十勝岳〜新得コース  1308m(新得町・上富良野町・美瑛町)  地図はこちら  ■Home
2013年10月6日 晴れ メンバー4名
7:00登山口→(10:50-11:30)十勝岳→14:25登山口

十勝岳は十勝川(トカプチ)の源流であることが山名の由来とされ、分水嶺を境に景観が随分変わる山である。 登山コースは望岳台からが一般的でアプローチの長い新得コースは敬遠され気味だが、 山名にちなんで一度は十勝側からと思っていた。 紅葉の時期、賑わう望岳台コースをよそに静かな登山を楽しむには打ってつけかも知れない。


         
            屈足から曙橋まで二十数km、更に林道くねくねと十数kmを経て、奥十勝橋経由で登山口に至る。 腹の調子が悪かったせいもありやたら長く感じた。 エゾ松の樹林の中に見覚えのある立派な看板、そこから先は足を踏み入れたことがなくワクワクする。 整備された登山道でとても歩き易い、 カンバの黄色いトンネルを潜るとやがて枝が丁寧に切られたハイマツの中に路が続く。 木の枝越しにトムラウシ山やオプタテシケ山が時々望まれ、裾野が赤く色づいている。 そして意外だったのは沢沿いに登山路が続くことだった。 ウラジロナナカマドが赤や黄に染まり、木々の間を縫う清流に思わず歩みが止まる。
         
            飛び石伝いに沢を渡渉する。 この日は水量が少し多かったのか岩の頭が水に隠れ、登山靴のメンバーが少し苦労していた。 二度目の渡渉で左岸に渡ると沢の源頭に雪渓が残り、その奥に大きな滝が掛かっていた。 雪渓の脇には10月だと言うのにコザクラとツガザクラが咲いて驚かされる。
         
            少し離れた大滝まで足を延ばすことにした。 近づくと2段15mなかなか見応えのある滝である。 通称「一条の滝」と言うらしいが西部劇に出てくるような色合いと景観で「びっくりドンキーの滝」という感じだ。 そしてここから眺める裾野の紅葉は目を見張る美しさだった。
         
            沢沿いを離れペンキ印を頼りに斜面を登ると、 どんどん良くなる法華の太鼓の如く谷間に紅葉が広がってゆく。 その中に葉の落ちかけたダケカンバの木がぽやぽやとグラデーションにアクセントを付け見事な景観である。 下ホロカメットク山と境山の他に東大雪の山々も姿を現し始め、山頂からの展望を期待させる。
         
            足下がえぐれた長が〜いハイ松の廊下を抜けると平坦な台地になる。 大岩がゴロゴロした雪田でナキウサギの声を聞きながら一休みする。 背後には石狩連峰からニペソツ山、ウペペサンケ山、右奥に北日高の山々も見える。 そして急なザレの草付きを登ると一転して荒涼とした風景に変わり、 前方にこんもりした山頂部が見えてくる。 あと1時間位かと思ったがどうして・・・頂はなかなか近づかず、やけに丸みを帯びてるのが気になった。
         
            急なザレを登る途中から丸い頂の右奥に本俸が見えてくる。 やはりニセピークだったか・・それにしても辛い登りである。 陵線付近の荒涼感はまるで月面を歩いているようで本来の十勝岳らしい。 そんな中でペンキ印がとても心強いが、 大岩に45度向きのずれた「新得↓」のサインが気になる。 そして歩き易い美瑛岳からの従走路に合流し賑わう山頂に到着した。
          


もう何度も登ってる十勝岳だが反対側から来たせいか暫く感覚がおかしい。 そのせいか霞の上に山々が浮かんで御来光でも上がって来そうな雰囲気だった。 (山頂から南の陵線を眺める) 何処からでもすぐ分かる端正な下ホロカメットク山に続いて境山、上ホロカメットク山、三峰山、富良野岳、 その上に薄っすら芦別岳と夕張岳も見えていた。

         
          


(山頂から北の陵線を眺める) 縞々模様の陵線をぽつんと歩いてる人がいて、みるみる山頂に到着すると単独の女性だった。 美瑛岳まで3時間〜十勝岳まで3時間掛かったとのこと、 車の移動はどうしたのか聞きそびれたが十勝岳と美瑛岳の間はまだ歩いてないので少し興味が湧いた。 鋸岳と美瑛岳の荒々しさが印象的、遠方に旭岳、白雲岳、トムラウシ山が望まれ、右のニペソツ山など東大雪の山々は 帰る頃になってすっきり見え出した。 望岳台からは好天に誘われた大勢の登山者が登ってくる一方、この日の新得コースは3組だけだった。 今期最高の紅葉を楽しみながら往路を戻った。

         










































inserted by FC2 system