木挽沢〜神威岳 (札幌市) 地図はこちら ■Home |
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家を出る前に雨脚が強くなったがどうせしょぼい渓だからと現地まで行くことにした。 待ち合わせ場所の情報館ではすっかり雨が上がり、儲けた気分で身支度する。 定山渓ダムの堰堤を過ぎてすぐ木挽大橋を渡った駐車場より出発した。 林道ゲートから直にでも沢に降りたかったがこの辺はまだダム湖の淵ではるか下方に青い水面が望まれた。 林道を歩きながら斜面の様子を伺い、傾斜が弱まったのを見計らってc390の沢床に下る。 その沢床を見て思わずニンマリ、何と既に滑が始まっていた。 |
思った通りの小さな渓だが両岸迫ってやや薄暗く、 磨かれた岩や摂理のような岩盤を見ると先々を期待せずに居られない。 すぐ3段6mに連なる小滝に気を良くし、ふと見上げると頭上に小さな橋が架かっていた。 いったい何に使われた橋だろうか?歴史的な遺物を見るようで興味が湧く。 続く3m(写真右)は釜を持った感じの良い滝だった。 狭い沢がクネクネとカーブし次に何が出てくるかワクワクする。 |
平坦な沢に樋状の小滝や段差のような滝が続き、滑の上を気持ちよく水が流れてゆく。 暫く雨ばかり続いてるのでこれでも普段よりかなり水量が多い筈だ、グッドタイミングである! 気掛かりだった流木や土砂も今のところ気にならないばかりか時折、小さな釜に魚影を見る。 c430で釜持ち4m-F1(写真右)、Fナンバーを充てるにはちょっと苦しいが水がさらさら流れ上品な感じの滝だった。 |
「おお!なかなか良っしょ!」 F1の上に緩やかな滑滝が続き、予想以上の渓相に思わず声が出る。 そして先を歩く二人も立ち止まって何か叫んでる。 c460・F2-6m斜滝(写真右)、いやはやこんな滝が出てくると無条件に嬉しくなる。 この滝も簡単だった。 この沢全体に言えるが岩にヌメリが無く快適に登り降り出来る。 まさに入門や沢初めの足慣らしにはぴったりな沢だと言える。 |
c470mで左から小さな支流が入り、その先にコルゲート管が埋められていた。 その上を林道が延びてるはずだが草木に覆われ沢中からはおよそ林道があることすら想像できない。 滑が断続的に続き、そしてc500で2段の滑滝F3・6m(写真左)、c520で釜付き2mの小滝と間髪入れずに小滝や滑が現れる。 樋状の中にある小滝越え(写真左)も楽しい、小粒ながらよくまあ次から次に出てくるものだと感心する。 |
c520で二条の滑滝(写真左)、c530で2段4mの滝、 ピリ辛なのが一つくらいあっても良さそうだがどれもこれも癒し系に徹している。 ところで神威岳の頂上部は岩壁を巡らせどこから見ても分かる特異な姿だが、 この山から流れる神威沢、百松沢、木挽き沢、何れも下流に岩盤が目立ち、 もしかしたら山全体が岩の塊なのかも知れない。 そんなこと考えながら緊張感のない遡行を続けるとc540から水路のような滑床(写真右)が続く、なんか色々出てくる。 |
c650二股から山頂を目指す。
すぐガラガラになりそうだったが水が意外にしつこく流れている。
けど流石に滝は終わったなと思ってたらc700で3段8mの斜滝F4がこの沢で最大だった。
流れはいよいよ僅かだがミニ滑床が延びて歩き易い、
最後は潅木掴みながら急な沢筋を詰め山頂直下の登山路に出た。
山頂は霧雨降って中から外からじめじめして落ち着かない。
下りは烏帽子岳とのコルから下降しc650二股で合流する。
コル付近の藪が少し鬱陶しく、一本手前の沢筋から下降した方が良かったかもしれない。
c600で沢から離れ林道に上がったがほとんど廃道化して道らしくなったのはc500付近からだった。
それでもピストンした方が登山路を下るより早いし、車も1台で済み効率的だと思う。
この沢の復活と林道の廃道化との相互関係は明らかだ。
林道は虫がちょっと煩く新緑と紅葉の時期に再訪したい沢である。
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