逆川〜バッカイ沢・遡行 (南八甲田) 地図はこちら ■Home |
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フェリーターミナルはJR脱線事故の影響か激混みで出航3分前に車を潜り込ませホットする。 遅くまでロビーで宴会し、寝たと思ったら八戸港に到着、唯一人しらふなdeさんの運転で酸ヶ湯に向う。 傘松峠を過ぎると車が1台止められ、そこから荒川に下る水道敷管理道が延びていた。 所々ぬかるんだ道を下って本流に入渓、水量のある川を坦々と進んで水量1:1の逆川と出合う。 何てことないゴーロだがとても水が綺麗だ。 やがてブナの木漏れ日が射し込み、溜りでは頻繁に魚影が走って奥入瀬川の様な美くい渓谷に変わる。 そしてエメラルドグリーンの釜を持った小滝F1が現れる。 次の滝では釣り人が糸を垂れ、どうやら今日の遡行者は我々だけのようである。 深い釜を持った滝が次々に現れ、ああ来てよかったと思った。 |
F3・5m斜滝(写真左)、その後に30mの高所より支流が降り注ぎ、遠めにはハットする景観である。 近づくと高さこそ無いが両岸迫るV字谷に懸かる立派な滝だ。 高さにふさわしくない程の深い釜を持ち、綺麗なエメラルド色が印象的だった。 この滝の直登は難しく左岸から巻くことにした。 このあと200mほど緩く左にカーブしながら両岸高いゴルジュの中に釜と小滝が続き息つく暇が無くなる。 |
何箇所か微妙なへつりもあって神経を使う、 暑い日ならいっそ中から突破した方が楽しいかもしれないがこの時期は流石に遠慮したい。 ここは標高もそれなりで歩き続けないとヒヤッとする気温だった。 ゴルジュが終わって左にカーブしたとたん深い釜を持ったF4・3m(写真右)が現れる。 今までは釜の底が透けて見えたがここは相当深いと見え要らぬプレッシャーを与える。 慎重にへつって左岸壁を登った。 |
F5・釜付4m(写真左)大きな釜を半周し右岸のリスに沿って滝口に抜ける。 F6釜付・4m直登。程好い間隔で快適な釜滝が続く! そしてF8・8m(写真右)割と大きな滝が見えてきた。 |
F8は滝上から見るとこんな感じで結構スリリングで楽しい。 ここは水流右際から、右岸壁から、そして右岸高巻きと三者三様で登る。 そして振り返ると谷間に八甲田山塊の一つ硫黄岳が望まれた。 |
次々に滝が続くが険悪さは全くない、 ゴロゴロした巨岩を越えるとF9・5m(写真左)の釜滝、ここは水流右から登る。 どれもこれも満々と水を湛えた大釜ばかり、そしてよく手頃な滝が次々と続くものだと感心する。 長い瀞の先に小滝F10・4m(写真右)が構え、自然の造形美にうっとりする。 ぬめりがなく滑らぬ岩質が幸いし、へつりも次第に慣れてぱっぱと通過する。 |
4mの斜滝F11を越えると巨岩と小滝(写真左)が連続しc980で1:1の分岐(写真右)となる。 本流は左だが右は横沼から流れ込む支流が10m位の滝になって落ち、 水量も多く気が引かれる。 |
c1050の二股は支流の滝F11・12mと本流の滝F12・10mが重なり圧巻である。 ゴルジュの奥に直爆となって落ちる本流の滝は見るからに直登不能、 取り合えず支流の左岸壁から乗越すことにする。 |
乗越して本流F12の滝上に降り立つと、両岸そり立つ狭い水路へ豪快に水を放っていた。 そして屈曲するゴルジュに3段8mの滝F13(写真右)が続きゾクゾクする景観の中を行く。 窮するようなものは無かったが簡単とも言えず程々に緊張させられる。 |
ゴルジュを抜けると一転して穏やかな渓相に戻り、底まで透けて見える美しい釜があった。 夏はウォータースライダーするのにいい滝だなと思ったら、 yoさんが「いきまーす!」って宣言するなり足から滑り込んだ。 一人ずつ後に続き、deさんが頭から飛び込んだのにはビックリした。 あまり気乗りしなかったが体がしゃきっとして昨夜の酒が完全に抜けた。 |
黒々とした釜のF14・3mを左岸から越えると、右から枝沢が立て続けに入る。 最後にF15・6m(写真左)を越えると沢幅が一気に狭くなって、 苔の岩が転がる間を水がちょろちょろ流れる程度になる。 そして笹を分けながら右に左に蛇行する沢筋を辿って広い高層湿原に行き着く。 あちこちに地糖が点在し晴れていれば八甲田の山々を目の前に臨む楽園の筈だが生憎、曇が広がり寒かった。 小雨もぱらつき出したので少し休んでバッカイ沢に降る。 |
湿原の端から適当にブッシュを分けると程なく沢筋に続けて水が流れ出した。 何処からともなく硫黄の匂いと共に岩が白くなって水が心持ち温く感じられる。 こちらの沢は赤茶けた岩盤が特徴で大小の滝が10コ程あったがザイルを出さずクライムダウンできる。 そろそろ荒川との出合いだがやけに遠いなと思ったら見過ごして15分のロスだった。 それでも予定よりだいぶ早く周回することができ、 美しくハラハラする沢に大満足で下山した。 |
時間が出来たので涙を呑んで酸ヶ湯温泉を見送り、
少し戻るが歴史のある蔦温泉(写真左)まで足を延ばすことにした。
落ち着いた素朴な佇まいの宿には新旧二つ浴室があり、貸し切りの様であずましい。
足下からぷくぷく泡が湧き出て、お湯の良さはぴか一だった。
むつ市で酒とつまみを買って下北の薬研温泉「民宿あすなろ」に着いたのは18時を回っていた。
具志堅用高にそっくりなマスターがいる気兼ねの要らない宿で、
ここも当たり前のように源泉掛け流しである。
その夜は同宿の若者を交え遅くまで盛り上がった。
<翌日の下北半島・うぐい滝川遡行 はこちら> |