春分の日の三連休はホップ・ステップ・ジャンプの好天予報でメンバー待望のピリカヌプリを計画した。
この山はGWの積雪期に登られることが多いが暖冬小雪の年が多く時期として遅い感じがする。
3月の日高はまだ寒そうだが折角なら白く美しい風景を眺めながら登りたいものである。
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天馬街道の開発Pで前泊、床暖トイレが閉鎖されていた。
翌朝、野塚トンネル北口に急ぐと同じピリカ狙いの3人が準備中だった。
まだ雪は1m以上あり上二股までSBもばっちり、数日前のトレースを辿り東尾根にツボで取り付く。
快晴無風、ズボズボとワカン団子に疲弊しながら半分ほど登ると後方に野塚岳など視界が広がる。
稜線には先程の3人の姿が見え、手前の尾根からの方が歩き易かったようだ。
そして染み一つないペンギンカールを眺め南峰(写真中)に到着、素晴らしい展望が広がっていた。
北峰(写真右)を日帰りした二人が早々と降りてきたが亀の歩みの我々は何処まで行けるだろうか、
奥に見えるピリカに向かってちんたら進む。
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稜線は雪が締まって歩き易く、先行者のトレースを1時間で北峰に到着した。
今回で6回目の山頂だが眺望は今迄で一番良く、ピリカヌプリ(写真中)がとても近くに見える。
最近はトンネルからピリカまで日帰りする強者もいるらしいが真似の出来る距離(14km)ではない。
北峰の少し先で先行Pが早々とテントの設営中だった。
まだ13時だ、2泊の予定なのだろうか、明日のためもう少し頑張ることにする。
稜線には一両日前のトレースが薄っすら残っていた。
そして1512の次のポコに人影が・・稜線下が棚になった場所に3人Pが半日掛かりで大きな雪洞を掘っていた。
昨日稜線に泊まったら寒くて堪らなかったとのことで雪洞の中にテントを入れるらしい。
その傍の傾斜地を均して快適なテンバが完成、夜は降るような星の下に町の灯が見えていた。
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3時半起床、明るくなるのを待って5時半に出発する。
ガチガチの雪にアイゼンが心地良くテンバから急斜面を100mほど下る途中、十勝側の海から御来光が上がった。
周りの山々が朝陽に輝きこれぞ山泊りの醍醐味という景観である。
薄っすら積もった新雪のアップダウンに淡々とトレースを延ばす。
ピリカヌプリから南の主稜線は概ね広かったと記憶していたが流石にこの時期は気の抜けないナイフリッジが数ケ所出てきた。
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そんな稜線も7年越しのリベンジに掛けるメンバーの意気込みは強くガシガシ行く。
谷越に見る未踏の春別岳に思いを抱きながらいよいよピリカヌプリの山頂が近づいてきた。
直下のガチガチ斜面をピッケルで登って山頂に到着、二人が満面の笑みでピークを踏んだ。
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【ピリカヌプリ山頂から北方の眺め】日高の主稜線がソエマツ岳〜神威岳〜ペテガリ岳へと延びている。
その先には1839峰、カムエク、札内、十勝幌尻など険しい山嶺がうねうねと続き、
滅多に見られない眺望が広がっていた。
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【ピリカヌプリ肩から南方の眺め】 山脈の奥に海が広がって雄大な景色である。
テンバとトヨニ北峰が遠くに見えてため息が出そうだ。
山頂を下って15分程して先程のPが、1時間程して北峰コルにテン張っていたPとすれ違う。
谷から手が冷たくなる程の風が吹くかと思うとぴたっと止んで暑くなるなど忙しい天気である。
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【トヨニ岳南峰から南方の眺め】 昨日よりずっと眺めが良く楽古岳がクッキリ、またアポイやピンネ、豊似岳も良く見える。
下りの東尾根は風の加減でガチガチだったりグザグサだったり疲労困憊でトンネルに戻る。
帰る途中、日高沿岸は風が強かったが山の上はそれ程でもなく良い条件で再訪することが出来ました。
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<2009年の 神威岳〜ソエマツ岳〜ピリカヌプリ〜トヨニ岳・縦走 はこちら>
<2006年の ヌビナイ川右股川〜ソエマツ岳〜ピリカヌプリ はこちら>