小旭岳〜後旭岳 1654m・2216m(大雪山)   旭岳温泉ルート〜旭岳周回  山スキー   地図はこちら  ■Home
2010年5月中旬 晴れ メンバー5名
5:00旭岳温泉駐車場→(7:45-8:15)小旭岳→(9:50-10:30)後旭岳→(11:00-11:25)旭岳石室→11:45旭岳温泉駐車場

小旭岳(通称ポン旭)は広大な旭岳の南裾に位置する目立たぬ山である。 標高が高いにも拘わらず遠目には旭岳のこぶ程度にしか見えないのがちょっと可愛そうだ。 この山は八谷さんの本で知って以来ずっと気になっていたが今はガイドツアーもあると聞くから驚きである。 マイナーさからやや後退した感が無きにしもあらずだがSOSと白骨体で有名な山域だけに気安くは入れない。 日が長くなり残雪の多い今年は好期であり週末は保障されたような予報にチャンス到来である。

  早朝、旭岳温泉からスキーコースを登った     標高が上がるに従い明るい疎林に変わってゆく      見通しの良い緩斜面の先に小旭岳が見えている

前夜、ロープウエイの運休で閑散とした旭岳温泉の駐車場でC0する。 早朝から青空が広がり駐車場脇の雪山に上がると旭岳が朝陽に染まっていた。 ここから小旭岳までのルートは等高線が複雑な上に沢が入り込んで単調ではなさそうだ。 凡そ登り4時間を見込んだが場合によってはピストンするより旭岳か後旭岳に登り返した方が楽に帰れるかも知れない。 まあどう転んでも迷子になりそうな顔ぶれじゃないから成り行き任せである。 スキーコースを登り第一天女ケ原からコースを外れてすぐ目敏いKoさんがカバのアナタケを見つけた。 めったに人の入らない場所だけあってなかなか立派な代物だった。 大きなエゾマツとダケカンバの原生林の中は見通しこそ利かないが歩き易い。 しかも小尾根を越える毎に朝陽に照らされた大雪の山並みが望まれ気分が高揚してくる。 お天気のせいか想像した程の煩わしさは感じられずルートファイディングが楽しいくらいだ。 暫くして小旭岳の頭が見え始めると樹木がまだらで明るい雰囲気に変わった。 雲一つない空の下を歩いて行くと遠くの山が次第に姿を現し丸い小旭岳がどんどん近づいてくるのが爽快だ。 やがて凹凸した裾野から見通しの良い広々した緩斜面に変わり最後の深い沢を越える。 沢の上部をぐるっと回り込むと小旭岳への緩やかな登りで這松に覆われた山頂に到着する。

小旭岳へ最後の登り、山頂からの展望はすこぶる良い  双子の様に並んだ旭岳と後旭岳、この登りは堪えた  後旭岳の山頂へ到着、背後はトムラウシ山と十勝連峰

ピンクテープ一つ見当たらない質素な山は久々な気がする。 眼前には白雲〜忠別〜化雲の雄大な山並み、右には十勝連峰の山々が連なっていつまでも見飽きぬ展望である。 背後には旭岳と後旭岳が双子の様に並びこのまま戻るのも勿体無いので後旭岳を目指すことにした。 旭岳とのコルまで600mの登りに息が上がり本日二つめの初ピーク後旭岳をスキーで踏んだ。 お鉢平の中は真っ白で外輪山は白黒斑模様、そして真っ青な空とのコントラストが実に素晴らしい。 遠くに阿寒と斜里の山影が浮かんで暫し大展望を堪能する。 さて帰りは旭岳の急な斜面を左回りに滑って戻ることにする。 広大な斜面は2-3箇所黒く分断された以外はたっぷり雪に覆われ軟らかくなって滑りやすい。 裾が大きいだけあって滑りごたえがありなかなか地獄谷が見えてこない。 漸くロープウエイの山頂駅が目に入り鐘のある展望台まで真っしぐらに滑った。 豆粒のような登山者が頂きを目指して登っており出発してから初めて人を目にする静かな山行だった。  <明日の愛山渓温泉〜旭岳はこちら>

後旭岳から見下ろすお鉢平と外輪山、大雪山は広い    旭岳をスキーで左周り、雪が軟らかくて楽しい   旭岳をぐるっと一周する、思いで深い山行になった
 


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