余別川エコー沢〜余別岳〜幌内府川  1297m (積丹町)  ■Home
2014年7月19-21日 メンバー3名
7/19 曇り後晴れ 6:00札幌→9:00林道ゲート→13:20エコー沢出合い→16:05C1・440m
7/20 晴れ 6:10C1→11:35南ノ肩→(12:55-13:10)余別岳→15:45C2・765m
7/21 晴れ 6:15C2→11:40幌内府橋・165m→12:20林道車デポ

余別川から珊内岳への各支流は49点沢・51点沢・56点沢・122点沢とかなり味気ない名前なのに対し、 余別岳山頂に詰めるエコー沢は何と心地良い響きであろうか。 本流より規模は小さいながら非常に快適とのことで遡行意欲をそそるが 詰めの藪漕ぎを想像するとちょっと及び腰になる沢である。
                    

  
          
幌内府に1台デポし余別林道のゲートで身支度してると何処で見張っていたのか早々監視員が飛んでくる。 ザックの中身までチェックされないがゲートから延びる踏み跡には禁漁の看板が時折り目に留まって心苦しい。 さて本流は122点沢まで遡ったことがあり途中の深い函など記憶が蘇ってくる。 左岸のアブミは残骸になって垂れ下がり、これにぶら下がって着水する。 そして56点沢出合過ぎの大きな滝釜には尺を超える奴が悠然と泳いでいた。

                    

  
          
余別川の下部はゴーロが長く、ダラダラ4時間以上歩いて漸くエコー沢の出合となる。 初日はこの出合いに泊まる予定だったがまだ時間が早く先に進むことにした。 すぐに渓相が一変しゴルジュ地形の中に滝と釜が次々に現れる。 その中にバスタブが三つ重なった面白い釜が目を引き、 Hさんがこれがメガネ釜じゃないかと言う。 もうちょっとスケールの大きな物を想像してたがちょっと小振だ。 去年遡行した下北の「うぐい滝川」にも似た感じの釜があったのを思い出した。

                    

  
          
登れど登れど釜と滝のオンパレードだ!しかも窮するほど困難なものはなく大方直登して行ける。 しかし泳ぎは必須でへつるかどうするか迷ってるより飛び込んだ方が手っ取り早い。 この日は曇り時々雨の予報だったがゴルジュの中まで日が届いて天気が味方してくれたようだ。 明日からも好天が約束されテンション上がる。

                    

  
          
滝は幾つ出てきたか覚えてないがFナンバーは両手両足で足りず、釜も同じ数だけある。 今回は軽い65Lのザックを持ってきたが、 水に浸かるたびH2Oって書いた穴から浸水してザックの底がパンパンになる。 使わぬザイルまで濡れ、まるでバケツを背負ってるかのように重く、水抜きの必要性を痛感させられた。

                    

  
          
それにしても二人とも相当タフである。 小柄なMさんは淡々としてペースを落とさず、Hさんもまだまだ体力が余ってそうだ。 自分は早くテン場を探して腰を下したいが適当な場所が無く、 とうとう4段釜を過ぎて核心を抜けてしまったらしい。 どうにか440mの二股付近に小さなスペースを見付け、まずは流木集めに奔走する。 タープを張れるスペースもないのでゴロ寝することにした。 春雨丼を食し、日が落ちるとようやくブヨがいなくなってあずましくなる。 焚火を前にHさんがとつとつと山の想いを語っていたが他の二人は早々とシェラフカバーに包った。

                    

  
          
目が覚めると谷間に青い空が見える。 やったー、今日も天気だ。 残り火で火を起こしたら、虫が出る前にさっさと濡れた服に着替えねばならない。 この一瞬がとても厭だが意外に冷たくなかった。 さて昨日の内に核心を抜けて良かったと思ったが初っ端からゴルジュに浸かる。 やがて空が開け、沢筋が細くなってくると水が冷たくなって雪渓の予感・・・、 水は920mの二股で早々に涸れ、1.5L汲む。

                    

  
          
紛らわしい分岐が二つほどあったが明瞭な涸れ沢を詰めると背後に珊内岳と赤石山、間にガニマナコが見えていた。 このまますっきりした沢筋が続いて欲しかったが1100mで雪渓を超えると、笹藪に続いて早くもハイマツが出てきた。 尾根は一面のハイマツに覆われうんざりする先に山頂が見えている。 ここのは知床並に太くてまさに核心だ、先頭のヘルメットが見え隠れする空中戦に疲弊する。

                    

  
          
南ノ肩からは東斜面の笹をトラバースして雪渓の残る草地に抜ける。 そこはエゾカンゾウ、チングルマ、アオノツガザクラなどの花畑が広がる別天地だった。 前と後に積丹岳とポンネアンチシ山を望み、ザックの上にどっかり腰を下ろして暫し休憩する。 草地に続く獣道にデカいクマの糞、割と新しい。

                    

  
          
余別岳の山頂は夏冬合わせて4度目だ、一等三角点からの眺めは格別で半島を囲む三方に海が望まれる。 隣の積丹岳まで刈り分けが延びてたら楽に下山できるのに・・ここは近くて遠い山、ピークを踏むのは容易でない。


          


余別岳山頂から南西を望む。 南ノ肩の向こうに赤石山と屏風山が重なり、隣のポコがガニマナコ、そして割と形良い珊内岳が中央に座る。 そして鉞山の尖がりが一際目を引き、大天狗山が良い感じで存在を示していた。
         
                    

  
          
幌内府川の源頭はカンバとハイマツのミックスだが先程よりは随分楽だ。 涸れ沢は1000mで水が出始め、そこから赤っぽい岩盤の滑滝がちょこまか出てくる。 滝はエコー沢より大きく、2度ザイル出す。 この沢は二度目だがこんなに滝と滑があったかと思うほど新鮮に思えた。 もしかしたら今日中に下山できるのでは?と期待したが765m付近を寝床とし、カレー作って今夜も星の下でゴロ寝する。 風が吹き抜け朝方は寒くて体を縮こませた。

                    

  
          
滝場で何度か水に浸かるが気温が高くて幸いだ、巨岩の滝は倒木が掛かって登り易そうだった。 滑る岩に疲弊しながら幌内府橋を見てほっとする。 ここから林道に出て草刈された道を40分ほど下ってデポした車に戻った。 近所のおじさんが3日間も車が置きっぱなしだったので心配していたが、駐在に計画書を置いてくべきだったと反省する。 帰りに気になってた温泉マーク「シララ姫の湯」でさっぱりする。 源泉掛け流しと珍しい炭酸泉が疲れ切った体に気持ち良かった。





          










































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