うぐい滝川〜遡行 (下北半島・むつ市)  地図はこちら   ■Home
2013年9月22日 晴れ 大畑川支流うぐい滝川中流部〜林道下山 メンバー5名
5:55朝比奈大橋(三つ目の橋)入渓→7:05四つ目の橋下→9:45c310分岐・100m滝→10:30五つ目の橋→林道→12:00朝比奈大橋

秋分の日の三連休は青森の沢遠征を計画した。 昨日は南八甲田の「逆川〜バッカイ沢」を楽しみ、今日は下北の「うぐい滝川」を遡行、 明日は恐山の近く「大尽山」に登る予定である。 「うぐい滝川」は下北半島中央部の朝比奈岳(あさひなだけ)874mから薬研温泉(やげんおんせん)に流れる川で、 去年の函館@坂口さんの報告で初めて知った沢である。 短い区間に滝が詰まる沢とのことで楽しみだ、早出して午後からは恐山にも寄ってみたいと思っている。


                    

  

朝風呂浴びて身支度し、宿から林道奥の朝比奈大橋まで15分と近かった。 事前情報のお陰ですんなり事が運んでありがたい。 さてこの山は全体が岩の塊なのか至る所で岩盤の露出が見られ、 歩き出してすぐ水で磨かれた両岸と薄茶の滑床が現れる。 そして初っ端コバルトブルーのプールがあり、 くの字に曲がる先で2段5mの樋滝F1が水を勢い良く噴流していた。 ホールドの乏しい水流の際をへつりで突破するが落ちたら白濁する釜に流されると思うと身が竦む。 滝上に出て一息付きながら「朝一番にする仕事じゃないね・・・」と苦笑いした。

         
                    

  

すぐ同じようなへつりの釜滝(写真左)が続いた後に6mの滝F3(写真右)に倒木が掛かる。 滑る苔に難儀し、細かなホールドを拾いながら木を使って這い上がる。 滝上に出るとビックリした赤蛙がつるつるした岩を攀じ登って逃げようとする最中で、 何度もずり落ちては登り返す姿に感銘と勇気を貰った。

         
                    

  

すぐ上に4mの滝F4があり、滝上には水を満々と堪える釜に倒木が横たわっていた。 その釜の縁は水を包み込む様に薄く削られ天然の造形に驚くばかりである。 そこから滑床が続いてふと見上げると4つ目の橋下を通過、滑は暫く続いた。 沢幅が狭まって深い淵の先に4mの滝F5(写真左)が掛かる。 その上には3つ-4つ小滝が連続して見事な景観に言葉を失った。 釜や淵は足棚を探りながら進むが時々きわどいへつりを強いられ、まだ続くの?って感じになってくる。 そして巨岩を縫うように5mの滝F6(写真右)を越えると沢が開け漸く一息付く。

         
                    

  

幅広の滑が続いて穏やかな渓相に戻ると、漸く沢中に日が届いてホッとする。 滑床をサラサラ水が流れ、木漏れ日が新緑の様で美しい。 川幅一杯に広がる小滝を2つ越え、続く6mの滝F7(写真右)の登りは意外にピリ辛だった。

         
                    

  

美しく流れる2段8mの滝F8(写真左)は中段の大きな釜が印象的である。 更にその上に連続する4m+4m+2m+4mの見事な釜滝F9(写真右)に思わず声を上げた。 そして極めつけはブナの倒木に大量のムキタケを発見、肉厚で美味そう! 今晩の一品とおみやげ用に二袋ゲットした。

         
          

    
(写真F10)
c310mの右俣には標高差100mに及ぶ滝群(F10-F13)が連なり圧巻だった。 ホールド豊かな斜滝50mF10を登ってゆくと、 途中、右から50mはありそうなくねくねした滝が合流して食指をそそる。 ここは気持ちをぶらさず登り切って終了かと思ったらまだ全体の半分だった。


         
          

    
(写真F11)
流れは左に屈曲し、F10との間に倒木を挟んで30mの大滝F11が待ち構える。 こんなのが出てくるとは思ってもいなかっただけに否応なくテンションが高まってくる。 上段のスラブは傾斜が強い上にホールドも乏しくこの沢一番の核心だった。


         


                    

  

F11の中盤からは成り行きで水流の右と左に分かれて登り始めたが、 自分の登った左の方(写真左)がのっぺりして難しかったようである。 傾斜のきつい上部はザイルを出して登り切ると、既に右から登った二人が余裕で待っていた。 (写真右)は滝口近くだが全般に右の方が水に洗われて滑らなかったらしい。


         
                    

  

続く6mの釜滝F12(写真左)はスタンス乏しく騙し騙し水流左を直登、 5mの樋滝F13は水圧に怖気づき右壁から越える。 そしてすぐ上の8m滑滝F14を登ると5本目の橋が見えこれにて終了とする。 林道を下る途中から登った100mの連滝(写真右)が垣間見え、この二日間の遡行に大満足しながら下山した。


         
                    

  

薬研温泉からくねくねした道を20分で恐山に到着する。 入山受付所の隣で「霊山アイス」を食べ立派な山門を潜る。 恐山は昔「飢餓海峡」で見たどろどろしたイメージに程遠く、明るく開放的なお寺だった。 日本三大霊場に数えられるだけあって多くの参拝者や観光客が訪れているが皆物静かである。 ただ霊場を巡ってもイタコが居るどころか、極楽浜という美しい岸辺にカップルがいたりして 日常的と言うかちょっと寂しい気がした。


         
                    

  

恐山温泉は入山料500円を払えば自由に入ることができる。 どれも同じだと思うが、 今回入った「薬師の湯」は小屋の中に脱衣場と湯船があるだけの質素なものだった。 結構熱めの硫黄泉だが地獄巡りした後で鼻がバカになってるせいか殆ど匂いがしなかった。 あの世とこの世を隔てる三途の川に架かる太鼓橋を渡る。 罪人にはここが針の山に見えて渡ることが出来ないという。 本チャンならここで地獄か極楽かの引導を渡されるそうだが 閻魔大王が来ない内に戻る事にした。


         
          
宇曽利湖の向こうに明日登る大尽山が端正な姿を見せている。 地獄巡り、湯浴み、三途の川、 恐山参詣で悪いものが落ちたのか、 心なしか身も心も清らかになった気がする。 そのせいか宿に持ち込んだムキタケが月夜茸だったと判明、危ないところだった。 恐山にお参りすると即効でご利益があると云うのは本当らしい・・・

<昨日の 逆川〜バッカイ沢遡行 はこちら>

<翌日の 大尽山 はこちら>


         
































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