情報館から国際スキー場に向かうとまだ薄暗い空に雲の様な白い朝里岳が浮かび、やがて朝陽に輝く定天が現れる。
どうせまた朝てっかりだろうと思いつつ雲一つない空に何となくソワソワする。
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センターハウスを通らず駐車場から直接沢に向う。
前日と思われるトレースを辿って右岸に渡るとコース外を下る太いトレースに合流、上手くゲレンデの中を通らずに済んだ。
さて取り付く尾根にSBが無くてビックリしたが少し手前を徒渉し、靴半分沈む新雪にトレースを延ばした。
雪が例年より1m近く少ないがペース良く進み、暫くすると右から単独者が回り込んでくる。
このルートで人に会うのは初めてだ。
数日前のトレースも薄っすら残っていてやはりガイド本に載ったからだろうかちょっと嬉しい。
沢の源頭から小さな春香山と海の向こうに暑寒の山々が見える。
そして北尾根にジグを切ると朝里岳の稜線が眩しく、後のくさび形をした長白稜に日が当たっていた。
このまま天気が持ちそうだ、惚れ惚れするほど綺麗な斜面を登って稜線に出ると風が弱かった。
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単独者が早々と稜線で滑り支度を始め、我々に荒らされる前に滑る算段のようだ。
こんなに天気が良いのにピークまで行かないの勿体ないよね!とか言いながら穏やかな稜線を歩く。
山頂からの眺めは最高で朝里岳から余市岳に続く白い山並みが素晴らしく、羊蹄山もすっきりと姿を現していた。
またピークの東端からは定天が黒々と目立ち、札幌岳や烏帽子岳などお馴染みの山々がぐるっと見渡せた。
ルパンも今日は余程気持ちが良いのか仰向けに寝そべってのびのびとし、初ピークを踏んだ女子3名もこれ以上ない青空と眺望に大満足な様子である。
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さてピークから源頭斜面に向かうとなかなか来ないなぁーと思っていた後続グループが滑降しようとしていた。
彼らもピークに寄らず・・滑りだけが目的だったようだ。
それはさておき今期一番になりそうな雪に喜々として気ままなシュプールを刻んだ。
折角良い斜面なのにあんたら勿体ない滑りだねと言わんばかりにルパンが疾走して行った。
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<2016年の 白井岳 はこちら>