2009年8月中旬 メンバー3名
5:40サシルイ橋→13:20・c600二股→16:50・c900・C1 / 6:00・C1→8:15登山道→12:25羅臼登山口 (休憩含)
8/14-15 道東の天気が芳しくなく出発をまる一日遅らせ21時過ぎ小雨の羅臼に到着した。
観光客で賑わうウト口とは一転し閑散としたパーキングにテントを張って朝を迎える。
夜半に雨の音が気になったが4時に起床するとまさかの霧ションにモチベーションが上がらない。
午後から雷雨の予報では更に出発を延ばすしかなくサシルイ川の下見や熊ノ湯に出掛け暇を潰した。
早い時間からすき焼きを囲んでビールを飲んでると眠くなってしょうがない。
「子供じゃあるまいし、もう寝るってか!」一人気勢を上げるMさんだったが揃って20時前に就寝した。
魚影が走る静かな流れだが時に渡渉で手間取る 滑が素晴らしく沢の期待が一層高まった c330左岸の高所から斜爆になって降り注ぐ支流
8/16 霧雨 またまた朝から霧ションだ・・二日も延ばしたのにどうなってんの?と恨みたくなるような天気だった。
幸い雨量は知れあとは気持ちの問題だと身支度を進める。
サシルイ川の様子は昨日と変わらず右岸に車を止め公園の鹿網を潜って奥の砂防ダムから入渓した。
ごく平凡な川歩きだが雨の影響で少しばかり徒渉に苦労する。
歩いた割りに標高が上がらず右に左に鹿道を探しながら漸く下二股を通過する。
次の二股で海豊川に入たっがある筈のサシルイ沼からの支流が分からずじまいだった。
これまでさしたる緊張感もなく歩いてきたがc300を過ぎる頃より滑と小滝が現れ面白くなってきた。
c360の支流より少し手前で二つの見応えある支流が左岸高所より落下する。
一つ目は高さ50mから落ちる扇状の滑滝であり、二つ目は高さ100mから連爆して降り注ぎその下を爽快な飛沫を浴びて通過する。
そしてc550で20mの連滝が屈曲するといよいよ沢の核心域に入る。
一段目に上がり二段目は手始めにMさんがザイルを垂らした。
此れを登るとすぐ上にも大きな釜持ちの滝がありフリクションを効かせて越える。
滝は更に続き水が三筋に分かれて落ちる10mの滝を容易に越す。
そして600m二股では此の沢のスケールの大きさを見せ付けるかの様に二つの大滝が合流する。
左股は岸壁の高所から50mの斜滝が裾を広げて落下し、
右股の本流も高さ50mはゆうにある幅広の連滝が構えていた。
数えると5段あり最上部の屈曲した滝口から水を噴流している。
岩の藻が滑って3段目を上がれずそこから左岸を巻くが急な草付きと泥壁に体力を消耗した。
滑と小滝は呆れるほど長く数がありその間に20mと15mの滝を越えた。
水が冷たくなってくると白い藻が目立ち歩くだけで神経を遣った。
「何なのこのぬるぬるは!」Kさんからは悲鳴とも嘆きともつかぬ声が漏れる。
そんなこんなで予定より少し遅れ気味だがそろそろテンバの確保もしなくてはいけない。
よさげに見える草地はことごとく赤い泥炭の様な湿地で話にならず先を急ぐ。
こんどは釜を持った滑滝が何段か連なりその先にまた滝が見えていた。
これはc850の左股にかかる8m程の滝で左から越える。
テンバはKさんが900mで一張り分のスペースを見つけ均して泊まった。
Mさんが傍らで焚き火を起こすが木がしけって思うように燃え上がらない。
外にいると濡れた体が寒いのでテントの中で乾杯を始め21時就寝した。
c550二股にある連滝20mを越える すぐ上も滝 c600左股からエスケープルートの50m斜滝 c600右股の本流にはどでかい50m大滝が構える
8/17 雨 早朝の明るい空に気を良くしたがすぐ小雨が振り出しカッパを着て歩いた。
昨日も今日も熊の気配は無いが今時季は山から下りて海岸に集まってるのかも知れない。
c920で早々と水が涸れる。
苔生した巨岩が沢中にゴロゴロ転がって登り難いが鹿道があって大助かりである。
あとはただ我慢して標高を稼ぐだけだなと思っていたらc1040のルンゼに雪渓が詰まり20mの涸れ滝が塞いでいた。
滝も両岸も立って越えれず少し下がった右岸から大高巻きした。
この後に大きな滝は現れずc1080で突如として水が復活しすぐ消えた。
やがて源頭に導かれるとエゾノツガザクラ、アオノツガザクラの群落が覆ってつかの間の幸せ感に包まれる。
だが視界の先に何やらもわっとした巨大なものが見えそれが雪渓だと分かるのに時間は要らない。
いよいよ雪渓か!羅臼平まで続くだろうなと覚悟したが僅か200m程で済んだ。
三峰の山頂が視界に浮かぶと同時に羅臼登山路へ下る迂回路に交差する。
雨は本降りとなり羅臼岳の山頂をパスして下山することにした。
羅臼コースは沢型に沿って付けられているため所々不明確で道を失い行きつ戻りつした。
途中で温泉を含んだ白い沢は「賽の河原」のような景観である。
アップダウンを繰り返しトラバースが長くて辛かった。
下山してタクシーを呼びサシルイ橋へ向う。
生憎の天気だったがスケールが大きくワイルドな沢を完遂でき良かった。