ウシャップはアイヌ語の「互いに・流れ出る」という意味で日高町は以前、右左府村と呼ばれていた。
普段は銀嶺山に隠れて目立たぬ山だが千栄から市街地に向かうたびコウモリが翼を広げたような姿を見せ気になっていた。
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netでは「地図がガイド」チームの貴重な一件が出るだけであまり登る人はいないようだ。
写真は穂高トンネル付近からのものでこちらからは凡々とした山容である。
さて早出して日高町に着いたが雨が止まず30分ほど時間を潰して出発する。
林道のゲートが開いてラッキーだった。
たぶん鹿打ちだろうが水の沢林道の分岐からはタイヤの跡が消えてほっとする。
3.5km程で車を止め、歩いて土場に着くとそこから植林道が標高700mまで延びていた。
いよいよ背丈程の笹に覆われるが200mも漕げば稜線だと頬が緩む。
蔦にブータレながら1時間のアルバイトで抜けた稜線は膝程の笹で淡々とピークを踏んだ。
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木の少ない頂きから大展望を期待したが生憎の天気である。
徐々にガスが上がっているものの風が無くすぐには晴れそうもない。
だが濡れた体には幸いで小腹を満たし、雲の中に山並みを想像する。
さて葉が落ちた枝越に見える南峰はすぐそこって感じだが向かうと次第に稜線が狭くなる。
中間の岩ポコを巻いてやっとこさ南峰に到着、枝にピンテを結んだ。
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若干木が遮るがなかなか展望良さげな山で本峰(写真中)が良く見える。
南西にハッタオマナイ岳〜宿弗山〜振内山の山並み、そして南東のなだらかな糠平山(写真右)の上に薄っすら日高の山々が見え出す。
大きな幌尻岳と端正なチロロ岳を同定するのがやっとだが展望を確かめに再訪する価値はありそうだ。
結局ザイルを出すこともなく、笹尾根から植林道に合流して思いのほか早く下山することができた。
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