南面直登沢〜砂蘭部岳〜南東面直登沢 (サランベダケ) 983.8m  (道南・八雲町)    ■Home
2010年7月上旬 曇り メンバー3名
5:35林道ゲート→6:25南面直登沢出合い→(9:15-9:30)砂蘭部岳→10:20・c730m南東面直登沢→11:35・c390m二股→13:00二股川本流出合→13:25林道ゲート(休憩含)

砂蘭部岳は小鉾岳の川向にあり積雪期か沢からしか登れない山である。 数年前のお正月に横山経由で砂蘭部岳を目指したもののラッセル時間切れで残った山でした。 今回はそのリベンジを兼ね南面直登沢から登って南東面直登沢へ下る予定である。 さて南面直登沢は一気にピークへ詰める沢筋が特徴的です。 中盤まで適度に等高線が込んで期待できそうですが終盤にある200mの崖記号が気になります。 この沢は遡行記録がないので出たとこ勝負ですが果たして如何なる展開になるか楽しみです。

水清くしてお魚一杯の野田追川支流中二股川      序盤から小滝や小釜が続き期待が高まる      450mの二股を過ぎるとどんどん水量が減っていく
八雲のB商店さん事務所で一宿をお借りし翌朝、霧雨の中を桜野温泉へと車を走らせた。 中二股川沿いの林道に入って暫くするとゲートがあり身支度して出発する。 だらだらと緩い登りが続きいつの間にかはるか下に中二股川の流れが垣間見える。 30分程で下降予定の南西面沢を過ぎ更に30分歩くと南面直登沢が見えてきた。 林道から川まで100m以上あり潅木を頼りに急な斜面を下った。 入渓すると深みに魚影が走り、今日はここで釣り人になっても良いなと思わせる青々とした美しい流れである。 南面直登沢の出合はゴーロ帯で水が伏流していたが少し歩くと滝や釜が連続し非常に感じの良い渓相となる。 立ち込める霧と相まって深山幽谷にでも分け入るようでゾクゾクする。 熊避けにKさんの発する雄叫びが響き渡った。 序盤から淡々としたペースでグングン高さを上げる。 一つ二つ特定し難い枝沢が入り現在地の確認に頭を悩ませた。 特に450mの二股は左の支流の方が広く水量もあってつい引き込まれそうな雰囲気である。 直登沢は小さな滝ばかりで水は細る一方となり560mで水を汲むと早々と600mで涸れた。 この沢は高度を稼げる利点があるものの淡々としてやや拍子抜けする。 気掛かりなのはこれから待ち受ける崖記号のみである。 700mまで登ると沢型を埋めるガレ地帯が現れ750mの崖記号入口まで続いた。 これらのガレは両側の尾根から崩れ落ちて下に堆積したものだと分かる。 樹木で崖の全容は分からぬが幸い真ん中に涸れ沢が続いて登り易い。 いくつか歯の立たぬ大岩が現れ泥壁を巻くが流石に人跡は皆無である。 いよいよ沢型が消え残り100mを急な笹藪を漕いで陵線に出ると鹿道が延びていた。 これを辿るとダケカンバの枝にテープが結ばれ山頂到着である。 生憎の曇りで展望はないが初ピークを踏め満足だった。
     
750mの崖記号入口の様子、涸沢は写真の左にある   藪山らしい頂、小鉾岳からこの山を見たいと思う    南東面沢の下流域から再び美しい渓相が蘇った
帰りは南東の急斜面を笹に捕まって下降し730mで南東面沢に合流する。 涸れた沢中は石屑で埋まり所々に汚れた雪渓が残って見た目は悪いが涼しくて気持ちが良い。 6m位の滝が2箇所あり、その一つは下に雪渓のトンネルがあって唯一ザイルを出した。 530mでようやく水が流れると小振りな滝が幾つか現れ少し沢の感じが良くなってくる。 思いのほか時間を要しc390の出合いで一休みする。 この沢も中二股川が近づくに従って渓相が良くなるから不思議である。 下流域に鬼の洗濯板のような川床や苔生した巨岩が滝を作って趣がある。 清らかな中二股川に戻り再び100m上にある林道まで最後の藪漕が辛かった。 ゲートに釣り人がやって来て「どうだった?」と聞いてくる。 Mちゃんが「山に入ったんです」と説明しても、「そんな奥に大物いないべや・・・」と何だか噛み合わない。 たまたま桜野温泉で一緒になりようやく理解して貰ったようだ。 ガスって生憎の山行だったが小鉾岳からこの山の様子を眺めてみたいと思う。



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