北西面直登沢〜トムラウシ山(富良牛山) 1277.8m (中札内村) 地図はこちら  ■Home
 2013年10月14日 晴れ メンバー4名 トムラウシ川北西面直登沢〜北尾根
 7:00富良牛橋→8:00・570m二股→(10:55-11:30)トムラウシ山→12:00・1060m尾根→13:50富良牛橋

この山は札内川ダムの南3kmほどにある無名峰で、頂の三角点「富良牛」よりトムラウシ山と呼ばれている。 点名は百名山のトムラウシ山や北日高にもう一座ある同名の山と等しく、 今回これをやって「トムラ三山」完登を狙うことにした。 アプローチは遡行記録のないトムラウシ川を詰めて尾根を下る積りだが、 この山の北面は急峻で込み入った等高線と沢筋に期待と不安が交錯する。


                    



早朝、澄み渡る空の下、富良牛橋に到着、樹海覆道の手前に車を止める。 気温2度、上着とヤッケを重ね着して出発したが水に足も入れたくない寒さだった。 左岸の作業道跡に古い車が1台放置され、程なく砂防を幾つか越える。 トムラウシ川は水量の割りに川幅が広く、そのせいか倒木の多さに関わらずゴミゴミした感じがしない。 左岸の高所に連なる幾筋もの滝を眺め、これから辿る沢が気になってくる。

         
         
           
そしてc570二股から眺める景観にど肝を抜かれる。 左俣の奥には高所より滝が連なり、進む右俣も断崖の奥に白い大滝が垂れている。 いきなりか!遠目には突破できそうな雰囲気でなく、急な中尾根を攀じ登るしか手が無さそうだった。 半ば諦め気分で右俣に向かうと、見えた大滝(写真)は・1263ポコからの支流で胸を撫で降ろした。
                    



右股に入ると両岸高いゴルジュになってこの沢の核心を予感させる。 左岸は50mの高さから滝が水を落下させ、 右岸も数十mの崖が迫って何かとんでもない場所に足を踏み入れた気がする。 支流の滝から冷たい水飛沫が降りかかってゆっくり滝見物もできず、 足早にゴルジュを抜けると幾らか空が広がるものの、 両岸迫る逃げ場のない景観にただただ圧倒された。

         
                    



黒光りするV字谷の中は滝だらけで、二つの滝に曲がったハーケンと古いトラロープが垂れていた? そこから上にロープを見かけないので恐らく序盤で引返し、急場しのぎで残置したものと思われた。 630mで2段12mの滝、680mの屈曲でペロンとした20mの滝(写真左)を登る。 尚も滝が続き、730mの屈曲で20mの滝(写真右)に思わず顔を見合わせた。

         
                    



すぐ上で6mの滝(写真左)を登ると10mの滝(写真右)が続き、滝のオンパレードとはこのことか? 小滝と大滝が交互に連続して全くだれず、しかも黒く磨かれた岩は思いのほか滑らず快適だった。

         
         
            渓が屈曲する度に滝が出現し、次は何が出てくるかハラハラ、ドキドキしながら越えてゆく。 久々にアドレナリンの沸騰する沢だ、もう勢いに任せ登り詰めるしかない。
         
           
770mの分岐で少し谷が広がると尾根に逃げれる場所も見つかり漸く気持ちに余裕が出てくる。 それにしても枝沢を含め見上げる先までくねくね白い滝が続いて見事な景観だった。
                    



ところがその先、再びV字谷の中に滝が連続する。 少しぬめりが出て緊張する滝もあるが巻けないので突破するしかない。

         
                    



短い区間だが手こずる滝もあって結構時間が掛かる。 そして門の様な12mの滝(写真左)が出現し左岸から巻く。 900mから一直線に延びるルンゼ状(写真右)を150m登ると、 いよいよ水がちょろちょろになり1130mで涸れた。 尚も明瞭な沢筋が延びるがいよいよ岩盤にぶち当たり、 崖登りを嫌って左の尾根に入ることにした。

         
                    



沢筋から尾根に乗るまで木登りもあってワイルドである。 葉が落ちてすっきりした尾根から陵線に出ると笹の中に明瞭な鹿道が延びていた。 一番の高みに二等三角点が埋まり、木の間にペテガリ・ヤオロ・コイカクなど日高の眺望が素晴らしい。 ピークハントの喜びもさることながら拾い物をしたようなエキサイティングな沢に大満足する。 下山は鹿道に導かれながら・1060ポコを経由し北尾根を下った。

         










































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