トノカリウシュベツ川〜美瑛岳(十勝川支流オプタテシケ川・十勝連峰)
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2008年8月下旬 登り5:30 下り3:10 メンバー4名
5:10林道終端→入渓5:25→6:45C980二股→10:00c1290二股→c1400m(10:40-11:00)→15:10林道終端 (休憩含)
8/23 曙橋からトノカリ林道を辿りオプタテシケ川を渡る1kmほど手前の林道広場にテントを張った。
明日は沢4名と尾組4名に別れそれぞれトノカリウシュベツ川から美瑛岳、新得コースから十勝岳を往復する計画である。
もっとも遡行に時間が掛かりそうだから陵線か源頭までが妥当な線になりそうだ。
7年振りに再訪するS藤さんの話では「水量の少ない沢で上は涸れ沢だったが源頭の雰囲気とお花畑が最高だった」
とのことで明日はどんな初沢か楽しみである。
炭火で焼き肉を炙りながら酒を飲み焚き火を囲んで楽しいひと時を過ごした。
定番の焚き火、これがなくては始まらない 入渓してすぐ苔むした渓相に気を良くする F1・8m 空っぽの釜から直登する
8/24 寝袋を忘れ毛布を借りたが未明の寒さに目が覚める。
まだ8月だと言うのにこの寒さはいったい何だ、山はすっかり雲に隠れモチベーションの上がらぬまま出発した。
松の幼木が生えた荒れた林道から入渓すると赤テープが垂れていた。
はたしてオプタテシケ川は地図に記されたものより小さかったがまずまずの水量で安心する。
苔むした渓相に気を良くしたが2時間も経たない内に水が消えて呆気に取られる。
渇水期なのかも知れないが水はとうとう復活することがなかった。
涸れ沢にはゴロ岩が目立ち高低差の少ない地形でなかなか標高が上がらない。
大きな岩は何処から流れてきたのか一旦雨でも降ったら暴れ川に変身するかも知れない。
両岸高くなったどん詰まりにF1・8mがあった。
「山と谷」にへつってからシャワーで登ると書かれている滝である。
まな板を積み重ねた様な節理が特徴的で大きな釜にはほとんど水が貯まっていない。
滑る板状の岩に慎重に足を置けば直登は難しくない。
此れを過ぎれば乾いた滑や節理状の岩盤が現れさしずめ涸れ山水の雰囲気になるが相変わらずゴロ岩が多い。
さほど距離を置かずにF2・10mがあり同じ様な板状節理に囲まれ釜の水は少ない。
先程はフリーの直登を躊躇ってたC葉さんが先陣を切って登り始めた。
どう見てもF1より難しそうだがすいすい登る彼女の姿に皆唖然とした。
c980二股を過ぎるとF3・10mが現れ次々と似たような滝がc1200過ぎのF7まで続く。
何れもハングして大きな釜を持ってるが水が空っぽで何だか哀れな感じである。
滝の直登は厳しいが高巻くのも面白くないので最後のは人工登攀した。
F2・10m 板状の節理が特徴的な滝である F4・10m 次々と現れる滝は全てハングしている c1290二股を過ぎると沢の様子は一変した
漸くc1290二股で予定時間内に陵線までは登れそうだが雲が垂れ込めトーンが上がらない。
相談の結果、源頭の様子を見て帰ることにして距離の短い右股を詰めることにした。
浅い沢型には鹿道が延びc1400まで登るとそこは既に源頭の始まりだった。
足元に広がるチングルマの綿毛に混じって遅咲きの花が咲き何処からともなく鳴きウサギの声が聞こえる。
花が咲き乱れお天気が良ければ別天地を想わせる源頭からは藪漕ぎなしで陵線へ抜けそうだった。
とうとう雨が降り始め行動停止、あばよくばベベツ岳の東コルからc980二股に下ろうと思ったが下山を決めた。
滝は懸垂の連続でザイルをしまう暇が無い。
帰りの風呂で合流した尾根組の話では十勝岳まで登ったら富良野側は晴れていたらしい。