有珠山はロープウエイで展望台に上がるだけの山と思っていたが外輪まで登山道がある他、最高点に登っている記録を見掛けたので行ってみる。
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伊達の国道から有珠山を望む、山頂部に幾つかあるピークもここからは溶岩ドームで一括りという感じだ。
それはさておき風が強くて気になる。
キノコの案内板から落ち葉を踏みしめ散策路を登ってゆく。
やがて中腹で作業道が横切り、これを左に辿ると下に有珠の町と太平洋が広がる。
海の向こうには駒ケ岳が対峙して噴火湾とはよく言ったもの、どちらも過去に何度も大噴火を繰り返した活火山である。
道脇に秋の小さな花、そして道路の真ん中にデカイ熊の糞が転がっていた。
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作業道は外輪の裾を回り込み赤茶けた風景の中に入って行く。
周囲にはダンプカー程の巨岩がゴロゴロして噴火の脅威を目の当たりする。
やがて奥に片面が崖になった有珠新山(写真左)が見えてくる。
その向かいの・539の小山(写真右)は斜面から噴煙が上り、今にも上から岩が転がってきそうだ。
さて取付く有珠新山の北尾根は灌木と涸れたイタドリに覆われてほっとする。
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北尾根の上部は草付きの藪で淡々と標高を上げる。
振り返ると洞爺湖と太平洋を隔てる半島のような洞爺の地形が新鮮である。
先程の・539の裏に西山、遠く昆布岳、ニセコ連山、羊蹄山と実に良い眺めが広がっていた。
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有珠新山のピークに到着、杭の傍に三角点が隠れ、何やら計器みたいな物も埋まっていた。
広い草地の左端に漸く最高峰の大有珠と正面奥にオガリ山が見えるがかなりイメージとかけ離れた風景である。
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方や眼下に広大な火口と太平洋が広がり、海沿いに散らばる有珠と伊達の市街地を眺めながら進む。
崖淵は脆く少し離れた位置に鹿道らしきも延びていた。
下から急に見えた溶岩ドームの壁も場所によってはなだらかで案外向こうに見える外輪壁もこんな感じかも知れない。
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オガリ山のピークには赤い杭しか無かったが銀沼火口が真下に、また外輪の上に展望台らしき建物が見えていた。
先程の有珠新山の頂も後ろにピョンと尖って良い眺めである。
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そして脆そうな岩塔群と岩屑が重なる大有珠に到着、計器の先から一番高そうな大岩に踏み跡が延びている。
大岩に山頂標識などあろう筈もなかったが何かの金属が埋まっていてここが有珠山のピークみたいだ。
岩の間に昭和新山が見え、眼前には洞爺湖と小さな中島が浮かんでいる。
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山頂はもっと荒涼とした雰囲気かと思ったが洞爺湖と温泉街が目に入るせいかあまり寂しさを感じない。
風がそれ程でもなく雲が目立つが洞爺湖の周囲に徳舜瞥山、ホロホロ山、オロフレ山、羊蹄山、尻別岳などまずまずの眺望を得る。
下りは有珠新山をトラバースして作業道に復帰、ここは特殊な山故に賢者は立ち入らない方が無難かと思う。
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