珊内岳〜ガニマナコ〜屏風岳  1091m・989m ツボ (神恵内村・積丹町)  ■Home
2013年4月5日 大川林道ルート メンバー5名
6:55大川林道→(12:00-12:05)珊内岳→13:05ガニマナコ→(13:50-14:00)屏風岳→16:20大川林道
珊内岳(サン・ナイ 浜に水が出る・川)は積丹半島の脊梁である積丹岳〜余別岳〜ポンネアンチシ山と肩を並べる1000m超の第4峰、 登山路のない奥深い山である。 珊内の集落から僅か数km入るだけだが、 頂を踏むのは沢を遡行して一泊を必要とし容易ではない。 そんな近くて遠い山だがアプローチが延びる残雪期には日帰りも可能となる。 今回は前から気になってたガニマナコを経由し、雪の珊内岳と屏風岳を歩いてみることにした。
                    


札幌を5時に出発し、余市町まで来て 「神恵内に通じる峠は冬も開通してるのか?」との話になり余市警察署で聞いてみることにした。 手ぬぐいを被った男二人が突然訪問し寝ぼけ眼の若いおまわりさんを驚かせてしまったが、 とりあえず泊原発の避難路だから大丈夫でないかとのことだった。 さて神恵内村の林道は何処まで除雪が入ってるか気掛かりだったが、 知床横断道路のミニ版の様な雪壁に驚きながらRV車を進めた。 ただ雪がバリバリの内は良いが帰りはどうなってるか? 適当な車の置き場所も見当たらず、除雪端まで1/3を残しツボで出発した。 砂防のある滝の沢の林道分岐を過ぎると屏風山が望まれ絶好の登山日和に気分が高揚する。          

                    


林道の後半から早くも埋まってスノーシューで歩く、 車から尾根の取付きまで5km余り、1時間半の林道歩きが辛かった。 尾根を登る時には既に足が疲れてたが、この青空が嬉しくツボで蹴り込み一気に標高を稼いだ。 ただ山の斜面にはあちこちに亀裂や黒い跡が見られあまり感じ良くない。 尾根上は一応安全とは言え550mからの急斜面は気温が上がった日には避けたい場所で、 大きな岩コブを右から一気に巻いた。          

                    


急斜を登り切るのに一生懸命だったが展望がすこぶる良くなってるのに気付く。 後方には積丹半島らしい険しく入組んだ山並の中に両古美山と泥ノ木山の端正な頂きが目立ち、 横にはどっしり構える屏風岳と下降で使う明瞭な尾根が延びていた。          

                    


そしてポンネアンチシ山から余別岳の白い陵線(写真左)が徐々に現れ感激する。 積丹岳はまだ隠れているが、 ポンネアンチシ山〜余別岳〜積丹岳の縦走を思い出さずにいられない。 その時にポンネアンチシ山からガニナマコを眺めたのが今回のきっかけだからとても感慨深い。 緩やかな尾根を登ってようやくポンネアンチシ山から続く平らな940の陵線に出る。 既に足が疲れ、のんびり稜上散歩といきたいが先を考えシコシコと歩を進めた。          

                    


だっだ広い陵上に屏風岳とガニマナコが顔を出し雄大な景観である。 ただ目に写る景色が殆ど変化せず、 青い空、白い台地の単調な景観に少々飽きを感じ出す。 そして漸く珊内岳の小さな頂が見えてきた。 一見近そうだが山頂まで思いのほか遠く、緩やかなアップダウンがボディーブローの様に効いてくる。 久々のツボが足に堪え、仲良く68番飲んで頑張った。          

                    


ようやく丸い珊内岳に到着する。 あまりに平坦な山頂で、 数年前に沢から登ってテントを張った場所に思えなかった。 だが山から海が見えるのはとても贅沢なことである。 半島の先端に義経伝説の神威岬、眼下に鉞山と能蘭山の尖がりを見下ろし眺望は抜群だった。 山頂は海からの風が寒く、 帰りも時間が掛かりそうで長居は無用、ツボ跡を探しながら同じ景色を戻った。          

                    


さて屏風岳に向う途中にガニマナコと呼ばれる二つのポコがあり、楽しみな場所である。 「ガニマナコ」とは沖合いの船から蟹の目のように見えるのでそう呼ばれるらしい。 ポコは右側が切れ落ちた岩稜で、登るか左からトラバルかだが折角だから登ってみることにした。 雪が硬かったが岩稜上は広くて歩き易く、 二つ目のポコの下りでザイルを出したが潅木もあり不要だった。          

                    


ガニマナコを過ぎると少し霞んで余別岳にはすっかり雲が掛かってしまった。 良い時に珊内岳に登らせてもらったと天気に感謝する。 ここから見る屏風岳は標高が変わらないせいか稜線の一部のようで、 むしろ隣の赤石山の方が一回り大きくどっしりした山体を見せていた。 屏風岳の斜面は雪が硬くピッケルを出して登ったが、 軽アイゼンくらい持って来れば良かったと反省する。 三等三角点が埋まる屏風岳からの展望はなかなか良くニセコ連山や羊蹄山が望まれた。 やはり初ピークは楽しい!          

                    


屏風岳の山頂から南東尾根を下降する。 この尾根は疎林が続きツボで下るのが勿体無かったが、 考えてみればこの重い雪をスキーで下るのはもっと大変である。 特に尾根が東に向きを変える700mからは転げ落ちるような急斜面で 木が生えてるとはいえ雪崩が気になるほどだった。 裾野は複雑な地形で細かなアップダウンにうんざり、雪の埋まった小沢から林道に出てほっとする。 除雪端から車まで林道の雪解けが進み、空しい歩きだったが心地よい疲労が何とも言えず、 神恵内温泉998のしょっぱい湯が日焼けした顔に沁みた。          
<2012 の積丹三山周回(ポンネアンチシ山・余別岳・積丹岳)はこちら>
<2014 の998峰(珊内岳)〜赤石山はこちら>





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