大沢西面直登沢〜安瀬山 ヤソスケヤマ 654m (石狩市厚田)   地図はこちら  ■Home
  2010年11月下旬 曇り メンバー3名
  6:40山道入口→7:00大沢出合→(9:45-9:55)山頂→12:10日本海→12:30山道入口

厚田から国道231号を北に向うと安瀬(やそすけ)という小さな集落がある。 「やそすけ」とはアイヌ語で(陸の崩れた所/網を仕掛ける所)の意味で断崖が迫る土地に数軒の家が点在している。 かつてここから山を越え濃昼(ごきびる)に至る山道が通じ、ニシンの出稼ぎ等で往来する人々の姿が想像される。 安瀬山はその集落の奥に佇む一等三角点の山で登る人はめったにいない。 冬を前に登山は中途半端な時期を迎え、展望を楽しみに登ってみることにした。

濃昼山道と大沢との出合い、古道は対岸に続く    薄っすら雪景色の沢登りもおつなものである     雲が広がり山頂からは海が見えるのみだった

滝の沢トンネルの数百m手前にある滝の沢橋の袂に停車すると「濃昼山道」の標識が立っていた。 ルートは山道を辿って大沢を詰め、下りは同じ沢から海に出る予定である。 参考にした「あまいものこ」のHPではトンネルの窓から出発し、帰りは山道を下るというユニークなものだが、 大沢の下流が函状とのことでドボンするなら帰りの方が良かろうとその逆を行くことにした。 取り敢えず先にトンネルの窓を見てこようと車で突っ走ったが分からないまま通り過ぎ、 太島内、赤岩の各トンネルを抜け濃昼側の山道口でUターン、帰りに半身ほどの窓があるのが確認できた。 それにしても山道を歩けば一日掛りだったものが今は国道をたったの5分と驚異的な短縮である。 さて初めての濃昼山道にわくわくしながら出発すると呆気なく大沢との出合いだった。 いにしえの山道に後ろ髪を引かれる思いで別れ、沢沿いに旧道(ブッシュ)を分けると古い茶碗やビンのかけらが落ちていた。 ヤン衆の飯場だったにしては山奥すぎるし何の跡だったか気になる。 旧道はブッシュに覆われ道の痕跡すらないが案内板に依るとルベシベ峠△564mから濃昼へ至る昔の山越えの道で先人の苦労が偲ばれた。 沢沿いには鹿道が延びているがなかなか標高が上がらない。 ちょこまか出てくる滝は巻くが400m左股に掛かる6mを直登しようとしたら凍って気を遣った。 辺りは徐々に冬景色に変わり岩が凍りついて足元が滑る。 そして水が涸れると同時に残り100mの軽い藪漕ぎが始まった。 笹に載った雪でヤッケが濡れ、悴む手を我慢しつつ山頂に到着する。 新雪を被った一等三角点はすぐに見付かったが雲が広がって折角の展望は今一つ、見えるのは鉛色の海だけだった。


 へつりや飛び移りは長靴ならではの面白さが加わる  この窓からトンネルに入る。最後まで愉快な山だった   沢の遡行で海岸に出たのは初めてのような気がする

さて下降を続け濃昼山道を過ぎるとすぐ函の入口が見えてくる。 ちょっとドキドキしながら函を下るとすぐにへつりが待っていた。 落ちたら結構な深みにこの時期ならではの緊張感を伴うが幸せ一杯のホールドで楽しい。 結局この函は200mあまりくねくね続き、長靴にはきわどく今日一番の核心だった。 河口が近づくといきなりトンネルが沢を塞ぎ流水溝をくぐって海に飛び出す。 広々とした日本海を見て何故かほっとした気分になる。 数m上のトンネルには釣り人のものと思われるロープや梯子があって至れり付くせり。 いにしえの山道に始まり、函のへつりで終わるちょっと冒険心のくすぐられる山だった。

<2012年の 濃昼山道 はこちら>


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