天塩山地の最高峰ピッシリ山(アイヌ語で石の山)は北海道百名山の一つ、登山道は羽幌と幌加内の2コースだがどちらの林道も崩壊で遠い山になっていた。
20年前に一度、羽幌コースから登っているが百名山踏破を所望する同行にお付き合いして復旧した幌加内コースを登ってみる。
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朝5時前に札幌を出発、林道を数km走った終端に車が1台止まっていた。
案内板に山頂まで8.8km、登り4時間10分とやけに長く、登山届を見ると今夏まだ2ページ目に達していなかった。
小川を徒渉して程なく先日の雨で滑る急尾根を登ってゆく。
展望の無い道もカンバ林を抜けると空が開け、後方に朱鞠内湖を振り返りながら釜ケ渕岳に到着した。
三角点「釜淵岳」が埋まる小さなポコから利尻山が見えて思わず歓声が上がる。
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釜ケ渕岳からは左前方に熊岳が構え、稜線の右奥に本峰が見える。
熊岳まで30分もあればと思ったが大小のアップダウンでそれなりに時間が掛かる。
だが背の低い笹の道で眺めが良く、登り始めの急な尾根よりずっと気分的に楽だった。
熊岳は地面に小さな標識が転がっているだけだが展望はなかなかである。
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あとは緩やかな稜線を残すのみ、エゾリンドウを見ながらのんびり歩く。
途中に痩せた崩壊地など飽きることなく本峰に到着、一等三角点の傍で一人休んでいた。
利尻山が木で遮られ、代わりに天売焼尻が見える。
羽幌コースは藪に覆われ、二十年前の記録では「快晴で展望が良かった」とあるが周辺に目立つ山がないせいかいま一つ物足りない眺めである。
さてどっしりした熊岳を見ながら往路を下ると若い登山者が登ってくる。
今日は3組だが多い方か、紅葉の大雪山の賑わいに比べると寂しい限りだがそれがこの山の良い所だと思う。
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本峰より熊岳の方が眺めは良く、北方に鬼刺山(写真左)が尖って見える。
南方(写真中)には三頭山と小平蘂岳など天塩山地の山々の他、暑寒増毛連峰と遠く積丹の山も見えていた。
東方には浮島を持つ朱鞠内湖が大きく、その奥に平べったい北見山地が横たわっている。
あと2-3週間もしたらこの辺も紅葉だろうかと想像しながら長い道を下った。
新しくなった日向温泉でさっぱりして天塩岳ヒュッテに向かう。
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<翌日の 天塩川本流〜天塩岳 (士別市) はこちら>