清風山〜三角山〜夕張屏風山 717m〜851m〜1261m (占冠村・夕張市・南富良野町) ■Home |
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屏風山は夕張山塊の最南端に位置し人の目に触れることのない奥深い山である。
その南にある清風山と三角山も共に夕張山地主稜線の山として外すことの出来ない存在だ。
何れの山もアプローチが長く日帰りでは一日一山が精々、そこで三角山にテントを上げていっぺんに足を延ばしてみることにした。
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占冠村静岡から薄曇りの三角山線林道を出発、ヘアピンの手前c420から作業道を辿ってペペシュル林道に合流する。
古いモービルのトレースを進むと後ろから来る単独者にビックリ、こんなマイナーな山で登山者に会うとは・・
屏風山を日帰りとのことで小さなザックを背負いスノーシューでパタパタと追い抜いて行った。
そしてc500の左股には地図にない林道が延びていた。
古いモービルの跡がずっと続き、左右の斜面や沢沿いに目的の分からぬスキーのトレースも散見される。
さてc600でSBを渡って三角山の東尾根に取り付くと植林の中に作業道が延びていた。
やがてc700から感じの良い広尾根となり三角山ピークに到着、漸く重荷から解放される。
木に囲まれ凡々とした頂だが穏やかなのがせめてもの救い、取り敢えずテントを設営して清風山を目指した。
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三角山から清風山までは4kmほどで稜線は鵡川と石狩川の分水嶺になっている。
軽く沈む新雪を踏んで緩やかな尾根を下ってゆくとシールを付けたままでは勿体無い斜面が続く。
いよいよ尾根が狭くなるc640でワカンに変え、急なポコを下った峠道に素っ気ない「道道終端」の看板が立っていた。
袋小路だった占冠から道央圏に抜ける道として計画されたものだが樹海ロードや高速道が開通して日の目を見ることはなさそうだ。
そして峠から一山もある大きな683ポコを経て漸く清風山に到着、時間切れを懸念していただけに嬉しさもひとしおである。
空が青みを見せ始め、木の間に遠く屏風山が顔を覗かせている。
三角山へは帰りの方が時間が掛かりテントに戻ってビールで乾杯、スペシャルカレーでお腹を満たす。
外に出ると満天の星空に冴え冴えとした三日月が輝いていた。
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翌朝3時半に起床、冷え込んで足元に置いた水がシャーベットになりかけていた。
ラーメンを食し、5時前に東の空が白み始めると快晴だと分かりほっとする。
昨日とは逆に北に向かって7km歩けば目指す屏風山で保障された天気にウキウキしながら出発する。
すぐ昨日のモービルの跡が合流、たぶん地図に無い林道がずっと延びていたのだろう。
十勝連峰がピンク色の空にシルエットになって美しく、やがて木の間からご来光が上がると雪面をオレンジ色に照らし始める。
尾根がくねくね分岐してうっかり騙されそうになるがモービルの跡も屏風山に向かっているようでお気楽モードである。
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南北に延びる夕張山地は三角山の先で瘤の様に湾曲し、白い1129と屏風山、夕張岳が並んで見える。
方や低くなる一方の三角山と清風山が見劣りするのは仕方のないことだ。
昨日のスノーシューの跡が926で合流、ポコを直登する歩みが延びていた。
次の986ポコを巻き1000mを越えると稜線上の木がスカスカして展望が開けてくる。
夕張岳の頭には小さな雲が掛かったままで金山に延びる尾根の途中に鉞の様な小夕張岳が存在を示していた。
そして尾根が幾重にも連なる先の芦別岳をズーム(写真)、白く迫力ある眺めに暫し足が止まった。
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【1129ポコからの眺め】屏風山手前の1129ポコは木が一本も無く遠くから
良く目立っていた。
帰りは巻くことにして展望が良さそうなのでちょっと寄ってみる。
平坦な頂からは遮る物が無い眺望が得られ、なだらかな屏風山(写真)とその裾に夕張山地特有とも言える小さな沼が見える。
夕張岳から芦別岳の山々が望まれ、更に十勝連峰、トマム山、狩振岳、北日高の山々の中に一際大きな幌尻岳が見えていたがすっかり雲に隠れてしまった。
モービルの跡はこのポコで引き返し目と鼻の先の屏風山には向かっていなかった。
見えているのが山頂ではないにせよもう楽勝って感じである。
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コルから屏風山の登りに入ると谷から吹き上げる風が強く、鼻先が凍傷になりそうだ。
登り詰めると南の肩で細長い頂稜の先に雲が取れスッキリした夕張岳が見えていた。
ピークらしき高みに向かって長さ数百m、両側が100m以上切れ落ちた雪庇の稜線を辿る。
すると最後に一段高くなった稜線はこれまで以上に狭く、そこからはノートレースの雪面を進んで山頂に到着した。
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続く稜線はまさに屏風の縁のようで日高山脈を彷彿させる景観である。 谷底の見えない斜面で記念写真を撮るのも落ち着かないが満足度はかなり高かった。 天気に恵まれたことに感謝しつつ山頂をあとにするとあっと言う間に雲に覆われ、山はやっぱり早立ちに限るなと実感する。 下る途中でブンブンという音とともにスノーモービルの一団がやってきた。 我々の姿を見てこんな山奥まで登ってくるのかと驚いていたが、国道からあのポコまで30分だと聞いてそれからの下りが一層長く感じられた。 |