トムラウシ山 2141.0m (積雪期・温泉冬ルート・山スキー)  地図はこちら  ■Home
2010年4月中旬 メンバー6名
9:35東大雪温泉→13:35・1330mC1
5:25C1→(9:20-9:35)トムラウシ山→(11:00-11:30)C1→12:25東大雪荘 (休憩含)

雪をまとったトムラウシ山に立ってみたいがGWでも吹雪くことがあると聞けば冬の厳しさは想像に難くない。 森林限界の上で或いはトムラウシ公園と呼ばれる溶岩台地の上でガスったり吹雪かれたらちょっと厄介である。 去年は悪天で撤退しただけに天気には万全を期してリベンジを狙った。


こんな天気のトムラに登りたい!明日まで持って欲しい  必ず山頂を踏むぞ!気合を入れテンバを出発する   薄日が射し始めて嬉しい、前トムラも見えている

 4/17 晴れ 高速道路が延びたお陰で予定より1時間も早く東大雪温泉に着いてしまう。 程なく待合せのメンバーも到着し今回もテンバで時間を持て余すのは確実だ。 酒の心配をして売店で500円もするビールを買い足すメンバーもいてザックはみんな満載である。 そんな訳で去年の教訓を生かせないまま早い出発となった。 ルートはユウトムラウシ川とユウトムラウシ川二の沢を挟んだ尾根を北上する冬ならではの最短コースを辿る。 時期としては去年より一ケ月遅く雪解けが気になるが春先の寒さが続いたせいか雪がたっぷりで一安心する。 緑雲橋を渡って二の沢沿いに進むとSBが思ったより多く難なく沢を渡って尾根に取り付く。 相変わらず急な斜面でスキーが横滑りして初っ端から一汗掻かされる。 200m程登ると広い疎林の緩斜面となりニペソツ山とウペペサンケ山を振り返りながら休み休み標高を上げた。 やがて左にオプタテシケ山そして右は沼の原の先に石狩岳が姿を現しどれも真っ白で格好良い山ばかりである!  尾根が少し細くなると雪庇が出始め、急な斜面の手前c1300辺りで行動を停止した。 尾根のど真ん中を均してテントを設営し、風は無いが一応ブロックも積んで準備は万端だ? 14時過ぎに乾杯を始めたが飲んでも飲んでも日が暮れず嬉しいんだか少々複雑な心境である。 カレー鍋を囲みそのうち酔いが回ったメンバーから「山の娘ロザリア〜いつも一人うたうよ♪」と古い歌が出てくる。 これが針の飛んだレコードのように同じ文句を何度も繰り返すものだから耳について離れない。 酒が無くなり21時過ぎ就寝、夜中は格別星が綺麗だったらしい。
     
カムイサンケナイ川源頭は上下真っ白で感覚を失う  台地に出るとトムラウシ公園の先に山頂部が見えた   山頂は目と鼻の先!穏やかな登山日和に恵まれた

 4/18 曇り時々晴れ 4時起床し各自朝食を済ませる。 外は薄日が射しニペソツ山が薄っすら見えているがオプタテシケ山は雲に隠れたままだった。 予報は曇り後雨だから崩れる前に帰りたいものだ。 後ろから迫る黒い雪雲に追われるように出発し朝の冷え込みで硬くなった急斜面を登った。 ・1504mの少し上で右から広々とした夏尾根が合流すると立木のまだらな緩斜面になる。 これを右にトラバースしカムイサンケナイ川の源頭に向かって進むと やがて眼前にカール状の立ち木一本ない真っ白な大斜面が広がっていた。 意外にも雪は軽く上から下まで標高差400m以上の滑降を楽しめそうな大斜面である。 此れを横目に100m進む毎に僅か十数m上がる大トラバースをひたすら続ける。 先頭を歩くと上下真っ白のせいか時々平衡感覚がおかしくなり、ホワイトアウトにでもなったら大変な場所である。 次第に斜面がガリガリに変わりクトーを効かせてようやく1800mの肩に上がった。 ふう〜っ、ため息の出る長いトラバースだった。 台地に出ると薄日の射す中に溶岩ドームが望まれたが先はまだ遠い。 トムラウシ公園は完全にクラストしご飯にゴマをかけたように岩が飛び出している。 標識を打ちながら大岩を右に左に迂回して山頂基部に達すると南沼キャンプ場は夏のイメージにほど遠く白い景色に変わっていた。 スキーからアイゼンに替え氷化した岩陵を登って頂に立つと雪塊となった山頂標識が待っていた!  景色は薄ぼんやりした眺めだったがリベンジが果せ感激である。 去年遭難した8人の御霊に手を合わせ穏やかな山頂を後にした。 スキーデポ地でシールを外しクラストした雪面で大変だが流石に帰りは速い。 源頭の一部はまだガリガリ状態で神経を遣ったが尾根に入るとスキーが良く滑りテンバまであっと言う間だった。 結局さしたる登り返しもなく意外なほど淡々と戻れ安堵する。 いよいよ空の按配が怪しくなるとすぐ雪が降り出した。 何とついてることだろう!にんまりしながら急いでテントを畳んだ。 雪庇の下を通り再び尾根に残る往路のトレースを戻った。 こんなに長かったかな?雪は軟くなったがそれなりにスキーが滑ってありがたい。 急な取り付き斜面で狭い造林道を見つけ難なく川へ下れたのは幸いだった。 予定よりだいぶ早く下山し、温泉を出発するころ小雨に変わった。 <前年のトムラウシ山(冬季)はこちら>




























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