2008年9月上旬 登り2:35 下り2:00 メンバー3名 7:25林道P→(10:00-10:40)社台滝→12:40林道P(休憩含)
今なお噴煙の上がる樽前山、その広大な裾野には実に様々な景観が点在して興味深い。
溶岩ドームや苔の洞門、支笏湖などは有名だが社台滝も特異さにおいて一歩も引けをとらない。
地図を見れば西に広がる裾野が一気に落ち込むラインがあり、地質学など無縁な私にも不思議に思えるほど極端である。
北側のラインは千歳市と苫小牧市の境界で多峰古峰山を通り支笏湖へと沈んでいる。
社台滝は南側の落ち込みラインにありインクラの滝もその線上にある。
とにかくTVと写真でしか見たことの無い滝だがその表情は強烈でかねがね訪ねてみたいと思っていた。
社台川に入渓、平凡な川原を淡々と遡行する 中間付近でワンポイントを添える柱状節理 1時間ほど巨岩を越えて進んだ先には・・
その社台滝だがアプローチの林道ゲートが問題で去年雨で引き返した時は開いてたが今回もそうとは限らない。
万一に備えお代わりの沢を用意して早めに札幌を出発した。
インクラの滝P過ぎにあるゲートは心配するまでもなく開放されひとまずほっとする。
一部荒れた林道だがI幡さんの車は意に介さずスイスイ進み6km程先の終端に止めた。
踏み跡を少し辿ると社台川の透き通るような綺麗な水が流れ、予想通りの平凡な川原である。
霧雨が止んで天気の心配はないが熊が気になるのかS藤さんが頻繁にホイッスルを鳴らす。
仕事柄笛を吹くのは慣れてると言うが鳴りが今ひとつである。
砂地に人の足跡があり、それなりに入渓者もいるようだ。
1時間ほど歩くと左岸に柱状節理が見られ、更に苔の付いた岩が多くなって遡行の雰囲気が出始める。
右岸に凝灰岩の壁や青っぽい滑も見られるが規模が小さく、次第に巨岩のゴーロを右に左に縫って進むようになる。
なかなかワイルドで楽しいが下りも同じコースだと思うとそろそろ終わってほしいのが本音だ。
巨大な滝が出現する、滝下まで行ってみる あんぐり口を開けた恐ろしげな顔にも見える 見る角度によって様々な表情を見せてくれる
そして突然現れた大滝に誰からともなく声が上がった。
全く凄い光景が眼前にあった! 80m以上はあろう高所から水が垂れ、滝下から直にこんな大滝を見たのは初めてだった。
なにより目玉をくり抜いた様にも口を開けた様にも見える奇妙な穴に涎が垂れた様は何とも不気味な景観である。
全く想像を絶する奇妙な滝に見飽きる事がなかった。
数年前にTVで見たのは地元の山岳会が上から懸垂している映像でいったい何処から降りたのか想像を巡らせた。
さてそろそろ下ろうかと巨岩を迂回すると新しい熊の足跡を発見する。
やっぱりいるんだこの辺は!後ろから力の入ったホイッスルが鳴り響いたのは言うまでもない。
巨岩の下りは苔で滑って気を遣い、登りとさほど時間が変わらない。
帰りぶらっと寄った製紙工場の裏にある日帰り温泉500円はモール系で肌がすべすべした。
社台滝の全景と言いたいが大き過ぎて写真に納まり切らない、いったい何と表現してよいかわからない滝である