羅臼岳 1660.2m 硫黄山 1562.5m 縦走
岩尾別温泉コ−ス 2000年9月初旬 メンバー3名 
1日目 曇り時々小雨 9.50(13.0km) 、2日目 曇り後晴れ 6.00(8.0km)  総時間15.50
1日目:登山口→(1.20)弥三吉水→(1.55)羅臼平→(0.55)羅臼岳→(0.30)羅臼平→(3.00)二ツ池→(1.30)南岳より1.5km地点C1
2日目:C1→(0.30)知円別分岐→(1.40)硫黄山→(3.00)登山口

羅臼岳登山口に建つ木下小屋(有料)          小屋裏にある露天は最高だった             羅臼平に荷をデポし山頂へ
9月中旬の3連休を利用し道東へ遠出した。当初の予定は15日〜16日羅臼岳-硫黄山縦走、 17日斜里岳と欲張り山行の予定であったが台風が日本海沖で温帯低気圧となった影響か朝から雨が降り止まない。 出発は明日に変更しとりあえず時間潰しに熊の湯温泉へ出かける。 早朝の清掃で湯がまだ膝小僧までしか溜まってないが時間を持て余した身、寝湯状態で小一時間ほど浸かって過ごした。 ウトロのコンビニですき焼きの材料を購入し後は木下小屋で真昼間から鍋を囲んでの酒盛りである。 小屋は一見小じんまりとしているが中は結構広く1階は4畳半程の小部屋が4つ、2階には大きな部屋が1つある。 この日の泊まり客は私たちと夕方来た1組だけで静かなものであった。 小屋の裏に小さな露天風呂が3つあり何時でも入り放題でありがたい! (女性用に囲われた露天も一つある) この晩は酒も底を突き早々と就寝する。 翌朝は曇りで小屋横の登山口を5時30分出発した。 ジグザグの尾根登りが続き一汗かくが背後にオホーツク海と知床五湖が望まれ気分が良い。 台風くずれのせいで風が生暖く上部にどんよりとした雲が覆っている。 しばらく尾根を登るとこんこんと清水の湧き出る「弥三吉水」に出る。 テント3張分の平坦なスペースがあり良い休憩場であるが後からどんどん人がやってきて急に混雑しだした。 「極楽平」と言われる緩急地を過ぎた後には大きな枯れ沢が待っていた。 裸地の急傾面で所々ロープが垂れている。この足場の悪い急所を登り切って一面ハイマツに覆われた平地「羅臼平」に至った。 濃いガスで山頂は見えないがツェルトの中にリュックをデポし頂を目指す。 ゆるい斜面の途中に岩壁から冷水の滴り落ちる水場がありとても美味しい。 ゴツゴツした岩を縫うように登ると間もなく山頂標識が目に入った。さすが百名山だけあって登山者が次から次と切れずに登ってくる。 狭い山頂は人で一杯だ! 強風で足元が危く記念写真を撮ってすぐ退散する。 羅臼平から先へ縦走する人は誰もいないようだ。 出発してから唯一出会ったのは三峰を過ぎたキャンプ地での二人連れだけ、 硫黄山側からやってきてテントを張ってる最中だったが地面はぬかるみ良い状態ではなかった。 ハイマツのアップダウンを何度か繰り返しサシルイ岳の登りにかかるが足が重くリュックの重さが堪える。 山頂は裸地でまともに風が当たり先を急ぐ、オッカバケ岳からは沢筋で滑りやすいこれを下ると二つ池に出るが池は思ったより 大きかった。(ここで水を濾過し補充する) 二つ池と言っても池の一つは干上がってテント床になっている。 (雨が多かった今年の夏は水があったらしい) 時間が早いのでキャンプ地をもっと先にすることにした。 ハイマツの密生した細い尾根を登って南岳のはずだが裸地で何処が頂上か分からぬまま過ごし下ってすぐ風避けの窪地が現れる。 草地でテン場に良いのだが「もう少し先にもっと広い場所があったような気がする」との言葉を信じて30分ほど行くと 確かに平坦で快適な草地が現れ今夜の寝床と決めた。植物を傷つけるのではと少々気が引けたが疲れがピークに達していた。・・・ 風は一晩中テントを揺すり顔に落ちる水滴で何度も目が覚めた。翌朝4時過ぎ風が収まるどころか一層強く相変わらずガスの中に居る。 出発してから30-40分程過ぎて知円別岳と東岳を結ぶ稜線に出たが今までとは風景が一変する。 火山灰と火山レキの痩せ尾根が硫黄山へと延び下から吹き上げる風が強烈である。 台風通過の真最中に道を歩いてるようなもので身を低くしながら時には四つん這いになっりする。 尾根は狭く足を滑らし滑落するとただで済みそうにない! 雲は飛ぶように流れるが時折青空がと日差しが現れ救いである。 ローソク岩のような基部を過ごしアップダウンの繰り返しでようやく硫黄山直下のコルに降り立つ。 ここで硫黄山を登りに単独でやってきた斜里の女性と行動を共にする。帰りの谷筋は風も無く硫黄川の枯沢を左右に巻きながらの岩下だ。 1時間ほどでハイマツの尾根に移るが再び岩のゴツゴツした新噴火口横へと出る。 天気はすっかり回復し青空の下にオホーツクの海が広がっている。 やがて眼下の「カムイワッカ湯の滝」を眺め緩やかな林間を1時間ほど下って登山口に着いた。 ありがたいことに車で「木の下小屋」まで送って頂く。車中「日高で山岳パーティが遭難したらしい」と耳にしたが・・ まさか身内とは思いもよらなかった。
     
  知円別岳と東岳を結ぶ痩せた稜線                硫黄山全景               無事に硫黄山登山口へ到着する

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