余別岳 1297.8m ( 道央山地) 地図はこちら  ■Home
2003年8月中旬  晴後曇り  婦美コ−ス  登り4.55 下り3.25  総時間8.20 積丹-余別(累積標高差501m・片距離2.3km)
登山口(6.30)→積丹岳(9.25-9.45)→1173mポコ(10.05)→最低コル(10.30)→余別岳(11.25-11.35)→積丹岳(13.10-13.25)→登山口(15.00)

山を登ると今度はその山から見える山が気になってどうしようもない。 余別岳への思いが天に通じたのか2002年の夏に国土地理院の現地調査で刈り払い道が出来たとの情報を得て、 ついに積丹半島の最高峰に立つことができた。 前日の午後に札幌を出たらお盆休みと海水浴の車で国道は大渋滞だった。 事前に小屋の使用願いで役場に電話すると 「町中は観光客の車でごった返してるから小屋も人で一杯かもしれないよ?」と奇妙な返事が帰ってきた。 だが実際に着いてみると我々家族だけでひっそりしていた。 積まれたマットから大きな閻魔コオロギが飛び出すなどワイルドな雰囲気である。

1173ポコから積丹岳(岩塔)を振り返る      最低コルから少し先にあるオアシス       平坦な山頂、測量調査の残骸だけが残っていた

部屋の壁に「H12年5月に遭難して行方不明の単独男性のお尋ね」と 「国土地理院の刈り払い道は正規な登山道ではないので立入らないように」との貼り紙があった。 自分は初めからその道を当てして来たので少々後ろめたいがこんなチャンスを前にみすみす帰る訳には行かない。 翌日は朝から青空が広がり6時前に東京から来た初老の男性が一番手で登って行った。 夜中に雨でも降ったのか登山道が良く滑り特に6合目から泥んこ道で靴やズボンの裾がドロだらけになった。 ピリカ台辺りで予想もしないガスとなり残念ながらそれ以後、青空を見ることがなかった。 早くも先の男性が下りてきて「単調で変化のない山ですね・・・」の言葉を残して下って行ったがこのガスでは弁解の余地がない。 途中休憩を含んで2時間55分ゆっくり歩きにピッタリのペースで山頂に到着する。 子供等に積丹の青い海を見せられず残念である。 なぜか交通安全の観音様に手を合わせ3人を先に下山させ一人でガスの余別岳に向かった。 山頂から踏み後を辿ってガレ場を下ると案の定刈り分け道が現れ、慎重に歩けば迷わず余別岳まで行けると確信できた。 道は大きな岩塔の左斜面をトラバースするが足元はまるで簾の上を歩くような状態で良く滑る。 1173ポコ付近は岩と潅木が多く切り株にしがみ付くなどして上り下りした。
    
  「岬の湯しゃこたん」から積丹岳と余別岳

最高級の竹の子が採れるであろうネマガリ廊下は切株が30cmほど伸び、これに足を取られて非常に歩き難い。 刈り分けを辿れるのもあと1-2年かと思われる。 最低コルから少し行くとエゾカンゾウが咲く草原となり、新しい熊の落し物があった。 コルから山頂までは急斜面に散乱する笹の枝で良く滑り、最後の急登を経て平坦な山頂に至った。 生憎ガスで見通しが効かず残念!けれどめったに立てぬ頂を踏めて満足だった。 休憩小屋に2時間半遅れで合流し「岬の湯しゃこたん」へ寄った。 山には雲が掛かっていたが帰りにはすっきり積丹岳と余別岳の稜線が望まれた。


















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