清岳荘は小奇麗なプレハブで管理人が外でぶらぶらしていた。
小さな雅之を見て心配したのか「おい、お前大丈夫か?藻琴山に登るのとは訳が違うのだぞ」
沢で転倒して怪我をする登山者が多いらしい。
おじさんの一言で怖気付いた家族をなだめて出発する。
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下二股まで沢沿いに渡渉しながら順調なペースだったが次の上二股まで小滝が出てきて手間取る。
小さい滝や滝口の渡渉は子供に恐怖だったようで後ろの登山者をいらいらさせたかも知れない。
対岸に赤ペンキが付いて迷う心配はないが確かに一般的な夏道とは異なっていた。
やがて水がチョロチョロになる頃には這松が覆って山頂らしきピ−クも見えてくる。
ここから胸突き八丁と呼ばれるガレが馬の背まで続いて苦しさもピークに達した。
馬の背を登り切ると風が吹き抜け、知床や国後の山々を眺めて一息つく。
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祠から見上げる頂上までもう一息 山頂で記念撮影、よく頑張りました 山頂から辿る予定の熊見峠を望む
熊見峠から望む斜里岳(中央) 清里の農道から斜里岳を振り返る
山頂はもう目と鼻の先である。途中の祠で礼拝し最後の踏ん張りで頂上に至った。
知床の山々はガスで見えなくなったが長閑な牧場や畑が広がりオホーツクも望まれる。
遠くに目をやると阿寒岳や手前に屈斜路湖と摩周湖が並び贅沢な眺めを堪能できた。
虫が多くてあずましく眺めていられず山頂を後に熊見峠に下った。
歩き易く見晴らしの良い道だが下二股出合までやたら長く感じられた。
再び沢に出て水の中を歩くとほてった足に気持ち良い。
下山すると管理人から「こんな天気の良い日は最近なかったよ、今日登った人は幸せだ」と言われる。
清里のキャンプ場に移動する途中から眺める斜里岳に何とも満ち足りた気分になる。
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斜里町とオホーツクを望むさらに中央遠くに屈斜路湖と摩周湖
中央の1508峰と左隣りが南斜里岳、左のずーっと後は武佐岳
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