空沼岳〜万計山荘 1251m 山スキー (札幌市・恵庭市) 地図はこちら ■Home |
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午後から大荒れとのことだがまだ大したことはない。 砕石場の奥まで除雪されているが後で出れなくなったら困るのでバス停 向いの自販機に車を止める。 そこから登山口まで30分のラッセルが余計だった。 登山届けのある小屋の屋根や小川に架かる木橋にはこれでもかってくらい雪が積り 、今年の雪の多さを物語っている。 渡渉してすぐ「万計山荘まで4.2km、空沼岳まで7.7km」の標識あり、 膝ラッセルで先が思いやられたが今日は小屋に入るだけだと思うと少し気が楽だった。 |
時々吹雪かれ山全体がうなりを上げるが樹林の中は風が弱く順調に歩を進めた。 夏道の渡渉箇所より少し下のc750mで左岸に渡り、小屋の裏に通じる林道に出て漸くほっとする。 山荘の裏は屋根の雪ですっぽり覆われ、 表は雪が窓まで達し薪を出すのが大変だった。 けど小屋の中は我々だけで快適である。 薪ストーブの匂いやロウソクの灯が何とも良い雰囲気を作り、 ジンギスカンにビールが進んで22時半まで山の歌を唄って過ごした。 「夜中は風ですごい揺れだったね」と聞かされたが、 寒くて薪をくべた以外は朝までぐっすりだった。 |
翌朝、朝支度を始めながら窓を覗くと雲りながらも明るく穏やかそうである。 ラーメンに昨夜余ったジンギスカンの煮汁を混ぜたら意外にいけた。 外に出ると薄っすら日も射し、万計沼が白い静かな佇まいを見せていた。 さて冬のコーステープを所々に見ながら40cmの新雪をラッセルして行く。 このルートは緩やかなアップダウンが多く上手くコース取りしないと帰りが大変である。 明るい樹林帯にラッセルを交代し道路の様な平地を過ぎると真っ白な真廉沼が現れた。 ここまで来れただけでも御の字だったが思いのほか早く着き、天気も持ちそうなので山頂に向うことにした。 氷の厚さは今が一番の筈だがちょっとドキドキする。 窪んだ地形のせいか湖上はとても穏やかで、かつ雪が浅く歩き易かった。 |
1180ピークの北を巻いて程良い斜度の小沢を詰めると再びカンバとエゾマツの平坦な地形になる。 帰りはトレース通りに戻るしかないので僅かな凹凸に少々うんざりするが、 ここを抜けると壁のように連なる雪庇の陵線が見えてきた。 とりあえず陵上の1174標高点を目指して疎林の急斜面にキックターンを重ねると 雪庇の切れ間からすんなり陵線に出て思わずニンマリする。 薄っすら青みを帯びた空の下に尾根のような緩やかな稜線が連なって気分爽快である。 |
あの低気圧どうなったの?と思うほど風が弱く、寒さも緩んでいた。 ラッセルに開放され、ポコを巻くなどして見覚えのあるピークに到着する。 クラストした雪面に山頂標識がポツンと顔を出し、恵庭岳、漁岳、狭薄山が辛うじて望まれる。 スキーで空沼岳に登ったのはかなり前に金山林道からのみで今回はとても新鮮だった。 稜線を下った処でシールを外したがやはり小さな登り返しが多く疲弊する。 小屋に戻ってパッキングし、下から薪を運んで下山することにした。 昨日のトレースは跡形も無く、 二番手以降はそれなりに滑るが概して斜度が緩いため先頭はラッセル必須である。 ここはふかふか雪のスキーに向かない山だと実感する。 漸く登山口が見えて喜んだがまだ林道があるのを思い出してがっかり、やれやれ長くて疲れた。 道東・道北で猛威を振るった暴風雪は札幌でも31.7mを記録していた。 山の中で安泰に過ごせ山頂まで行けたのはかなり幸運だったかも知れない。 |