部屋の壁に「H12年5月に遭難して行方不明の単独男性のお尋ね」と
「国土地理院の刈り払い道は正規な登山道ではないので立入らないように」との貼り紙があった。
自分は初めからその道を当てして来たので少々後ろめたいがこんなチャンスを前にみすみす帰る訳には行かない。
翌日は朝から青空が広がり6時前に東京から来た初老の男性が一番手で登って行った。
夜中に雨でも降ったのか登山道が良く滑り特に6合目から泥んこ道で靴やズボンの裾がドロだらけになった。
ピリカ台辺りで予想もしないガスとなり残念ながらそれ以後、青空を見ることがなかった。
早くも先の男性が下りてきて「単調で変化のない山ですね・・・」の言葉を残して下って行ったがこのガスでは弁解の余地がない。
途中休憩を含んで2時間55分ゆっくり歩きにピッタリのペースで山頂に到着する。
子供等に積丹の青い海を見せられず残念である。
なぜか交通安全の観音様に手を合わせ3人を先に下山させ一人でガスの余別岳に向かった。
山頂から踏み後を辿ってガレ場を下ると案の定刈り分け道が現れ、慎重に歩けば迷わず余別岳まで行けると確信できた。
道は大きな岩塔の左斜面をトラバースするが足元はまるで簾の上を歩くような状態で良く滑る。
1173ポコ付近は岩と潅木が多く切り株にしがみ付くなどして上り下りした。