梅雨前線の影響で朝方まで雨が残りそうだが楽古岳の沢を日帰りすることにした。
コイボクシュメナシュンベツ川を遡行するのは3度目、ぐいぐい直登できる滝と景観が売りで誰もが楽しめる沢である。
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札幌を3時に出発、路面が濡れた国道を走り7時前に山荘に到着した。
雨が上がったばかりで車は2台だけ、沢は我々のみだった。
ブッシュが目立つ左岸の林道跡を進むと笹藪が覆って閉口、
これを抜けてほっとしたのも束の間、去年の大雨で荒れに荒れたコイボク川にビックリする。
川幅が倍になり、両岸からの崩れた土石と倒木で埋まっている。
何処までこんな感じなんだろうと思ったが十勝岳直登沢の出合いを過ぎると程なく岩盤の渓相になってほっとする。
すぐの5mと続く4mの函滝は泳いで越え、暫くして10mの滝を小さく巻くとガレ溜まりの先にc770の屈曲が見えてくる。
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小さな雪渓の残骸を横目に屈曲へと進むと正面奥に高所から水を垂らす大滝が目に入る。
周囲は凄い景観だがここに来たことがあるメンバーばかりで感嘆の声もなく左岸十数mの滝に取り付く。
これを登ってゆくといよいよこの沢のクライマックスとも言える百数十mの滑滝(写真左)で水飛沫を浴びながら直登する。
振り返ると下に先程のガレ溜まりと対岸の滝が小さく見えて高度感も抜群である。
次々に現れる小滝・滑滝は手掛かりが良く、岩が滑らず快適でたまにルパンにお助けを出しながらぐんぐん標高を稼ぐ。
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連続する小滝群を登ると水が涸れ、草付きにポツポツとイワブクロ、チシマフウロ、ウサギギク、シロツメクサ、ミヤマリンドウが目を楽しませ、岩場にはミヤマノエンドウが盛りだった。
沢筋にルートの証を見る頃には青空が垣間見え、主稜線は雲海の上で涼風が気持ち良い。
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楽古岳のピークは何年ぶりだろうか、標識の裏が写真でちょっと味気ない。
雲海の上に十勝岳やソエマツ岳、ピリカヌプリが頭を見せる。
体が濡れているせいか寒い程だ、風下で広尾岳、ポン楽古岳、豊似岳、観音岳など懐かしい山々を眺めまったり。
三石温泉でさっぱりして帰札する。
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<2014年の ペンケ札楽古川〜楽古岳南東面直登沢 はこちら>