ウペペサンケ山 1834m 糠平川冬尾根ルート 山スキー (上士幌町・鹿追町) 地図はこちら  ■Home
  2011年3月上旬 晴後曇り メンバー5名
  3/5 7:00糠平川林道浄水場→9:20林道920m橋→12:20・1460mC1
  3/6 5:30C1→5:55陵線1595m→(8:35-9:05)ウペペサンケ山山頂→10:30林道920m橋→11:55糠平川林道浄水場

週末は道北の山を計画したが二日続けて雪マークでは登れないだろうと比較的晴れそうなウペペサンケ山を目指した。 ちなみにウペペ/サンケとはアイヌ語で春の雪解け水が増し/流れ下るの意味で北海道らしい山の名前である。 同じ東大雪のニペソツ山や石狩岳に比べるとやや控えめだが長い台形状の山容は遠くからでも容易に言い当てることができる。 冬はメトセップ川林道か糠平川林道の何れかを辿り1595JPの北東尾根を登るのが一般的である。 林道の距離や登り返しを考えると一長一短で選択に迷うところだがまあ行って見るしかなさそうだ、 厳冬期の登頂とニペを始め東大雪の白いパノラマを見るのが楽しみである!

向こうの屏風山を目指して糠平川林道を出発する   樹林に囲まれた1181コルはとても雰囲気が良かった   これより冬尾根に取り付きぐんぐん高度を上げる
 3/5土(晴れ時々曇り) 前夜、十勝三股でC0するもあまりに寒く寝袋にちじこまったまま朝を迎える。 すごい快晴だが冷え込んで傍に置いたペットボトルの水が凍りかけていた。 オッパイ山に見送られ糠平川浄水場へ移動し身支度を始める。 Koさんがロング缶を一本追加するかしないか随分迷った挙句ザックに詰め込んだ。 長い道のりを前に同じ飲兵衛として気持ちが良く分かる。 出発して早々林道の先に双子のような屏風山1291mが顔を覗かせるがあの先まで歩かねばならないと思うと気が重い。 糠平川沿いにくねくねトレースを延ばし屏風山を真横に過ぎる頃、ようやく夏道登山道入口に続いて920mの橋を越える。 かなり早いペースだったが1時間半で林道から開放された。 一休みしながら取付く小尾根を探ると緩やかな造林道らしきものがありラッキーである。 新人のSi君が張り切って先頭に立つがすぐに木の混んだ急斜面となりどこを登ったらよいか苦慮していた。 下りはここを通りたくないねと話しながら程なく鬱陶しい小尾根を抜ける。 1181コルが近づくと一転して雰囲気のある樹林帯となりいよいよ北東尾根に取付いた。 気持ちの良い混合林を登って行くといつの間にか後ろの屏風山が小さくなり白い糠平湖が見え出す。 やがてクマネシリ山塊、遠く阿寒の山々、そして東大雪の陵線が望まれすこぶる開放的である。 更に標高を稼いで右から主尾根が合流すると真っ白なウペペの山頂が目に飛び込んできた。 おーでかい!思わず登行意欲がそそられた。

展望が開けると真っ白なウペペの山頂が顔を見せた  1450mのテンバは開放的で抜群のローケーションである  翌日は御来光を期待して早出するが怪しい空模様だ
1450mを過ぎると斜度が緩みあちこちに良いテン場が目に付く、 その中でクマネシリ山塊を望む絶好のローケーションにザックを下ろした。 Koさんのザックからテントを取り出すと何だか酒臭い? 何と最後に迷ったあの缶ビールが破れてしまったとは口惜しがることしきりだった。 そして下戸のメンバーがこのテントに入ったら酔っ払うんじゃないかと真顔で心配していた。 風除けブロックを積むと手持ち無沙汰になり日の高い内から乾杯する。 米を焚き食事を済ませ酒が切れたら明日に備えて早寝するしかないが18時半には全員寝てたとは驚きだった。

 3/6日(曇) 夜中は風が唸っていたが3時半のベルまで9時間あまり快眠を貪った。 よくもまあこんなに寝れるもんだと言いながらみんなすっきり感で一杯だ。 気温は-10度それほど寒くないが小雪が舞い20cmほど新雪が積もっていた。 まだ暗い中を御来光を期待しヘッ電を点け出発する。 陵上の手前で少し薄明るくなりそして1595JPに出た途端、対面から強風とガスのご挨拶だった。 デポ旗を打って下降の目印としガリガリデコボコに凍り付いた稜上をスキーのまま辿る。 陵線は割と広いが東側に雪庇が続き時折ブリザードに見舞われ氷の粒が頬を撫でる。 そして1700mでシーデポして風に振られながらウペペサンケ山頂1834mに到着した。

強風とガスに歓迎される、時々ブリザードが見舞う   めでたく山頂到着、何にも見えないのですぐ引返す   帰りはテンバより沢形を滑降、意外に良かった
視界は50mを切りニペソツなんぞ見える筈もない。 最高点までの予定だったがこんな風と寒さじゃ即刻引返すに限る。 帰りは風に押され少し歩き易い、単調な陵線に思えたが1-2箇所方向が定まらずまめにデポ旗を打つべきだった。 1595JPからテンバまで新雪が良く滑ったが時々吹き溜まりに突っ込み難儀する。 テンバからは登った尾根を戻らず、すぐ右にあるよさげな沢形を滑降した。 これが1400mから中腹まで疎林で雪も良く儲けものだった。 下は流石に雪が重くなってとうとう沢が開け、2-3ケ所徒渉して林道に飛び出した。 山頂は生憎の天気だったが厳冬期に登頂できた喜びと望外の沢斜面に気を良くし満足する山行だった。 糠平温泉で一番古い元祖湯本館(源泉かけ流し)の露天はなかなかお勧め、豚丼食べ家路に付きました。


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