三峰山沢〜富良野岳〜同左股沢 (サンポウザン 遡行)  地図はこちら  ■Home
2007年9月上旬 晴れ メンバー3名
バーデン前7:41→右股8:35→登山道11:05→富良野岳(11:23-12:13)→左股13:15→バーデン前15:05(休憩含)

この沢は「とっておき北海道の山」という本に富良野岳のバリエーションコースとして紹介されている。 初級者から中級者まで安心して楽しむことができるやさしい渓谷と書かれているが正直あまり興味をそそる文面ではない。 ただこの本が推奨するコースは一部ハードで消化不良の感もあるが外れが無いだけにこの沢も前から気になっていた。 今回はKさん夫婦をお誘いし三峰山沢の右股を登って山頂を踏み左股を下ってみることにした。

林道はヌッカクシ富良野川を横断する       九重ノ滝、長さ100mに及ぶ見事な滑滝が圧巻     九重ノ滝、濡れてるが滑らない岩質が幸い
バーデン前の分岐に車を止め身支度を始めると3人パーティが沢のいでたちで出発する。 普段あまり聞きなれない三峰山沢に人が来るとは思わなかったが近辺の沢と言ったらここしかない。 そのパーティを追うように道路を下って林道に入りヌッカクシ富良野川の広い川原を横断する。 前を行くパーティはそのままヌッカクシ富良野川を進んでいくので変だなと思い少し戻って左岸に崩れた作業道を見つける。 どうやら砂防ダムを作る為に付けられた道で三峰山沢の左岸をc1142まで続いていた。 3つ目の大きな砂防ダムを高巻きようやくショボイい流れの遡行が始まった。 右股に入って高所を眺めるとc1200から始まる「九重ノ滝」が赤茶けた岩盤の大滝となって見える。 凄い光景に胸の高鳴りを覚えながら近づくと滑滝が9段以上連なり長さは優に100mを越える。 滝のスケールに比べ流れる水は少なく右岸の濡れた岩を快調に登っていくと滑の最終は1315mまで続いた。 この高度感が堪らない!まさかこんな面白い滑滝が出てくるとは思いもしなかった。 c1400の「華雲ノ滝」は下が20m,上は10m?の二連滝になって、高巻き途中からは全容が掴めぬほど大きな滝である。 この二つの大滝は地図に名が付いてるだけあって手応え・見応え十分だが後にも先にも滝はこれ以上出てこない。 せめてもう二つ三つ滝や滑が欲しい〜少し物足りない感じがする。 緑と岩峰を交えた富良野岳が前面に聳え背後には十勝岳の荒涼とした風景が見えている。 水は鉄分と若干硫黄の匂がありはっきり言ってまずいがc1515で右から伏流する水は美味かった。 水が涸れるc1570二股で右へ、更にc1625で左を取ると左の斜面を登っているパーティがいた。 (山頂に後からやってきたこのパーティはc1570から左を進んでハイ松に難儀したらしい)  軽い藪漕ぎを150m程登って最後に数mの岩と這松のミックスを攀じり山頂手前の登山道へ出た。
     
華雲ノ滝・二段目が垣間見える、登れそうだが・・・    中央の大岩を左から廻って登山路へ抜ける      雄鹿ノ滝・なる程改めて見ると鹿の角に見える
山頂に着くと十勝岳方面は晴れているが南方は雲が広がって夕張岳と芦別岳のピークだけ頭を出している。 暫く休憩し往路は夏道を下って途中から左股を下降する予定である。 下って直ぐ先に出発したパーティが岩場を登っていたがおそらく出だしで間違い時間ロスしたのだろう。 それにしても彼らは凄いところを登って登山道へ素直に抜けるには我々のルートが最短だったと思う。 左股の出合いまで夏道がやたら長く、此処でK婦人と別れ二人で涸れ沢を下降する。 青い岩盤が印象的だがつるつる磨かれた岩に砂が乗って滑りやすい。 雌鹿ノ滝6mは涸れ滝で左岸を高巻く、雄鹿ノ滝は30mザイル2本繋ぎ滝口から覗くと下まで届かず右岸を高巻いて降りた。 下って漸くして水が出始めるが二つの枯滝以外は何もない退屈な沢だった。 まさかこの沢に本日3パティーも入ってるとは思わなかった。 水量こそ少ないがスケールのある滝や滑で意外に楽しい沢である。

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