佐主岳は夕張山地南部にある一等三角点の山で、山名はここよりサヌシュベツ川 (アイヌ語でサヌシベツ 低い川)が流れることに由来する。
登山道があるにも拘わらず地図に名前が無く、またアプローチの林道も分かり難いため訪れる人は少ない。
登山の端境期とは言えこの山だけでは勿体無いので近くの山とセットで行ってみる。
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週末は寒気による悪天予報で山を諦めていたが起きたら何と良い天気だ、
気象庁に編されたか‥ぶつぶつ言いながら急いで山支度して出発する。
国道274から道々74を南下してキウスの集落で林道に入ると雪の上にシカ打ちと思われるタイヤの跡が延びていた。
登山道を管理する道のHPにはアプローチの林道が不通と書かれていたので気掛かりだったが順調にc315の分岐に「登山口方向」の案内板を見る。
やれやれここまで車で来れたらしめたもの、もうひと踏ん張りだ。
支線林道に入ると雪にタイヤの跡が無くなってほっとするが道が荒れだし急に心細くなってきた。
そして少し先の分岐に何処から来たのか車が止まっていた。
逃げる鹿を追いながら更に車で進むと倒木でいよいよ止める。
地図を見ると登山口まで残り1.5kmと上出来、道のHPはあまりに不親切で心配して損こいた。
さて出発してすぐ二人連れの登山者が降りてきてビックリ、向こうも驚いた様子で先程の車の持ち主だった。
ゲートの件を尋ねても話が噛み合わず、キャンプ場側から入って来たとのことでゲートは無かったらしい。
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右に坊主山を眺めながら先行者の足跡を辿ると2O分程の所に登山口の看板が倒れていた。
そこから刈分けが延びているが笹中に踏み跡が続く感じで殆どメンテナンスされていないようだ。
やがて丸い山頂部が見え出すと斜面をトラバースするように道が付けられ、冬枯れした木立ちの中に白いタ張岳が見え出す。
そして笹に覆われた平坦な頂に到着、三角点が鎮座する傍に割れた山頂標識が転がっていた。
展望は木が邪魔してすっきりとはいかないが北から東に夕張山地の山々が広がり、
南の鵡川方面には太平洋が光ってまずまず、一人静かな風景を楽しむ。
この山は林道が厄介そうで足が遠のいていたが鋸で倒木処理すれば登山口まで車が入れそうだった。
今回は狩猟解禁と重なりたまたまゲートが閉まっていたがもっと登られてもいい山だと思う。
お手軽な一等三角点の山なのに年々藪化するのが残念である。
帰りにキヤンプ場の向かいの小高い神社から佐主岳の山頂が望まれた。
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【佐主岳山頂からの眺め】 主峰夕張岳はすっかり雲に隠れてしまったがハッタオマナイ岳〜宿弗山〜振内山と夕張山地の山並みが広がっている。
手前に低く坊主山が重なり、晴れていれば遠くに白い北日高の山々が連なって見えるはずである。
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