山スキー沢〜札内岳〜エサオマントツタベツ岳 1895m・1902m (帯広市・中札内村) ■Home
 2012年8月24N-26日 メンバー4名
 8/25 晴れ 5:25林道端→6:25入渓→8:25山スキー沢出合い→12:50・c1790陵線→13:50札内岳山頂→14:10・c1860C1
 8/26 曇/晴 5:40C1→10:35札内JP→(11:20-11:35)エサオマントツタベツ岳→12:40北東カール→16:55林道端

去年増水で断念した山スキー沢をリベンジすることにした。 山スキー沢はエサオマントツタベツ川上二股から札内岳に突き上げる沢で名前の出所は北大山スキー部あたりかと想像がつく。 ガケの沢からの下降として使われるくらいで沢登りにはやや物足りないかも知れない。 今回たまたま札内岳とエサオマントツタベツ岳が未踏のメンバーが含まれ、 どうせなら縦走していっぺんにピークを踏んじゃいますかと云うことになった。

c1100で小滝一つ越えると上にずっと滑が延びていた    沢中に陽が刺し込み滑好きにはたまらぬ景観が続く    c1200でチムニー状の滑滝現れるも容易に中を行く

 8/24 夜トツタベツヒュッテに入る。滞在中の釣り人一名が沢山の川魚を小屋の中に干していた。 既に横になってごそごそしてたこの方を誘って一緒に安着祝いを始める。 日高の山にも随分入ったと言う初老の方だったが話が尽きず12時半お開きにした。

 8/25 晴れ/曇り 4時の起床は流石に辛かったが早目に出発する。 エサオマントツタベツ川の水量は少なく坦々と3時間で本流を二分する山スキー沢と出合う。 あまりの順調さに「このペースならお昼には札内岳に着くんじゃない、そしたら今日中にエサオマンまで行ってしまえるかも」 この時はまだ勇ましい言葉が飛び交っていた。 1時間ほどは何てことないただのゴーロだったが段差の小滝を一つ越えるとその上にずっと滑が延びていた。 おっ「来たか長さん待ってたほいっ」て感じだ。 この滑はc1450まで標高差400mりに渡って続き、しかも数m〜10m内の滑滝が程よい間隔で出てきて嬉しい。 何れもフリーで登れるものばかりだが黒光りした岩が滑りそうでお助けロープを二〜三度出した。 滑が終わりc1530で7mの滝を直登したのを最後に早々と水が涸れ、各々2リットルづつザックの重さが増した。


 数m〜10m内の滑滝が程よい間隔で現れるのが嬉しい   容易な滝が殆どだがつるんとした岩で気が抜けない   c1530・7mを直登しザイル出す。このあとすぐ水が涸れた

最終二股を右を選んで陵線に抜けたものの踏み跡が見付からない。 はたして明日エサオマンまでの従走路は健在なのか?と不安になりながら藪漕ぎするとそれらしき路に合流する。 後で分かったが踏み跡は十勝側の10m程下った所にあり、要らぬハイマツ漕ぎだった。 おまけに女性二人が虫に刺されてまぶたを腫らし気の毒な限りである。 そんなこんなで漸く札内岳山頂に到着したが日高主陵線には曇が垂れ込めていた。 山頂にはテント一張り分のスペースがあるものの岩が出っ張って快適さに欠け、 記念別沢寄りのガレ場を整地してテントを張った。 源頭から吹き上がる風が寒く、テントの中で登頂祝いを始める。 潤沢なビールとドライフードの肉で作った牛丼が美味かった。 19時過ぎ揃って就寝し23時おしっこに起きるともう寝られない。 静かにビールを飲んでると皆んなも起きている様子だった。 そして寝入りばな地震が・・・突然不気味な地鳴りと共に 突き上げるような揺れ、女性の悲鳴が加わり生きた心地がしなかった。 震度1くらいじゃないかと言ったら感覚を疑われてしまう。 麓で震度4だったらしいのでまだ酔っ払ってたのかも知れない。


札内岳山頂から少し下がったガレ場にテントを設営   稜線の踏み跡は健在だったが予想以上に手強かった    エサオマンが近づき一級国道並みの踏み跡に変わる

 8/26 曇り 寝坊して4時に起きる。 昨日の藪漕ぎを思うとピリカペタヌ沢から降りてしまおうかとも考えたが 「行こう・行こうエサオマンんに〜♪、行こう・行こうエサオマンんに〜♪」朝からY子さんがやる気満々だ。 どっかで聞いた歌だと思ったら「トラ〜のパンツは破れない、ララララ〜♪」だった。 酷い藪なら途中で山スキー沢に下ればいいやと残った酒を捨てて出発した。 テンバから札内岳山頂まで酷いハイマツに消耗したが山頂からは割としっかりした踏み跡が十勝側の草付きに付いていた。 踏み跡が陵上に移ると潅木の枝が煩しいが古い鋸目と枝向きが順方向なのが救いである。 だが途中からハイマツの枝向きが逆になって大変、Taさんが脚を攣って遅れ出した。


未踏の二山を制覇し満足気な3名(エサオマン山頂にて)    滑滝は水が少なく乾いた岩を前向きで下りられる    あまりの暑さに釜に飛び込んだT子、泳ぐ泳ぐ・・

札内岳から約5時間掛かって札内JPに到着、ザックをデポし空身でエサオマントツタベツ岳山頂を目指す。 展望は札内岳〜十勝幌尻岳〜剣山くらいで主陵線はほとんど雲に隠れていたが初ピークの3名は満足気である。 北東カールの雪渓から流れる冷たい水で喉を潤し、水の少ないエサオマントツタベツ川の滑滝を下降する。 林道に入ってすぐ今山行で初めて出合った若者二人、こんな遅い時間に何処へ行くの?って感じで別れた。 急ぎ足で車に着いたのは17時近く、すぐ芽室の温泉に直行する。 女性二人はあざだらけの脚と虫刺されの顔にギョッとしたらしいが 気丈な性格ゆえ山行を完遂できたと思われる。



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