週末はこの季節としては珍しく雨の予報だが大したことなはさそうなので半日で終わりそうな近間を予定した。
通称「奥夕日岳」とは夕日岳の南にある756標高点でごくたまに物好きな登山者が訪れているようだ。
たまたま八剣山からこの山に近い「一の沢山」の眺めが良く、またこの二山は札幌150峰にもなっているのでセットで登ることにした。
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この山域は低山ながら小尾根と小沢が入り組んですっきりしたルート取りが難しい。
取り敢えず車の置けそうな招福寺と豊平峡温泉を終起点に縦走を計画した。
現地に出掛けると招福寺からは快い返事が貰え、
一方の豊平峡温泉も下山後の入浴をちらつかせたのが功を奏しひとまずほっとする。
霧雨は次第に止む筈だ、招福寺前の御大師様と観音様に安全祈願し締まった雪を踏んで沢形に向かった。
出発早々暑くてカッパを脱ぐ、沢は所々開いて斜面の木から転がってきた雪塊が溜まっている。
木の雪は殆ど落ち切っているがたまにバームクーヘンになって襲ってくるので離れて歩く。
程なく515コルが見え、そのまま沢からコルに抜ける予定だったが途中で右の尾根が良い感じだったので取り付くと
斜度がどんどんきつくなり出した。
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木に掴まりながらのキックターンも限界となり、スキーを手に急斜面を50mほどツボで登って狭い尾根上に出る。
やれやれ地形図は嘘を言わない、わざわざ密な等高線を登って余計な時間を食ってしまった。
そこからスカスカする足元を見ながらスキーで細尾根を辿るが今日はスノーシューの二人に分があり、この湿った重雪に最後まで苦労させられそうだ。
そしていつの間にか霧雨が止み、小さな雪庇を越えて北尾根に合流すると緩くなった尾根の先にこんもりしたピークが見えていた。
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漸く一の沢山に到着、少し明るくなった空の下に諦めていた展望が得られて嬉しい。
盤の沢山、藤野三山、八剣山、砥石山などお馴染の山々が並び、豊滝の町並みと情報館が見える。
少しなめてかかったが思いの外、ピリ辛で「山は高さにあらず・・」と妙な充実感に浸っていると
下からピーポーピーポーと救急車のサイレンが聞こえてきてちょっと興ざめ、そそくさと奥夕日岳に向かった。
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一の沢山からゆるゆるしたアップダウンを1時間弱でこじんまりと端正な奥夕日岳に到着した。
反射板が建って灌木越しに展望が良さそうだが辺り一面乳白色のガスである。
山頂には今まで見なかったピンクテープがちらほら付いて意外な穴場なのかも知れない。
下る途中の尾根がスキーには急で雪のある沢形に逃げたがグサグサ雪に板が刺さって閉口、真っ直ぐ下れるスノーシューが羨ましい。
車に戻るとカレーの良い匂いが漂っていた。
ここから奥夕日岳まで雪の締まった時期なら往復で2時間ちょいって感じ、いつか展望を確かめに再訪したいものです。
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<2018年の 奥夕日岳 はこちら>