豊似岳〜観音岳〜猿留山道 (えりも町)  地図はこちら  ■Home
2013年10月19日 晴れ メンバー3名 周回コース 約25km 
4:35追分峠→7:10二枚岳970m→7:25三枚岳1012m→(7:55-8:10)P1088→(8:55-9:15)豊似岳→(11:20-11:50)観音岳→12:40猿留山道→16:00追分峠

豊似岳は日高山脈南端に位置する一等三角点の山、三方を海に囲まれ山頂から素晴らしい眺望を期待させる。 山名はアイヌ語の(ト・オ・イ・ヌプリ 食土のある所の山/沼のある所の山)の意、 また隣の一枚岳〜三枚岳は庶野から見ると山が三枚に重なってるのが由来である。 共に嬉しい初ピーク!しかも道内最古の猿留山道を辿る周回コースでとても楽しみである。


                    

  
         

金曜夜、札幌から3時間半でえりも町に到着、1時間ほど安着祝いする。 翌日4時半、追分峠のゲートを出発、月明かりに照らされた牧場を歩いて数km先の登山口に向う。 役場から鍵を借れば車で入れるそうだが、行きは兎も角、帰りを思うとあまりに広い牧場である。 さて登り出して暫くすると西の海に満月が沈み、東の海の向こうが赤く染まってくる。 ちょっとした天体ショーを見てる様でワクワクする。

          
         
                    

  
         

そして御来光が昇る。オキシマップ山を始め周りの山々が徐々に黄金色に輝き、 しっぽの様なえりも岬がピンク色に染まって見事である。 ジグザグの登山路を真っ直ぐ登って陵線に出ると古い電柱と発電機らしき残骸があった。 ここは米軍の通信施設があった場所で二枚岳までの登山路はその名残である。 ここから先は踏み跡のような道に変わるが概ね歩き易い。

          
         
          

         

折角だから陵線の末端にある二枚岳970mまで行ってみる。 道脇の三等三角点を通り過ぎ、見晴らしの良さそうな先端に向う。 すると急に目の前が開け、穏やかな太平洋が広がっていた。 庶野から襟裳岬までの海岸線が弧を描く様に延びて良い眺めである。 すぐ下にこじんまりした一枚岳787mが見えるが道が無いので諦めるしかない。

          
         
          

         

この一帯は風が強いせいか大きな木が見当たらず陵線は潅木と背の低い笹に覆われている。 二枚岳に戻る途中、1088mピークと観音岳がすっきり望まれ(写真)、稜線と尖った峰が日高らしくて魅力的である。 潰れた小屋を通り過ぎ「くの字」に曲がるポコが三枚岳1012mだったが目印一つ無くて寂しい。 三枚岳から1088mピークへはハイマツの中に鹿道のような踏み跡が稜線の左に延びていた。

          
         
          

         

尖って見えた1088mピークだが一面のハイマツに覆われ意外なほどだらっとしている。 ここから眺める豊似岳(写真)は日高最南端の山々の中で一番大きくて風格がある。 周囲の山々も急峻で魅力的なものが多く、気になる山が増えてしまった。 ここから豊似岳までは距離も標高差も大したこと無さそうで楽勝かと思ったが・・・

          
         
                    

  
         

豊似岳のコルまでハイマツで道が不明瞭だった。 しかも氷で垂れ下がったカンバが塞いで時々道を見失いかける。 葉の茂る時期なら行き倒れてしまいそうな陵線で、なるほど残雪期に登ってる記録が多いのも頷ける。 それでもコル手前からはペースが戻り、そして変化する眺望を楽しみながら山頂に到着した。 ハイマツに囲まれた狭いピークには最近見掛けなくなった独特の山頂標識が転がっていた。

          
         
          

         

さすが一等三角点に恥じない大展望である。 広尾岳〜楽古岳の山並みが近づき、 その先に十勝岳〜ピリカヌプリ〜神威岳が頭を白くさせ良い眺めが広がる。 オキシマップ山への陵線は藪が酷く今回ルートから外して正解だった。 北西方面(写真)には険しい峰々が多く、その中で二観別岳・本二観別岳と袴腰山が目に留まる。 そして奥にアポイ岳〜ピンネシリ山塊が裾を広げ・・・未踏の山が一杯で嬉しい。

          
         
                    

  
         

1088ピークと小さく聳える観音岳(写真左)を見ながら豊似岳を後にする。 学習効果もあって1088ピークまでハイマツの中に踏み跡を辿り、 ピークの北側をトラバースしてすんなり観音岳の陵線に出る。 陵線は背の低い笹に覆われて歩き易く、北斜面と南斜面で極端に異なる植生が面白い。 コルに小さな沼を見て割と呆気なく観音岳に到着した。


          
         
          

         

観音岳からの展望は前回より格段に良く、今日歩いた山々と陵線を一望する。 ここからは三枚岳と二枚岳はピークと言うより揺るやかな稜線の一部に過ぎず、 一枚岳は小山にしか見えない。 けどあの向こう側まで戻らねばならないと思うと流石に遠く、 いっそ途中から右の沢に下って山道をショートカットしようか?など考えたりする。

          
         
                    

  
         

観音岳からの下りは背の低い笹原に踏み跡が延びて祠まであっという間だった。 そこから進路を変え沼見峠に下るのだが以前より笹藪が酷くなっている。 これを嫌って幾らか歩き易い沢筋を下ると笹中に不意に山道が現れほっとする。


          
         
                    

  
         

猿留山道は今も整備が進められている北海道最古の山道で、 かつてここを通った伊能忠敬や松浦武四郎の如く颯爽と歩く積りだったが流石に足が重い。 一枚岳の裾野を巻く一本道がずっと続くと思ってたら、見過ごしそうな分岐が幾つもあり、 また川を渡ったり倒木を越えたり、地図と案内板見ながらオリエンテーリングのようである。 今回と去年歩いた分を足しても全長30キロある山道の1/3くらいか・・昔の人は本当に健脚だと歓心する。 牧場が近づくとあの小さく見えた一枚岳が目の前にどーんと構え存在を示していた。 歩き応えあって見慣れぬ日高最南端の展望が楽しめる良いコースだった。


          
         
















































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