幌尻岳の支稜から外れた寿都似山は殆ど注目されないマイナーな山である。
山名はこの山からシドニ川(アイヌ語で長い峰・沢など)が流れることによるが地形図を見るとなるほど糠平川とこの川に囲まれ細長い形をしている。
八谷さんの本に展望が良いと書かれているので好天の日に出かけることにした。
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漁岳を下山して真っ直ぐ平取町の豊糠に向かった。
幌見橋を過ぎると道が細くなったが林道が除雪され、幌尻岳登山の規制で新たに設けられたゲートまで入ることができた。
雪の上にテントを張って鍋を囲むと眠くなって早々にダウン、時間を間違えたメンバーに夜中の2時に起こされる。
前にもこんなことあったなと思いながら朝までうとうとし、外に出ると放射冷却で酷い冷え込みだった。
ゲートの周りに鹿の血が点在しどうやら狩猟者が入ったようだ。
林道のはるか下を流れる糠平川を見ながらそのトレースを辿り、2.5km先の滝見橋を渡っていよいよ崖のように見える寿都似山に取り付いた。
沢沿いに作業道が延び、やがてびっしり雪に埋まった600コルに出る。
3年前に登った1095無名峰(ヲパケシウシベ岳 写真中)の眺めが良く、また急斜面を登る途中からシキシャナイ岳の尖がりが見え始めいよいよ展望の期待が高まってくる。
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緩やかなアップダウンの広尾根は長くてだれるが人が滅多に訪れない山とみえカバノアナタケの宝庫だった。
各自上物のお土産をゲットしてこれ以上重くて持って帰れないのについアナタケばかりに目が入ってしまう。
尾根にも林道が入り、大きなポコを巻くなどして淡々と進むと漸く林の奥に黒々とした山頂部が見えてきた。
そして広く開けた斜面をゆるゆる登って山頂に到着、カンバの木の間に大きな幌尻岳が霞み思惑の外れた展望にがっかりである。
それでもチロロ岳、二股岳、戸蔦別岳の白い峰々とイドンナップ岳のなだらかな山塊が見えていた。
さて帰りも9kmの道のりを覚悟したが尾根の左右に糠平山(写真右)と貫気別山を眺め、
912ポコでシールを外すとそこそこ楽しいツリーランで林道に戻ることが出来た。
眺望はやや期待外れだったが日高の静山に登れて満足する。
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