4/18 曇り時々晴れ 4時起床し各自朝食を済ませる。
外は薄日が射しニペソツ山が薄っすら見えているがオプタテシケ山は雲に隠れたままだった。
予報は曇り後雨だから崩れる前に帰りたいものだ。
後ろから迫る黒い雪雲に追われるように出発し朝の冷え込みで硬くなった急斜面を登った。
・1504mの少し上で右から広々とした夏尾根が合流すると立木のまだらな緩斜面になる。
これを右にトラバースしカムイサンケナイ川の源頭に向かって進むと
やがて眼前にカール状の立ち木一本ない真っ白な大斜面が広がっていた。
意外にも雪は軽く上から下まで標高差400m以上の滑降を楽しめそうな大斜面である。
此れを横目に100m進む毎に僅か十数m上がる大トラバースをひたすら続ける。
先頭を歩くと上下真っ白のせいか時々平衡感覚がおかしくなり、ホワイトアウトにでもなったら大変な場所である。
次第に斜面がガリガリに変わりクトーを効かせてようやく1800mの肩に上がった。
ふう〜っ、ため息の出る長いトラバースだった。
台地に出ると薄日の射す中に溶岩ドームが望まれたが先はまだ遠い。
トムラウシ公園は完全にクラストしご飯にゴマをかけたように岩が飛び出している。
標識を打ちながら大岩を右に左に迂回して山頂基部に達すると南沼キャンプ場は夏のイメージにほど遠く白い景色に変わっていた。
スキーからアイゼンに替え氷化した岩陵を登って頂に立つと雪塊となった山頂標識が待っていた!
景色は薄ぼんやりした眺めだったがリベンジが果せ感激である。
去年遭難した8人の御霊に手を合わせ穏やかな山頂を後にした。
スキーデポ地でシールを外しクラストした雪面で大変だが流石に帰りは速い。
源頭の一部はまだガリガリ状態で神経を遣ったが尾根に入るとスキーが良く滑りテンバまであっと言う間だった。
結局さしたる登り返しもなく意外なほど淡々と戻れ安堵する。
いよいよ空の按配が怪しくなるとすぐ雪が降り出した。
何とついてることだろう!にんまりしながら急いでテントを畳んだ。
雪庇の下を通り再び尾根に残る往路のトレースを戻った。
こんなに長かったかな?雪は軟くなったがそれなりにスキーが滑ってありがたい。
急な取り付き斜面で狭い造林道を見つけ難なく川へ下れたのは幸いだった。
予定よりだいぶ早く下山し、温泉を出発するころ小雨に変わった。
<前年のトムラウシ山(冬季)はこちら>