クッタラ湖旧道〜ポンヌプリ・ポロヌプリ 402m・549m(白老町・登別市) 地図はこちら  ■Home
2011年11月下旬 晴れ時々曇り メンバー5名
12:00観光道路ゲート→12:55ポンヌプリ→(13:45-13:55)ポロヌプリ→14:30観光道路ゲート

窟太郎山をピストンし、次は「クッタラ湖旧道」から一等三角点ポロヌプリ(和名四方嶺)を目指した。 この路は室蘭民報に紹介されたのをMYMLなかよし@室蘭さんから情報を貰ったもので なるほど老人ホーム緑風園から数百m行くと旧道らしき入口があり、 その少し先に大きなオンコの木の下に「山神」と彫られた目印の石碑が建っていた。
          


路の要所に「いぶり自然ガイドの会」による手書きの案内板があり往時の様子を知ることができる。 これに依ると山道は明治23年に鉄道の基礎石を切り出す為に開作されたもので 中登別から倶多楽湖外輪を経由し登別温泉まで通じていたと云う。          
         
          幅数mの刈り払われた路には色々な種類の木に名札が付けられ退屈しない。 初めて聞く「紫式部」という木には紫の珠の様な実がなって可愛らしかった。 昔は人夫や馬車が往来し集落もできるほど賑わったとのことだが今は 路に転がる石にその面影を偲ぶだけである。 葉が落ちて見通しが効き、虫のいないこの時期にお奨めのコースだが 人っ子一人歩いてないので単独だとちょっと寂しいかも知れない。


          


<旧道ガイド>には中尾トメさんと言う名前が何度も出てくる。 才色兼備な女性で「湖の奥様」とか「馬上の貴婦人」と称され逸話の数々は 八木義徳の小説「倶多楽湖」に詳しく・・云々とある。 夫の志を継いでヒメマス養殖事業を営むも上手く行かず、 後に一人湖畔の住人となり炭焼きで生計を立てながら森を守ったという彼女の生き様を想像しな がら歩くのもまた楽しい。

         
         
          暫くすると、沢コースと尾根コースに別れるかなりアバウトな案内図が掛けられている。 手持ちの地図には無論コースなど一切ないのでこんなのでもありがたい。 取り合えず先に尾根コースを登って外輪に出ると今度は「ポロヌプリ→」と木札に書かれた案内が掛かっていた。 ポロヌプリなら方向が逆だべさ?と思いつつ笹路を辿ってみることにしました。


          


外輪山の尾根を歩くのは初めてだが木が邪魔をして思った程の展望はなかった。 路はほどほど明瞭で所々に被る笹を別けながら進むと、一段高い・402ポコに 「ポンヌプリ」の山頂標識が下がっていた。 「ここはポンヌプリ(小・山) 熊牧場はポンヌプリ(大・山)」 と書いていながら先の木板で方向を誤っていたのはご愛嬌、 思いがけず新たなピークを踏むことができ幸いである。 さて外輪を戻ってポロヌプリに向うことにする。

         
         
登ってきた分岐を過ぎて山道が下り始める所にポロヌプリへの小さな案内板を見つける。 「↑熊牧場への旧道、夏は不通・冬はつぼ足で」 と書かれ↑の尾根を見ると何と背丈ほどの笹が覆っていた。 やれやれポロヌプリまでまだ結構あるな、 1時間以上の藪漕ぎを覚悟して笹に突っ込んだ。          
         
幸い藪は薄く10分もしないで下から立派な登山路と合流し呆気に取られた。 ふくらはぎが痛くなるほど急な尾根を登って肩に出ると 道はこのまま外輪方向と左のポロヌプリ方向の二手に分かれている。 外輪方向は日和山か地獄谷まで行けそうで気になりつつ、 アンテナのある山頂を目指すと徐々に展望が開け、 施設の奥に一等三角点が鎮座していた。          
         
<旧道ガイド>に依れば「路はこれよりゴンドラのケーブル下を登別温泉まで延びていた」 とのことで昔は生活路にもなっていたようである。 温泉までは急な尾根の直登降で大変だったらしいが「湖の主、 中尾トメさんはこの急坂を馬で上り下りする名人だった」 と書かれている。          
          


アンテナ施設には展望デッキが設けられ望遠鏡まで備えられていた。 そこからは真円形の神秘的な湖の他、煙を上げる日和山、オロフレ山と来馬岳が望まれる。 更に白老から室蘭にかけて光る太平洋の向こうには駒ケ岳など渡島半島や 下北半島の山も見えまずまずの展望である。 さて復路は先の藪漕ぎで現れた立派な道を下ってみることにした。 沢形の中に道が続いておそらくこれが「谷コース」ではないかと思われ、 分岐を適当に選ぶと呆気なく観光道路に戻ることができた。 登山の端境期、一見何でもない山路に北海道開拓の歴史を垣間見ることができ有意義な一日を過ごすことが できました。 <一山目の窟太郎山はこちら>          


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