お彼岸の3連休あれこれ山を迷った末にやっぱりトムラウシの冬景色を見に行こうと話が決まった。
凍てつく寒さも和らぐ今の時期なら1泊で戻れるのではないかと踏んでるが一応計画通り2泊分の食料とお酒を詰め込んだ。
北広島を朝の6時に出発すると3時間そこそこで曙橋を過ぎ順調に東大雪温泉へ向う。
車中で暖冬小雪を嘆いてたメンバーも温泉が近づくとさすがに雪が豊富で一安心の様子だ。
しかも空は次第に青みを増し「明日はピーカンの山頂かなー」否応なく気持ちが浮き立ってくる。
駐車場に着くと重そうなザックを背負った数名が出発するところで聞けば予定が全て一緒だった。
我方も30分遅れで緑雲橋を渡り林道に入るとすぐに急な尾根に向ってトレースが分かれていた。
他にもまだパーティーがいるのかな?取り敢えず沢の奥に向うトレースに従った。
雪解けが進んだユウトムラウシ二ノ沢のブリッジを渡るとすぐに急な尾根の取り付きとなる。
浅く沈む雪だがじわじわ足に堪える重さで先行者に感謝である。
200m程登って緩やかな尾根上に出ると気持ちの良い樹林帯となり程なく先行パーティーに追い付いた。
お礼を述べ先頭を交代するとまだ先にトレースが続いており「誰か先に行ってるよ」とのことである。
・・と言う訳で初日はさしたる苦労もせず早々と1300mのテン場予定地に着いてしまった。
まだ登る余地はあるのだがザックの重さから開放されたい思いが勝り、雪庇を切り崩してテントを設営する。
さてこれからどう時間を潰せばいいのだろう? ラッセルなしが裏目に出たとでも言おうか、結局10時間近くも飲み続けてしまった。
翌朝、テントの周りは結構な雪が吹き溜り雪庇の上に出ると視界は200mを切っていた。
昨日と一変し真冬に舞い戻ったようで気温は-12〜-13℃だが風が強く久々に寒い。
少し上に張った二つのパーティーとも下山を決めたが我々は天気の回復を信じて登行を開始した。
新雪の下は硬い雪面でスキーが横滑りしツボに変えたら今度は埋まってもっと駄目だった。
どうにか森林限界を越えると1500mから1600mにかけ3本の尾根が合流して1本の緩い尾根になる。
迷い易い感じのする場所で標識を打ちながら進む。
ハイ松が所々に飛び出すクラストした雪面を強風が吹き抜ける。
風の当たる左の頬をフードでかばいながらスキー歩行を続けるがまともに歩ける風でなくなった。
3月と言えまだまだ厳冬であり山が唸り始めたのを機に下山を決めた。
雪がさらさらでスキーがよく滑る。
気を付けつつ標識まで戻ったが中尾根に寄り過ぎたりして騙され易い地形だった。
テントを撤収し少し下ったところで先のパーティーが空身で谷筋を目がけスキーを楽しんでいたが我々にその元気はない。
初めのうちはザックを背負っても雪質に助けられそれなりに滑れたが次第に重い雪に変わった。
ただスキーを履いてるだけで凡そ滑ってると言い難く転んでは起き上がるのがいい加減厭になった。
<翌年のトムラウシ山(残雪期)はこちら>