扇沼山へ一度登ってみたいと思っていたが林道の鍵がネックだった。 美瑛町にある森林管理署0166-92-2063へ電話を入れると平日の昼間に直接借りに来なければだめだと言う。 しかも美瑛に10コ、旭川に20コあると言うが予約も出来ず無くなったらお終いと言うから厄介である。 時間的な制約から半場諦めてたが今回メンバーのKさんが事前に鍵を借りに行ってくれると言うので一気に話がまとまった。 ありがたい!

車2台でAM5時札幌を出発した。 美瑛町のコンビニで500ml缶ビール6本買い足しザックはビール20本とジャンボテントで結構な重さである。 登山口までの林道(上俵真布林道→台地林道)が地図に載ってなくて少し判り難い。 国道から天人峡方向へ入って途中で別れ俵真布小学校を過ぎ舗装が切れて橋を渡り道なりに進むと電子鍵のゲートである。 更にそのまま辺別川沿いに上俵真布林道を進むと右から林道が合流するが直進し暫くして左から台地林道が合流し番号鍵のゲートを開ける。 少し荒れた道だが終端の登山口には既に車が十数台止まっていて驚いた。 荒れた林道の先は笹刈りされた登山路となり見通しの利かぬ樹林帯を登っていく。 今日は土が乾いて歩き易いが傍を流れる小沢から水が染みて溜まり水が出来ている。 所々に木道が敷かれているが雨後は泥土でいかにも大変そうだ。 2時間も登れば尾根だから大したことないとタカを括ったが流石にザックが重く肩と腰が悲鳴を上げている。 少し歩くペースが早いのだろうか残雪期にはもっと重い荷を背負ってるのに今日のほうが辛く感じる。 展望が少し開けてくる頃、一帯は巨岩を積んだ岩場となりナキウサギの声を聞きながら岩を飛び越えて行く。 人の歩いた跡が薄汚れて残り概ねルートは判るが時たま大きな岩がグラッと動いてヒヤリとする。 ここを越えると道は急登となるが直に緩やかになってあっけなく扇沼山分岐に出る。 初めて硫黄沼にお目にかかれ嬉しい!沼は意外に大きく隔てて十勝連峰が対峙している。 特にオプタテの雄姿は素晴らしく山頂から下る従走路は凄い傾斜で落ち込んで見える。 ザックをデポし300m先にある三角点まで踏み跡を辿りながら噂に違わぬ展望を楽しんだ。



     
硫黄沼山三角点まで尾根上散歩を楽しんだ      向う方向に・1675ピーク「兜岩」が迫ってくる      過ぎるとだんだん「兜」らしく見え出す


扇沼山からは快適な尾根の散歩で少しずつ花も出てきた。 奇怪に見える・1675ピークは兜岩と呼ばれ険しい岩稜が迫ってくるがここは下部を巻いて樹林帯をトラバースする。 辺別川の源頭で水を得て後は・1774ピークの肩まで登り返しを我慢すればよいだけだが雪渓からの融水で登山路はどろどろだった。 振り返ると先の兜岩は両方の耳が立ってなるほど兜らしい形に見えている。 三川台の分岐を過ぎると従走路沿いにチングルマ、ハクサンイチゲ、コザクラ等の花々が一面に広がっている。 トムラの横には旭岳も見え高原のような開放感が堪らない。 右はユウトムラウシ川の源頭で入組んだ地形にさまざまな形をした小沼が点在している。 休む度にビールが減り荷が軽くなるのは嬉しいがペースは相変わらずのんびりしている。 途中の大雪渓で水を取り南沼テンバへ着くと先客が10張程あって良いスペースは残っていない。 テントを張って食事が終ると皆、疲れたと言って早々と寝てしまうものだからビールがまだ沢山残っている。 残った二人で頑張って消費するが腹が膨れて限界である。 用足しに外に出ると夜は満天の星空だった。 早々と9時過ぎ就寝する。 翌朝3時に起床し山頂に登って御来光を見る。 神々しくて何度見ても感動する景観である。 岩場に咲くチングルマの花びらが朝露に濡れキラキラ輝きとても綺麗だった。 復路も実にのんびり展望と花を楽しみながら下った。 美瑛駅前の食道でお腹を満たし町中の銭湯で汗を流す。



