札滑岳は「ガイドブックにない北海道の山50」に載ってる山でサッコツとはアイヌ語の(葦原がくっ付いている)を意味する。
登頂は沢または積雪期に限られ記録は何れもアプローチが短い西面(下川町側)からだが、その中にたまたま札滑川から敗退した記述があったので出掛けてみる。
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明け方まで雨がしとしと降っていたが増水の心配はなさそうだ、道駅で身支度して出発する。
十一線沢林道は工事中で入口から2kmほど歩くと支線に古い案内板が立っていた。
鹿道らしき跡を辿って383でかつての登山道を伺うが完全に藪になっていた。
さて入渓した十一線沢は平坦でしょぼい流れだがすぐ狭い谷間に大小の滝が連続してテンション上がる。
敗退の記には「ウエンシリ岳の沢に類似した渓相で山谷レベルの!!*」と書かれていたが?・・確かに行き詰っても容易に巻けず、また支点が少ないので戻るのも厄介だ。
写真の滝々はやはり目ぼしい物にカメラが向くので一番最後以外は10mを越えている。
ツルンとした滝が多いものの見た目ほど滑らずそこそこ登って行ける。
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5m以上の滝を数えながら登ってゆくとc515mで2段15mF7(写真2)が出現する。
水際のスタンスを拾って登れそうだが場所柄慎重を喫し初の高巻きとする。
ここは左岸のルンゼを詰めるが岩盤でどんどん高みに追いやられ一時間以上の大高巻きとなる。
そして沢身に戻ると息つく間もなく次の滝が目に入り、どうやら時間と体力の勝負になりそうだ。
短い沢なので少々甘く見たが記録の無い沢の難しさを痛感、早出したのがせめてもの救いである。
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c625・10mF13(写真1)は2回目の高巻きでここも時間を食う。
c720で本流を離れ水量2:1の支流に入るや入口に6mF17(写真2)が構え、疲れて4度目の高巻きで超える。
その後の微妙な二股はコンパスを当てやや水量の多い左俣に入ったが正解は右だった。
だが小滝を伴った明瞭な沢筋で、c810で水を汲むとミニ天国の階段みたいな長い滝に気を良くする。
いよいよ残り100mを切って沢形が消失、急な源頭だが草付きと小灌木でラッキーだ。
そしてコブのピークを右に見ながら稜線に上がり程なく山頂に到着した。
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辿った沢筋を眼下に感慨に浸る。
数えた滝は全部で19か20、そのうち高巻きが4つで何だかんだ登れる滝が多くレベル的に!!あるかって感じだ。
山頂からは南に大きなウエンシリ岳とポロナイポ岳、東のだらっとした山容は鬱岳、更に西興部の小さな街の向こうにオホーツク海が広がって良い眺めだ。
帰りは反対の六線の沢から周回の予定だが車が奥まで入れたのでやはり尾根を下った方が早そうだ。
稜線の藪は結構なもので973付近はコンパスが定まらず背丈を超す笹藪の中を行ったり来たりする。
東尾根からは少し藪が落ち着いて所々に登山道の名残りを感ずるが開削された年を考えればただの鹿道だったのかも知れない。
西興部のホテルでサッパリしたあとこの山の姿を見たかったが雲が掛かってしまい残念だった。
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