十勝岳(春スキー)  白銀壮ルート  2077m (十勝連峰) ■Home 
2008年3月下旬 晴れ メンバー4名
白銀壮8:45→十勝岳(12:35-13:20)→白銀壮14:55

上富良野から十勝岳に向って乾いた道路を快調に飛ばすと真っ白な富良野岳が視界に飛び込んできた。 空は抜けるように青く白い山肌に日が当たって誰からともなく感嘆の声が上がった。 少し先でKさんが車を止め写真を撮っていた。 一緒に吹上温泉に向うと今度は樹林の上に美瑛岳の尖った鋭峰が垣間見える。 全く今日は何処でも登りたくなるような絶好の登山日和である。


前十勝の裾を行く、向こうに三段山が見える    雪山は自由自在にルートを取れるから楽しい    十勝連峰のゴツゴツした景観を眺めながら帰ろ

白銀壮前で身支度しているとこの春に単身生活を終え東京に戻られるというNさんに会った。 装備が無いので何処まで登れるか分からないと言う彼と相前後してスタートする。 日焼けが気になるほど強烈な陽射しを浴びまるでGWの春山ような陽気である。 まずは富良野川を越え前十勝岳に残るシュプールを横目にだだっ広い雪面を登っていく。 非難小屋の跡に立つ観測塔が遠くに見え先行するパーティーが夏道方向に進んでいった。 雪の付いた谷ルートの方がスキーで滑って帰れると言うので大正火口の北側に出る広い沢形を登ることにした。 早々とクトーを付け急斜を登っていくと今年は小雪のせいか岩が所々に頭を出していた。 夏道の方はゴツゴツした岩が目立ち去年の12月に初冬訓練をおこなった時と同じ様な状態に見えた。 あの時は二日目に山頂を目指したが吹雪きで断念し今日の陽気からは想像できない程の寒さだった。 大正火口の噴煙近くを通りグランド火口の中から斜上して夏道ルートに出ると先行していた筈のパーティーがいつの間にか後ろにいる。 Nさんは一人そのまま火口の中を進みどうやら傾斜の緩い右回りに頂上を目指す算段らしい。 明日予定の富良野岳に疲れが残らぬペースと思いながらもこのメンバーでは無理だった。 Kさんの額からは大粒の汗が流れ、下山して旨いビールを飲みたい一心でペースを落とす気など更々ないようだ。 Cさんはいつものようにぴったり後を付きTさんは少し離れマイペースで登ってくる。 グランド火口の十勝岳ピーク側は雪庇の出た崖だが外輪から底へは涎の出そうなスロープである。 雪の状態によっては転んだら滑落しそうな急斜だが此れを滑ったらさぞ気持ちが良いことだろう。 山頂へは大きく左から回りこみシュカブラになった雪面をスキーで登るとタッチの差でNさんが先に着いていた。 快晴の元に十勝連峰をはじめトムラ・表大雪・東大雪の山々がまる見えだ。 山頂標識から風下に待避しまずは乾杯、気温が4度で長居の出来る暖かさである。


グランド火口を滑る ダイナミックな斜面だ!     大正火口の下を滑る 優雅に楽しく!     ボウル斜面を滑る 終盤のクライマックス!

下りは南方からぐるっとグランド火口の淵まで回り込みお楽しみの火口底を覗くと流石に急だった。 意を決して染み一つない斜面に様々なシュプールを刻んだ。 日を浴びた雪はやや重だったが障害物一つない広大な斜面を自由気ままに滑るのはまさに爽快な気分である。 大正火口の下部は雪の下に岩が隠れ、時々板を削る音に身が縮んだ。 続くボウル斜面は緩斜面から次第に顕著な沢形になってこれまた綺麗な雪面を滑り転げまくった。 裾野をトラバースしカバワラ尾根をちょこっと滑って賑わう白銀壮へ帰還した。 山頂からまさに春スキーの醍醐味をたっぷり堪能することができて満足、 その晩は白銀壮にてYさん、Uさんが合流しNさんを囲んでの酒宴になった。

<翌日の富良野岳北尾根 はこちら>


















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