     
三川台分岐,トムラまで4.1km オプタテまで10.5km    開放的な三川台で一休みトムラまでもう少しだ     お花を撮りながらのんびりと帰る、後は旭岳





  トムラウシ山(夏尾根・トムラウシ温泉コ−ス) (表大雪)2141.0m
2000年7月  曇り/晴れ  登り7.00  下り5.10  総時間12.10
沢と別れ雪渓を登っていく       これを越えればテント場だ        快適だった南沼のテン場        御来光を拝みに山頂へ   

札幌から北海道のへそに位置する国民宿舎「東大雪荘」まで253km、5時間運転して10時過ぎに着く。 ここからトムラ林道を車で15分ほど登った所が短縮登山口で広い駐車場には既に20台ほど停まっている。 入山届を見ると日帰り登山者が多く大方は早朝4時前に出発していた。 登山道は笹が刈り払われ歩き易いが温泉方面への分岐から先は泥んこ状態だった。 特にカムイ天上から最初の徒渉までアップダウンの連続とぬかるみで長く感じる。 沢に出て徒渉を繰り返し登っていくとひんやりした風が心地よく道標(テ−プ)も適当にあって快調だ。 (注:今は沢の右岸尾根にルートが変更されている) 沢はやがて雪渓に埋まり赤くペイントされた二股を右に進んで大雪渓を登ると一面に大きな岩が積み重り様子が一変する。 「チーッ・チーッ」とナキウサギの声が頻繁に聞きながら、 前トム平のケルンを過ぎると花の群落が至る所にあり疲れた足も軽くなるようだ。 ガスで山頂は見えないが雪渓と奇岩、トムラウシ公園 はまるで幽玄の世界そのものである。 夕暮れ時が近く早くテン場に着こうと少し気が焦る。 少し先で分岐を右に進むとテントが三つ目に留まりホットした。 ロープで囲まれた小さなテン場の傍を雪解け水が勢いよく流れている。 夏でも枯れないこの水は衛生上問題があるので上部から汲んで沸かす必要がある。 テントの二組はいずれも本州からだった。 連泊した方の話では昨夜、土砂降りの雨と雷で生きた心地がしなかったそうである。 未明から登って御来光を拝もうと早々就寝するが夜間の雨音と寒さで何度か目が覚めた。 3時過ぎ外を覗くとあいにくガスが立ち込めていた。 半ば諦め寝袋の中でもじもじしてるとガスが薄くなってピークが見え始めたので大急ぎで外に飛び出した。 ごつごつした岩の急登を駆けるように登るとテント場が見るゝ小さくなっていくのが面白い。 間に合った!今まさに御来光が上る瞬間で何とも言えぬ幸福感に包まれる。 雲海が低く垂れ込め十勝連峰やニペソツ等、東大雪の山々が顔を出している。 川のように流れる雲と朝日に輝く大雪の山々に暫し見とれた。 下山も長い道程で東京と大阪から百名山ツアーの団体がぞろぞろ登ってくる。 ヒサゴ沼の避難小屋に泊まるらしいがあんなにいっぱい入るのだろうか? 少人数グループですれ違う人達も大方が本州からの登山者で短い日数で道内の山を巡ってるようだ。 下山して寄った東大雪荘のお湯は最高で、 大部屋を含め半年も前から予約で埋まってると聞き驚いた。



お花の群落が疲れを癒してくれる         十勝連峰を囲むように雲海が広がっていた       ご来光のシーンは忘れ得ぬ光景の一つである




















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