然別湖横断〜ナイタイ山 1332m 山スキー (上士幌町) ■Home |
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2013年3月23日 曇り メンバー5名 10:30湖畔温泉→然別湖c810m→11:25尾根取付き→(13:30-13:45)ナイタイ山→14:35然別湖→15:15湖畔温泉 |
ナイタイ山(ナイタイ・ヌプリ 奥深い沢・のある山)は然別湖畔温泉の対岸に位置するマイナーな山だが、 麓にナイタイ高原牧場のある山と言った方が分かり易い。 この如何にも北海道らしい風景の牧場からはどこまでも続く十勝平野を見渡すことができ、 ナイタイ山からの展望を期待させるに十分である。 結氷した然別湖を横断してのアプローチにもワクワクするが、 ちょうど氷上露天風呂で有名な「しかりべつ湖コタン」が開催されており何だか楽しい山行になりそうな気がする。 |
明日予定の然別山の取り付き道路を下見して駐車場の片隅にテントを設営した。 ホテル前の湖上では然別湖コタンが開かれていたが、 まだ時間が早く閑散とした様子である。 登山スタイルでずかずか立ち入るのも気が引けるので湖岸道路を歩いてから湖に降りたが、 氷が割れやしないかちょっとドキドキした。 雪煙を上げてつむじ風が通り過ぎ4月も近いというのに呆れる寒さだ、 だがこの風景も少し慣れてくると湯気の立つ湖にくちびる山が浮かんでるようで面白い。 やがて小さな鳥居の立つ「弁天島」が見え、 ちょっと寄ってみたかったが島の周囲は氷が薄いらしい。 さて目指すナイタイ山まで直線で2km弱、風が背中を押してありがたいが やけにのっぺりと見える山だった。 |
湖岸が近づくと青く神秘的な氷塊が盛り上がっている。 海でもないのにどうしてこうなってるのか不思議だが流氷が押し寄せるオホーツクの浜辺を思い出した。 湖は既に結構な標高で、ここから山頂まで500m程と思うとかなり気楽である。 急な取付きを登るとゆったり広い尾根の中は風が無くて幸い、 だが次第に尾根が狭まるにつれ潅木と大岩の出っ張りにげんなりする。 c1100mを越えると再び尾根が広くなってエゾマツ・トドマツの大きな樹林が目立つ開けた斜面に変わる。 樹林越しに見える平らな山頂がまだ結構遠くに感じられた。 |
山頂に到着したが天気のせいか木が混んでるせいか見事に展望のない山である。 開けた南方に一縷の望みを持ってたが黒々した山容を思えばこんなものかも知れない。 さて帰りのルートだが、あの煩い尾根の滑降は勘弁である。 雰囲気の良い上部の樹林帯から適当に左手の沢形を下ることにした。 適当ながら湖畔に出さえすれば如何にも戻れるという利点がある。 沢中は美味しい斜面こそなかったものの木が煩くないのが幸い、 すんなり湖上に戻ることができた。 展望と滑降はいま一つの山だが初ピークを踏め満足だった。 |
帰りは向かい風と言うこともありやたら長く感じたが、 シールを付けずスケーティングしたら結果的に往路より早かった。 別に急いだ訳じゃないが、コタンの氷上露天風呂に気持ちが引っ張られたのかも知れない。 それにしても下山後にまた別な楽しみがあるというのは何と贅沢なことか。 大小のイグルーが並んで中に何があるのか楽しみだった。 |
冷え切った体でイグルーに入ると暖かく感じられた。 中は思った以上に広く天然氷の透き通った柱や天上が素晴らしい。 動物の彫刻や、氷の窓に透かしが入ってなかなか芸が細かく、 カクテルバーやコンサートホールなどもあって結構なものである。 さて有名な氷上露天風呂へ寒さの中を小走りで急いだ。 近くのホテルからパイプを通して温泉が引かれ、溢れたお湯が再び戻される仕組みになっている。 いわゆる源泉掛け流しってやつだが無料なのが嬉しい。 掘っ立て小屋のような脱衣場が二つと露天が二つ設けられ、 女性専用時間帯以外は一応混浴ということになっていた。 「入ってぬるかったら出られなくなるんじゃないの?」 係りの人に聞こえたのか「丁度良い湯加減ですよ!どうぞ〜」と勧められる。 服を脱いで湯船に飛び込むまでが核心だったが、実に良いお湯で芯から暖まることができた。 ナイタイ山だけでも満足したが、こんなおまけが付くとは望外の喜び! きりたんぽ鍋食べて軽く宴会、明日の山に思いを馳せた。 |