ルコツ岳は噴火湾に面した長万部町の低山でこの山から流れるルコツ川が八雲町との境界をなしている。
ルコツとはアイヌ語の「足跡・道・窪み」を意味し、アイヌの古老がこの山のカムイ(熊)になったという伝説が残っている。
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八雲町黒岩からルコツ川とロクツ川の間の尾根を辿る。
天気は台風一過のような青空で林道の先に白く小さな山が見えていた。
送電線から尾根に取り付くと中は歩き難いトドマツの植林で右斜面をトラバースで抜ける。
327コルから疎林が続き、緩やかな尾根の先に初めて山頂と北峰を目にするが不思議なほど木の少ない景観である。
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噴火湾越しに駒ケ岳、後方の雄鉾岳に次いで遊楽部岳が見えてくる。
山頂は見た目以上の距離で展望を楽しみながらピークに到着した。
木が一本だけの丸い頂から遊楽部山塊を眺め、更に少し高い北峰の向こうがどんな景色なのか行ってみる。
本峰の下り斜面(写真中)は雪が硬く板を弾ませながら滑り降りる。
そして広く平坦な北峰に到着、遮る物が無い眺望に目を見張った。
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【ルコツ岳北峰からの眺め@】
手前の丸い山は坊主山で展望見たさに興味が湧く。
その奥には日本海から太平洋(内浦湾)を横断する山々が並んでいる。
まず長万部岳を同定するとじわじわと周囲の山が分かり、真ん中の白く目立つカニカン岳の右に思いで深い利別岳を認める。
右端に奥美利河丸山と横長の黒松内岳、左端にはメップ岳が白く美しい山容を見せ、狩場山も雲の上に頭を出していた。
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【ルコツ岳北峰からの眺めA】
噴火湾沿いに羊蹄山、尻別岳、有珠山が並んでいた。
羊蹄の左にニセコ連山、幌別山塊の山々も見える。
出発地付近で新幹線工事が行われていたが近い将来、列車の走り抜ける風景も見られるのだろうか。
本峰越しに砂蘭部岳、雄鉾岳、冷水岳、遊楽部岳を眺めながら暫しぼーっとする。
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さてキムンタップコップ岳とトワルタップコップ岳に未練を残して下山とする。
緩やかな斜面を登り返すことなく林道まで滑り降りると、後ろに本峰と北峰が見えていた。
一等三角点だけあって眺めは最高、もし訪れることがあるならすっきりした晴れの日をお勧めする。
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<翌日の 二股岳 はこちら>