当別丸山  482m (北斗市・木古内町)  夏尾根   地図はこちら   ■Home
2013年5月20日 雨後曇り 単独
9:20トラピスト修道院→(10:15-10:45)当別丸山→11:05展望台→11:25トラピスト修道院

子供の頃の函館は周りに高い建物がそれほどなかったせいか港越しによくこの青い山が望まれた。 いつも函館山の右隣にドックのクレーンと並んでどっしり構えとても懐かしい風景の一部になっている。 名前も登山路があることさえ知らなかったがガイドブックにも載ってる山とあらば何としても登らねばならない。 とは言うものの道南の低山までなかなか足が向かない、 今回たまたま函館で法事があり好機到来ちょと寄ってみる事にした。


弁天から望む当別丸山、気になる山に思いを馳せる   神聖な場所、ブルっと身震いと共に鳥肌が立った   鬱蒼としたスギ林、天気が良くてもこんな感じかな          

昨日は弁天の墓地から裾に雲をたなびかせる丸山が実に良い感じで望まれた。 ところが夜半から降り続く雨が今朝になっても止まず、 このまま札幌に帰ろうかと思ったが未練がましく無料の高速道路に乗った。 左に上磯のセメント工場、右に新幹線の高架橋が延びる真新しい風景を眺め、 僅か30分で渡島当別に到着する。 そして雨の上がったトラピスト修道院は観光客の姿もなく、 新緑に霧が立ち込め厳かで神聖な雰囲気に包まれていた。 舗装された作業道から建物を回り込むと墓地の駐車場で行き止まり、 ここが正式な登山口かは判らないが身支度して出発する。 雲が垂れ込め山全体の半分か1/3位しか見えない、けど思ったより小粒な感じがする。 すぐにくの字に曲がる道をカットする階段があり「三木露風」の詩が描かれた看板が立っていた。 童謡「赤とんぼ」で有名な詩人だがトラピストと関わりが深いのかそこかしこに歌碑が設けられていた。 程なくルルド洞窟に到着、聖母マリア像に迎えられる。 じっとしていると何だか落ち着かず、そそくさと「展望台」の道標に従い杉の植林帯へ進む。 林の中はそれなりに薄暗いが手入れが行き届いて寂しさは感じられない。 少し先の曲がり角に踏み跡が延び、残雪の奥に旧ルルド洞窟と思われる岩の窪みがあった。


          
山の上は意外にもブナ林、不思議と心が落ち着く   一等三角点と天測点が並ぶ山頂、杖が置かれていた   展望台、ガス中に函館山と青い津軽海峡を想像する          

曲がり角からは単調な杉林にミズナラやトドマツが入り混じり、 ぬかるみや草被りも出てきて少し登山路らしくなってきた。 足元には早春の花々が雨に打たれながらも彩りを添え、 濡れた若葉もつやつや明るさを増して、 数ヶ月モノトーンの雪山ばかり歩いてきた目に新鮮である。 虫の尻尾みたいなテングスミレ、フイリミヤマスミレ、エンレイソウ、カタクリは盛りを過ぎ、 何故かヒトリシズカが一番可愛らしい。 倒れた笹でズボンが濡れてしまったが面倒臭いのでカッパを履かずに歩く。 やがて登山路は急な登りになって額から汗が滴り落ち、 見上げると杉に代わって大きくはないが芽吹き始めたブナに囲まれていた。 何とも心地よいブナ林の尾根をゆっくり登ってベンチの置かれこた山頂に到着する。 一等三角点と道内に幾つもない天測点のある山だったがこんな天気で残念、 小鳥のさえずりを聴きながら乳白色の山頂で暫しぼーっと過ごした。 下りは試しに展望台コースを通ってみる。 函館山と青い津軽海峡を想像しながらガスの中を下山した。 山頂展望と食べ損ねた濃厚で日本一美味しいというソフトクリームを確かめに再訪したいと思う。


          
仲良く寄り添うヒトリシズカ、凛として清々しい   一晩、雨に叩かれ若干元気のないシラネアオイ     トンボみたいな尻尾が特徴的なテングスミレ



















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