武佐岳の北に妙に尖った山があり、それが尖峰だと知ったのは10年程前だが以来ずっと気になっていた。
ここは残雪期に登る山だと思っていたのでなかなか行く機会がなかったがネットで沢登りの記録が散見されたので未踏の山とセットで出掛けてみる。
|
西別小屋を5時に出発し、根北峠パーキングで身支度する。
昨日下見を済ませた林道を進んで終端の砂防に止める。
左岸からダムの堰堤を超えると上はプールかと思ったら広い川原になっていた。
小振りな沢だが高所に崖が見え、紅葉の時期ならさぞ良い風景かと思う。
ただ鉱泉でも混じっているのか白く濁って石や川底が滑って閉口、しかも両岸がすぐ笹藪で歩き難い沢だ。
記録にあった作業道を探すも見つからず、平坦で曲がりくねった沢を辟易しながら進む。
|
出発から2時間掛かって480mの二俣と出合い、水量5:1の支流に入る。
蕗と倒木だけかと思ったら階段状の滑や小滝が出てきた。
本流で見掛けた足跡が見当たらず、草一本倒れてないので何処に行ったのか不思議である。
そして820mで沢形が尽き、胸程の笹藪を抜けたら目の前に岩壁を擁す頂稜部がにょっきり聳えていた。
急な草付き斜面に程よいスタンスがあり、笹や灌木を掴みながら900mの稜線に出る。
稜線のハイマツは薄く、結局さしたる藪漕ぎもなくピークを踏めたのは幸いだった。
|
三角点も標識もピンテもない質素な山頂だが尖った山ならではの眺望が待っていた。
左に武佐岳と中央に俣落岳、そして右に聳える優美な斜里岳に思わず声が上がった。
オホーツク海や遠くに阿寒の山々も見えてすこぶる展望の良い山である。
|
海別岳が一際大きく、遠音別岳、知西別岳、羅臼岳と知床半島の山並みが続く。
その横には国後島が意外に近く、最高峰のチャチャ岳もしっかり見えていた。
海岸線に目を転ずると海老のような野付半島が見え、山と海と平原の大展望を満喫する。
沢が滑って下山も長く感じたが念願の頂きが踏め、しかも展望に恵まれ満足である。
また越川温泉でさっぱりして遠い家路に向かった。
|
<昨日の 温泉富士(中標津町) はこちら>