登山口の小屋に散々お世話になりながら肝心の剣山にはまだ登ったことがなかった。
今回は剣山神社にお賽銭を上げちゃんと参拝してから登ってみようと思う。
山小屋はいつ行っても綺麗で普段は信者の方々がお世話しているようだ。
霊感の強い人にはお勧めできないとの話も聞くが電気とストーブがあってありがたい。
先客にお許しを頂きその夜は七輪を持ち込んで大いに盛り上がった。
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4月の剣山・エエンネエンヌプリ和語で「鋸の歯」 「三の森」の岸壁から身を乗り出す、おー怖えっ! 狭い頂だと聞いていたが岩塔とは思わなかった
日の上がる前にガヤガヤと先客が出発して行った。
出発までもう一眠りして剣山神社に参拝させてもらった。
天気が良く神社の脇から緩やかな登山道を登っていくと道脇にお地蔵さんが置かれている。
視界の遮られた道をみんな押し黙ったまま歩いて何か変な感じだ。
足元にはタチツボスミレ、オオサクラソウ、エゾイチゲ、フチゲオオバキスミレと順に小さな花が迎えてくれた。
昨日の酒が汗になって流れ、漸く調子が出ると「一の森」に到着である。
ここは尾根上のピーク906でお隣の久山岳や伏美岳が望まれ下には雲海が広がっていた。
「蛙岩」「二の森」と過ぎ、大きな一枚岩の基部を通ると日陰でヒンヤリ気持ちが良い。
その辺から急に路が荒れ、急坂を登り切ると見晴らしの良い「三の森」だった。
ここは数十mはあろう絶壁の上で、腹這いになって下を覗き込むのが精一杯である。
目と鼻の先に見える山頂はクライミングの岩場だけあって想像以上の岩搭だった。
大人一人が漸く潜り抜けそうな「母の胎内」を這い出るといよいよ最後の急登である。
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中は暗くて体が挟まりそうな感じがする 最後の梯子を上って狭い山頂にポンと出る 見事な北日高の大パノラマが広がっていた!
鎖場と梯子が用意され北海道の山には珍しい風景だが無ければ登るのは大変だ。
ぐらぐら動く梯子から足元を見ればスカスカして思わず手に力が入る。
最後の梯子を上ると山頂でこの人数では落ち着いて座る場所も無いほどだった。
岩の先には剣が埋め込まれ大正時代に四国の剣岳より分霊したものである。
立ち上がると結構な高度感で記念のポーズもつい顔が強張ってしまう。
振り返れば残雪の北日高の展望が素晴らしかった。
つい二週前に縦走した芽室岳から伏美岳が意外に近く、貧雪の稜線を辿った苦労が思い出される。
エサオマン北東カールが真正面に、また札内岳や勝幌など思い出一杯の山々が並ぶ。
十勝の大平原は雲海に隠れこれまた乙な眺めだった。
北日高を展望する山として伏美岳が有名だが眺望においては甲乙付け難く、
焼肉に惹かれて参加したとは山に失礼な話だったと反省する。
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